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第38話 我に勝ち、味方に勝ち、敵に勝つ

「はぁ、はぁ……歯が立たないな………」

 玄武がそう言って、膝をつく。

 周りには白虎とリアム、カリンまでも倒れていた。

「そんな程度か……期待外れもいいとこだな。

 ヒーロー勝つなんてもんは、ただの幻想に過ぎない…所詮自分の思想を押し付けた凡人だ。」

 そう言うバアルの周りからは先ほどの氷馬が、身体並みに纏っていた赤黒い瘴気が溢れ出ている。

「……クそ、が!」

 白虎が起き上がり雷霧の槍を飛ばす。

 だが、余裕で止められてしまいその槍は白虎の胸を貫通した。

「…………あんたの負けだ。……玄武!お先……」

「ああ、俺も直ぐに行くさ……」

 そうして、バアルは自らの剣で玄武にトドメを討とうとするが、その瞬間大量のナイフがバアルに向かって飛んでくるが、直ぐに躱した。

 と思っていたが、次の瞬間ナイフはバアルの肩に突き刺さる。

「おや?攻撃が入ったみたいだな、?魔王!」

 バアルの目の前には、ルーナとライリー、レイが立っていた。

 リアムとカリンは眠ってしまっているが、まだ息はある。

 玄武はレイの姿を見た瞬間、なんとか来るまで足止めが出来たと安堵し消えていった。

「ライリー!」

「わかっちょる!」

 レイがライリーの事を呼ぶと、ライリーはさらに了解し何か行動をする。

 すると、レイとルーナの魔力量がどんどん増していくことがバアルはわかった。

「……どうなっている、、」

 バアルは少し疑問に思ったが、直ぐにそれは解消された。

 バフ魔法。

 一時的におそらく、ライリーの力がレイとルーナに篭っている。そう言う事だった。

「にしても、大丈夫なんだろうな?」

「大丈夫だぞ!」

 そうして話すライリー,その肩には見覚えのある白い子猫がいた。

 ミルだった。

 どうやら、ミルのバリアによって護られているが、不安の様子。

 となると、ミルがいるライリーには攻撃したところで無駄。そう思いバアルは仕方なく、レイとルーナを潰すことにした。

「ルーナ、援護!」

「はいはい、」

「破壊!」

 そう言うと、バアルは紫色の禍々しい丸い球体状の物をレイに向かって飛ばす。

 直ぐに、レイは避けナイフで攻撃をする。

 そのナイフは、どれだけバアルが避けようが絶対に突き刺さる。しかも切れ味も抜群である。

(どうなっている……)

 血が出るとこを抑えつつ、レイが投げるナイフに気を取られていると、後ろから足音がすることに気づく、直ぐさま振り向くとルーナが剣を持ってバアルに向かい斬りかかる。

 何とか避けるも気づいたらそのルーナが持っていた剣がバアルに突き刺さった。

(………!)

 動揺するバアル。

 久しぶりにここまで敵の攻撃を見事に喰らったからだ。

 だが、紐解けた。レイの能力が分かったのだ。

(よし、今のところ順調か、、、何とかライリーの攻撃力アップとかでさらにナイフと剣の切れ味も付与したから、だいぶ楽だな……ただ、)

「おい、レイとかいったか?お前、時間を停止させているな?」

「それが分かった所でどう対処するんだよ?」

「ふ、俺が時間より早く動けばいいだけのこと……」

 そう言うといきなりバアルはレイの目の前に現れ殴りかかる。

「タイム・フリーズ!」

 そう言って時間が停止した。

 停止時間は5秒。この隙に攻撃を仕掛けようと動こうとしたその時、バアルの腕が動き出し、レイの胸ぐらを掴む。

「はぁ、こう言うことだろ……?」

(マジか、コイツ時間に干渉した、、?)

