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第44話 夢を見るから、人生は輝く。

 鬼の正体、それはこの里の人々。

 里の外の人々や里の中の人々を喰らい、生まれた悪魔の塊。

 この里を守るために生まれた悪魔である。

「どうすんだ?ノア。」

「……依頼、お前のさっさと終わらせる…傍から攻めるぞ、」

「了解、相棒。」

「相棒じゃねぇ、」

 そうして、2人は鬼の攻撃を合図にそれぞれ左右に分かれて攻撃を開始する。

「んあ"!!」

 吠えながら鬼が残った片腕で、2人を攻撃するも流石にノアとカルロにはもう同じ技は通じない。

 ノアが影で近接攻撃をし、カルロがそれを援護する。

 だが、ノアはその時に気づいた。

 カルロの目が青色に光っている。

「能力者……?」

 そんな事に気を取られていると、鬼が口を開き何やら青白い光を放出しようとしている、

(まず、、)

「ノア!」

 そうして、カルロがノアを跳ね飛ばし、カルロは銃弾を放つ。

 だが、その銃弾は普通の銃弾ではなく、何か白く輝いていた。

 その時、何処からか声が響く。

 《カルロ・ドレイクは、ミシックスキル、建御名方神たけみなかたのかみ狩猟の神を獲得しました。》

 耳元から響くその声に伴い、カルロからとてつもない威力の銃弾が発射され、それは鬼の顔を吹き飛ばした。

「うそ、」

 カルロでさえも驚くその光景に、ノアは唖然としている。

「……カルロ!」

「なんだよ、、」

 ノアがカルロを呼ぶ。

「やったな!見直したぞ」

 そう言ってハイタッチを求める。

 そんなノアをみて少し引いている様子のカルロ。

「お、おう……」

 だが、カルロ自身も嬉しかったのだろう、

 少し照れくさそうにお互いハイタッチを決める。


 ――――――――――――――――――――


 少し離れたその場所では、とてつもない速さと共に、轟音が響き渡る。

 ちとせと、氷馬であった、

 もはや2人は武器を捨て拳で殴り合い、さらに魔法等の異能力は魔力妨害のせいで、役に立たず、ちとせは無意識で、憤怒の力を使っていた。

「……厄介なんだよ!!」

 そう言って氷馬は、ちとせの頬を殴り地面に叩きつける。

 そうして、直ぐにちとせは立ち上がるもその隙を与えず、氷馬は追撃を仕掛ける。

「……まず、」

 慌てて回避し、ちとせはまたしても念動力で氷馬を飛ばす。

 唯一この念動力は他の異能力とは違い,魔力の消費が少ない、そのため魔力妨害の影響をそこまで受けずに、氷馬にダメージを与えて、距離をとり戦況をうまく変えることができていた。

「……?」

 吹き飛ばされた氷馬の目の前に、ちとせは立ち尽くしている。

 一瞬、氷馬は訳がわからなかった。

「こいよ?」

 すかさず、氷馬はちとせに近づくとその途端、

 ちとせの姿は消え、誰もいない。

 そうして、その地下には氷馬しか居ないそんな状況であった。

「そうか……なら、こうだよな?」

 氷馬は片手から錬成する、それは武器というかボールのような物、それを氷馬は上空に投げる。

 そうすると、地下が明かりで照らされ影が出現した。

 そこに向かって、氷馬は突進する。

 そこにはちとせが居た。

 ちとせは、氷馬に一時的な幻覚を見せた。

 だが、幻覚といってもその幻覚を作ったのは弱ったミルだ。

 ミルが作った幻覚は、氷馬の目の前の生物を消して認識できなくするという物。

 だが、消えるのは人だけ、消えると言っても対象から見えなくなる。

 ちとせはその隙に氷馬にダメージを与えるつもりであったが、氷馬は閃光弾のような物を使い、

 辺りを明るくした。

 見えないのはその人だけであって、影は見える。

 それによって居場所がバレてしまった。

「経験の差ってやつかな?」

 倒れたちとせに氷馬は近づく。

 手の骨を鳴らし、氷馬は余裕の笑みを浮かべている。

「笑わせんなよ……負けはあんただ、」

 そう言ってフラフラの身体を起こし、なんとか立ち上がる。

「……?まだ、立てんのか、」

「怒りの業火……炎舞、」

 そう言ってちとせは、右腕を上に、左腕を下にし、何か手の中で創り上げる。

 それは、小さい炎が舞う様子があった。

 その炎は段々と大きくなり、やがてちとせを包み込む。

(知らない技……)

