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第30話 霊戦に当りてわれらを助け、悪魔を退け給え

「あ!あんなところに……」

「騙されるか!」

 そう言ってイザベラはルナの手を捕まえようとしたその時、素早く躱わす。

「危な!」

 そうして、すぐさま反対方向へ走るがその方向にはちとせがすでに立っていた。

「なに!?能力者か!」

「能力者です、」

 デジャブのようなどこかで見覚えのある会話を交わし、ちとせはルナの方へ歩む。

 だがその時、ルナの横にはもう一つ通路がありその奥には水色の輝く光が少し離れたルナを照らす。

 直ぐにルナは確信した。

 トロフィーだと。

「めんめんめん!」

 ルナは腰に隠していた小さい刀を取り出し、ちとせに習った剣術で対抗するも、全て威嚇にもなっていない。

「………」

「あれ、剣術?」

「わぁ、何にも見えないー……」

 アーロンは顔を少し赤くし、マリーは自分の目を手で隠し現実から目を背けている。

 直ぐにルナはトロフィーに向かって走る。

 トロフィーを掴んだ場合、ルナの勝利となり点はルナに入る。

 だが、ここで手加減をすればちとせの点は少し下がってしまう。

 ここは、出来る限り本気で行ったほうがいい。

 そう思いちとせも走りルナを追いかける。すぐさまその後ろからイザベラが続く。

 そうして、ルナがトロフィーの目の前に行き触れようと手を伸ばしたその時ちとせがルナの目の前に現れる。

 トロフィーは候補者が触れないと意味がない。

「ルナ様。ここまでです。」

 そうして、ルナの頭に触れようとしたその時、

 ちとせの首がいきなり締まる。そのまま少し浮いてしまった。

「………!っ、!」

 ルナの青い瞳がちとせを見つめる。いつもより光ったその目は何か雰囲気が違った。

「どうなってんの?」

 イザベラが不思議に思うが、それは観客席も皆同じ反応だ。

「どうなってんだ?!」

「アーロン?」

(8歳の女の子がいきなり、先ほどといい明らかに魔力だけではなく、何かがおかしい。)

 アーロンがそう考えていると、なにやら舞台上が騒がしい。

「朕の行く道になぜそなたがおるのじゃ?」

 ルナはちとせを離し腕を組み問いかけている。

 ちとせは咳き込み、それどころではないようだ。

「ルナ様?」

「ふん、トロフィー、そんなの掴み取る前に。良いだろう、其方相手してやる。」

 なにやら、口調、話し方全てがまるで別人のようだった。

「えっと、ルナちゃん?どうしたの、いきなり……」

 イザベラがそう聞くと、すぐさま後ろの壁に体がめり込んだ。

「其方には聞いておらん。」

 ルナ?の念動力のようだ。

「ハハ、まじ?いいっすよ……勝ちます。けど!」

 そうして、ちとせはルナの方へ走る。

 だが、次の時ちとせは地面に突っ伏していた。

 ルナに蹴りを入れられたのだ。気づかなかった。

 それもすごい速さで、お腹を蹴られ一瞬意識が飛んだ。

 それはもはや8歳とかそういった問題ではない,異次元だ。気づくと刀が吹っ飛んでしまっている。

「おい、どうした?もっと楽しませろよ!」

 ルナ?がちとせの髪を掴み、顔面を連続でパンチする。ちとせは顔中血だらけで鼻が折れ曲がっており、歯が何本か折れていた。

 手も足も出ない。そう感じた。

 そのとき後ろからちとせとサムソンの刀、ケルベロスを片手にルナに突進するイザベラだった。

 ちとせの意識は朦朧とするが、それだけははっきりとわかった。

 だが、ルナ?にはもはやそんなの通用するはずもなく、あっけなくパンチで吹き飛ばされる。

「もっと、マシなのないの?まぁ、いいか……

 お前に用はない、、」

 そうして、ルナ?はケルベロスを持ちちとせの背中に突き刺す。

「………!」

(痛い、いたい……)

 ちとせを激痛が襲う。ルナ?は何回もちとせの背中に刀を突き刺す。

 やがて、ちとせは動かなくなり真っ赤な血が辺りを埋め尽くした。

「うそだろ、、」

「死者がでたのか……」

 観客が呆然としていた。もちろんマリーやアーロンも状況が読めない。

 しかも、ちとせを殺したのはその自分が守っていた元の候補者に殺される前代未聞。

「…………」

 ハイルは無言でその様子を見ている。

「まじか、、」

 マリーが呆然としている中、ふと隣を見る。

 すると、ミルが消えていた。

「マリーさん!」

 アーロンがそう呼んで舞台上の方を指差す。

 そこにはミルがちとせの方にいた。

「ちとせ……」

 ミルが血だらけのちとせに近づく。ミルの真っ白な体もちとせの血で赤く染まっている。

(微弱だけど、まだ生きてる。イザベラの方も、多分アーサーが保護魔法をつけたのか、生きてる。)

「ちとせ、体借りるぞ……」

 そのとき、ミルの体は透けていきちとせの中に入った。

 そして、ちとせ?は立ち上がった。

「せこいな……」

「お前がいうなよ……なんでもアリなんだろ?」

 ちとせの瞳は黄色く変わっており、ミルが憑依していた。

(なんだ?こいつ、どんどん魔力量が上がって……いや、コイツ、まさか!!)

 そう考えているとき、ミルがルナ?を蹴り飛ばす。

「くそっ!」

 そうして、ルナ?はすぐさま手のひらにとてつもない程の魔力を集中させた、それは先ほどの倍以上のものだ。

「ちとせは油断したみたいだけど、俺はそうならねぇよ!」

 そう言って近づくが、ルナ?の手には破壊のエネルギー、が籠る。魔法を最大限に極めた者だけが撃つことのできる大技を至近距離で撃つも、後も簡単に片手で弾かれてしまった。

「審判は下った。お前は、悪。地獄だ。」

 ミルの片腕には天秤があり、ルナ?の善悪を判断した。その結果とてつもない悪。同情の余地なし。

 という事で、最大火力で打ち祓う。

 ミルの片手には気がつくと剣があり、すぐさま構える。

「天罰の裁き・覇王の裁定、、」

 ミルが天の怒りを相手にぶつける、行った悪事を全て断罪する技。

「は。まじか、、、なんで!お前が!ここに……

 大天使ミカエルがここにいるんだ!!」

 そうして、眩い閃光に会場が包まれる。

 ルナは寝てしまった。

 ミルはトロフィー拾い上げ、イザベラを起こし触れさせた。

 その途端、会場中に花火が打ち上がった。

「王位継承戦!勝者は!イザベラお嬢様!そして、セレスタリアの護衛日浦ちとせ!!」

 そうして、王位継承戦第2回戦が終わったのだった。

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