 停止時間の中で、レイを投げ飛ばし時間が動き出す。

 レイは木々の所に吹き飛ばされ、意識が朦朧としている。

「レイ!」

「無駄だ!」

 そう言ってルーナに剣をぶつける。

 なんとか、ライリーの援護もあってか火花が散りつつも耐えることが出来たが、そう長くはもたない。

 レイが直ぐに立ち上がり、ルーナの元へ行こうとするも身体は思うように動かなかった。

 だが、後ろから猛スピードで駆け寄る1人の少女がやってきた。

 ちとせであった。

 右腕には先ほどまで着ていた上着が腕に巻かれている。

 バアルが片手でなんとかあしらおうとするも、ちとせは憤怒の力により強さが増している。

 驚異的な身体能力とパワーでそれを回避し、後ろから思いっきり殴る。

 剣を落として、吹き飛ぶバアル。

「ふぅ、選手交代!」

「……貴様か!」

 ちとせは上着を着直し正面を向き、バアルと対峙する。

 バアルが拳を振り出し、ちとせを殴るとちとせもそれに応じて拳をぶつける。

 お互い、押し合いが始まる。

 憤怒の力をちとせは使いこなして来て、パワーは上がり、大罪スキル対魔王の衝突により、あたりの時空が歪んでいる。

「やりすぎだろ!!」

 ミルがそう言って、目を飛び出している。

 だが、ちとせの狙いは別にある。

 もはや、ちとせはもう体力がほぼ残っていない。

 ので、正面からぶつかる気はないし、コイツを仕方ないが逃す事にする。

 ただ、勿論重症でだ。

 一旦、ちとせは距離を取る。

 その行動に何か察したのか、バアルが辺りを見回す。

(なんだ、まさか!)


 ――――――――――――――――――――


 セレスタリア城では、

 なんとかアーロンやマリー他の召使達やロイス、琥珀、ハイルのおかげで殆どの魔物達を駆除した。

「しかし、城中が汚くなりましたね、」

「魔物相手にここまでしたんだ、上出来な方だろう、」

 マリーがそう言って、城の中、辺りが魔物の血でいっぱいな事に目をつぶる。

「1番悔しそうですけど……」

「うるさい!」

(ああ、本も血に染まってしまった……)

 どうやら、書斎にも魔物が来てしまったそうで散らかってしまい中がr18ものになってしまっているそうだ。

「お嬢様!ここは大丈夫ですよ!」

 アーロンがそう言うと自分の部屋からルナが出て来た。

「もう居ないか?」

「ああ、大丈夫だ。な?」

「ええ、大丈夫そうですね〜」

 ロイスと琥珀もどうやら無傷のようだ。

「あの人たち強すぎません?」

「十一大惑星なんでね……」

 他の召使達が琥珀とロイスの様子を見てアーロンにそう言った。

「ちょっと、ごめん。ちとせから思念伝達がきたから、行くわ!」

「いってらっしゃいです〜」

 思念伝達は1番覚えやすい。

 ハイルも他の人から思念伝達を一瞬で学ぶことが出来たため、予めちとせにも教えといたのだ。

「ここら辺か?」

 ハイルが目の前に岩や木々が連なっている所の前に立つ。

 あたりに敵は居ない。

「確かに少し離れた所に強いのがいるな……

 なるべく高威力で、広範囲、殺す気で!ね……」

 そうして、手を伸ばして中指と薬指と小指を畳み

 ひさ差し指を伸ばし親指を伸ばす。

 手で銃のような形をした。

「指鉄砲!!」

 そう言うと手から青白い丸い小さな球体ができ、

 そこから眩い閃光のようなものが一瞬と光り、かなり太く青く水色で所々に赤い稲妻が走るそれは木々と岩を突き抜け、少し離れたバアルの元へと向かう。


 ――――――――――――――――――――


「みんな!下がれ、死ぬぞ!」

 ちとせがそう言って、レイ達を離れさせるが、

「俺たちが1番分かってるわ!」

 と言い、レイ達は直ぐに避難をした。

「そう来るか!!」

 直ぐに交わす事を考えるバアルだが、そんなのは不可能だと分かるとガードをしようとするが間に合わない。

 バアルはまともにハイルの指鉄砲を喰らった。

 辺りは完全に山一つ分ぐらい抉れており、

 バアルの姿は見えない。

「一先ず、おっけいか……」

「相変わらず、アイツは規格外だな……」

 レイがルーナに肩を貸してもらいそう言った。

 そうして、セレスタリアでの戦いが幕を閉じた。


 ――――――――――――――――――――


 薄暗い洞窟で、1人の男が遅く、ずるずると足を引き摺りながら歩いている。

 その男は片腕というか、上半身、頭を含めて半分が丸々と抉れ無くなっていた。

 バアルである。

「うわ!派手にやられたね……」

 梟がバアルに気付き直ぐに反応する。

「ハイルだ、、噂に聞いていたが桁違いにも程がある。」

 近くにある岩に腰を下ろしバアルが淡々と話す。

「バアルさんでもそんなに苦戦するんだ……」

 ハリーが余裕そうに意気揚々とそう言った。

「ノアは準備できているのか?」

 烏が聞く。

「研究所にいるけど、まだ情緒が不安定なんだよね〜まぁ、ハイルの事はどうにかしてもう一回作戦を立て直そう。」

 そう言って一同は机を囲みながら座り今後について話し始めた。

この作品リアムというキャラが2人いますが、別人ですからね!!

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