 氷馬はその炎に何故だか見惚れていた。

 その炎の中には、自分の過去の様子と、理想であった普通の生活をしている自分がいた。

(俺は,そうだ……これになりたかった、、

 道をいつから……いや、最初から外れていたのか……)

 炎は辺り一体を埋め尽くし、綺麗な弧を描いて美しく燃え盛っていた。

 その炎にいつのまにか氷馬は包み込まれていった。

 炎が消えると、そこには大火傷をし、皮膚が爛れた氷馬が立っていた。

「俺の…最後か……勝てたな、、調子乗ったか……

 教えてくれよ、理想を…何かを夢見る事は……ダメなのか……?」

 しゃがれた声で、かろうじてちとせに問いかける。

「………良いんじゃないか?

 誰にだって何か夢見る権利はあるだろ、理想だってさ……」

 そう聞いて、俯く氷馬。

「でも、見てるだけ、憧れているだけじゃ、それは叶わない……何事も小さな一歩でも、踏み出すことが必要なんじゃないか?

 憧れでも、行動でも、真面目にやればいいさ、

それを嘲笑う奴がいれば、そんな奴、こっちが逆に笑えば良い。

 少なくともソイツは、自分の人生の一時的なモブに過ぎないんだから……」

 ちとせは、氷馬にそう言った。

 それを聞いて安心したのか、氷馬は立ったまま、眠りについた。


 ――――――――――――――――――――


 3人が集まり、一件落着、誰もがそう思ったその時。

 いきなり、地面が揺れ始め天井が段々と崩れていく。

「なんだ!?」

 ミルを急いで回収し、カルロも混乱していた。

 地面を埋め尽くす血の池から大量の骨が出てきた。

 それは、3人の足を掴む。

「おい!コイツらここに引き摺り込もうとしてるんじゃないか?」

「そうっぽいな、おい、ちとせ?」

「えっと、今どう言う状況?」

 ちとせは記憶が所々飛んでいた。

 まだ、未熟なちとせに憤怒の力は強大すぎて記憶に異変を起こしたのだろう。

 その時、カルロは離れた鬼の死体からなにか見えたそれは一つの穴だった。

 おそらくあそこから魔力が溢れ出し、この骨達が動き出した。

 あそこを埋めれば良い。

 ただ、大抵の物では意味がない。

「なぁ、2人とも、そして、ミル!楽しかったわ!」

「何言ってんだ?」

「こんな事になったのは俺のせいだしな、

 俺があそこを食い止める。穴を埋めるというより、もう壊すわ!魔力暴走を起こして、パンクさせる。そっちの方が早い。

 その間に逃げてくれ!時間は稼げるだろ?」

 カルロはできる限りの笑顔で、2人にそう言った。

「でも…死ぬじゃん、カルロが!…」

「そうだぞ、カルロ!」

 ちとせとミルもその意見には同意をしたくない。

 だが、ノアは違った。

「わかった……頼む。相棒!」

「ノア?」

「おう………任せろ!」

 そうして、ノアはミルとちとせを担ぎ、すぐに影をつかってその場をなんとか離れた。

 そうして、カルロは銃弾を込める。

(じいちゃん、あんま話した事なかったけど、

 多分、それは俺と距離をとりたかったんだよな……うっかり里のこと話したら、こうなるって分かってたから、、にしても、元警官だからな、凄いやじいちゃん……またな、ノア、ちとせ、ミル!

 楽しかった、これで依頼達成だな!!)

 カルロの発砲を骨達は、止める。

 カルロの身体に纏わりつき、離れようとせず、撃たせようしない。

 だが、カルロはそんなこと関係なしに、

 狙いを穴に向けて一気に撃ち込んだ。

 銃弾は赤く、緑色で、白色、そして所々に青色が纏わりついている。

 その輝く銃弾は穴に向かって一直線で向かい、命中。

 その途端、辺りはとてつも無い衝撃波で、里の一体が吹き飛んだ。

 その様子をノアとちとせとミルは、車の中から見届ける。

「カルロ……」

 ちとせとミルは俯く。だが、カルロの起こした自分たちを逃すための技、その衝撃波を最後まで見届けた。

 ノアは運転していて、顔がよく見えないが、何か目から涙が溢れていた。そんなふうに見えたのだった。

 そうして、カルロの一通の手紙から始まった。

 3人と1匹の出会いの物語。最初の依頼は、

 1人の仲間のおかげで、達成することができたのだった。






本編の45話は、21日に投稿します

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