第46話 行き詰りは展開の第一歩である。
セレスタリアから、遠く離れた西の都。
ローカトル王国。それと言って栄えているわけではないが、能力者での犯罪が起きやすい治安の悪い都市として知られている。
そんな能力者での犯罪を少しでも減らすために設立された、能力者専門の対策局。
国家公認の取り締まり組織、「能力者対策局」
通称、「PCH」のおかげで、都市の治安維持が最近は確立されている。
pove-2(オンボロ)に乗車し、レイが運転をしてローカトル王国に向かう。
「で、ちとせ、だよな?あんまり……その……着いたら衝撃のあまり気絶するなよ?……」
レイが目を泳がせながら、ちとせにそう警告をした。
まるで泳ぎすぎてバタフライが出来るほどに、、
それを聞いてちとせは、なんのことかわからない。
「勿論、気絶はしないけど、、、何のこと?」
キョトンとするちとせ。
「まぁ、後々わかるさ……」
そう言ってレイは黙り込んだのだった。
「なぁ〜、まだ着かないのか?」
ルナがそう言ってちとせに聞いた。
まだ、車を出して3時間程
道中の半分ぐらい?だ。
「遠いんですよ、」
「仕方ないな……」
そう言って納得するルナ。
「ルナちゃんって、私と似てるよね〜!」
ルーナがそう言って後部座席から顔を出して、ルナに言う。
このpove-2はオンボロと呼んでいるが、大きさはその乗る人数によって変わったりと、やたら便利であり、その車体も頑丈であり、銃座などと言ったものも付いている。
「え?そうか?」
「そうだよ!名前もだし、金髪の感じとか?」
そう言って、ルーナはルナの顔を凝視する。
そうして、直ぐに目を逸らした。
そんなこんなで、ローカトル王国に向かう一同。
因みに、デイビスは寝ていた。
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数時間後、なんとか着くことが出来たが、なにやら街は騒然としていた。
建物は崩れて怪我人が多数街に横たわっている。
おそらく多すぎて病院に入らないのだろう。
「どうなってるんだ……」
デイビスがそう呟いた。
他のちとせやルナは唖然としてしまっている。
「取り敢えず、目的地に向かうぞ!」
そう言ってレイは車を止めて、向かう。
それに続いてちとせ達も向かうのだった。
組織につくと、スーツ姿の人たちが皆何やらあわてている。
組織の中はそもそもが高い高層ビルであり、人が大量にいる。
科学力はまぁまぁだが、セレスタリアより進んでおり、エレベーターやエスカレーターなどが付いていた。
何かあったようだ。
ひとまず、ちとせ達はエレベーターに乗り最上階に向かう。
「えっと、もうすぐ部屋に着きます。ええ、わかりました……あ、あの、気絶しないでくださいね?」
レイが誰かと電話をしあい、気絶がどうのこうの話している。
「さ、着いたぞ、」
そうして目の前に大きな扉が現れた。
エレベーターから降り、扉を開けると、
大きな机に座る1人の女性と、その隣にいる男性がちとせを見て驚いた。
「おい、レイ、気絶なんて……うそ!」
そう言って男性は持っていた、コーヒーの入っているカップを落とし割ってしまった。
「お、おい、すぐる……割るなよ………」
そう言って、女性も何か記入していた書類の字がヨロヨロになっている。
明らかに動揺しているのがわかった。
「言わんこっちゃない……」
レイが頭を抱える。
「レイ,言ってなかったのか?」
デイビスがそう言って聞く。
「急遽だったし、、さっきのエレベーターで一応警告的な?感じだけ……」
レイがそう言っている最中に、女性はちとせに来るよう手招きをする。
「ん?」
何事かと思い、ちとせは取り敢えず女性に近づく。
女性はちとせの目や顔を見て、何か安心したような表情を浮かべている。
「つむぎ!やっぱり、久しぶr……」
そう言って男性は、何か言おうとしたようだが、女性に口を塞がれすぐに遮られた。
女性の名前はつむぎというらしい、
黒髪ロングで、身長がちとせよりも高く、綺麗な女性だ。だが、なぜか苗字を教えたがらない。
男の方は、すぐると言うらしく、つむぎよりも身長が少し高く、茶髪でサイドを少し刈り上げたイカつい見た目をしていた。
「あの、、どうかしました?」
ちとせが恐る恐る聞くも、つむぎはどこか優し表情でちとせを見つめて、首を横に振る。
「いや……大丈夫だ。ありがとう……
では、早速始めようか……」
(ありがとう??)
(言わないんだ……)
ちとせは少し困惑しながらも、そのありがとうには、何か重みがあるように感じた。
レイもつむぎの反応は、予想外だったので少し驚いた。
そう言って、部屋を隣の大会議室へと移した。
「いいか、この王国の宝物庫に、指輪がある。それは、3つ目に創られた指輪であり、物を過去の状態に戻すことができる指輪だ、これを取る。」
そう言ってつむぎは、進めた。
どうやら、この王国には、厳重に警備された国の宝物達を詰め込んだ宝物庫があり、そこに指輪はある。
そして、この国に来た時、なんか怪我人がいっぱいるのは、どうやら魔物の影響があったらしく
アイツらが他の指輪を取りに行っている最中に、念の為魔物もこの3つ目を運良く確保できたらいいなと言うことで送り込んだようだ。
その結果、街が少し崩壊しつつも、被害を抑えることができたらしい。
「で?国家公認の組織ならそんな事、侵入とかしなくても取れるんじゃないか?」
デイビスがそう言ってつむぎに聞く。
「ああ、だが最近うちらの組織を名乗った奴らが、何件も来ていてな、、そう簡単には無理そうだ。
あそこは、フレイム・コアなら突破できそうで心配だからな、私たちが持っておくんだ。」
「なるほどね、」
レイが納得する。
「その建物は最新科学技術を備えた超高層ビル。
その最上階に位置するところにあるんだが、ほんとはどうにかしてドアを開けるため、中に入れるように通気口を開ける必要があるんだが、その心配は無くなった。」
そう言って、つむぎは、ルナをみる。
「え!?妾!?」
ルナが目を大きくし驚く。
今回はルナは結構重要な役割のようだ。
そのような形で、全員に作戦を知らせて、指輪を目指すのだった。
(サムソンの、あの指輪取り返さないとな……)
呑気にそんなことを考えるちとせであった。




