第28話 最も大きな危険は勝利の瞬間にある
「殺したのか?ほんとに、、」
ちとせが恐る恐る聞くも、黒子は答えない。
そうして、立ち上がりちとせに向かって猛スピードで突っ込んでくる黒子。
すぐさま、刀で受け止めるも黒子の力はちとせを凌駕している。
「なんて、馬鹿力だよ!獣王剣・怪火」
そう言うとちとせの周りに赤黒い炎が出て、その炎は黒子に向かう。
だが、獣王剣とちとせが唱えた瞬間、黒子は一足早く一歩下がった。
まるで、こちらの技をすべて知っているかのように
「怪火か……ノロいな………」
無口な黒子がそう言うのが聞こえた。
次の瞬間、ちとせの炎を全てかき消した。
「はぁ?どうなってんの……」
ちとせの炎は一瞬で消えてしまった。
「イザベラ様!これ、勝てないっす!」
大きな声で報告する。
ちとせは負ける戦いはしたくない。だから、結構色々逃げたりするが、今回は逃げようにも逃げれない。
理由は、アーサーの件があるからだ。
(やるしかないよね……)
「式神!騰蛇!」
ちとせがそう言うと、目の前には炎が広がる。
そして、段々と姿が現れ火を纏う蛇。が現れるだが、翼などがあり、龍のような見た目をしている。
「龍………」
イザベラが思わず声を漏らす。
とうだ。十二天将という式神の中でも12の最強の式神であり、その中でもとうだは恐怖を支配する最恐の鬼神である。
とうだは五行の火。十干の丁にあたる。
騰蛇は現れたその時、すぐに辺りは霧が広がる。
騰蛇はこの霧の中を自由に飛び回ることができるのだ。
「2対1これなら、勝てるでしょ……」
イザベラは騰蛇とちとせの後ろに下がり、黒子もエマを後ろに下げる。
「俺の時は……そんなの無かった……」
そう言って黒子はまたちとせに突っ込むが、騰蛇が火を吐く。
黒子は困惑した。先ほどのちとせの火と違い、今度の火は消えない。
それもそのはず、騰蛇はこれでも神だ。そう簡単に消えるわけがない。
それに合わせてちとせは、直ぐに刀で黒子のマスクを攻撃をする。
すると、顔の目元のところが割れて瞳が見えた。
その瞳の色はちとせのような赤い瞳だったが、その瞳はなにか、復讐に満ちているようなそんな瞳だった。
「………くそっ…」
そう言って、黒子は一旦引いたが、騰蛇はそれを逃さず、さらに追い詰める。
黒子を壁に押し付けた。
護衛がいなくなった時、エマは1人になった。
「やっぱり、強いのね……」
「すいませんね。」
そう言ってちとせが近づいたその時,エマはちとせの手を持っていた小さいナイフで切りつけた。
「ごめんさい……でも、」
そう言ってちとせを見るが、ちとせは笑顔だ。
「うん、こうすれば点が入る。いいよ、別に……」
そうして、ちとせはエマの頭をコツンと優しく手を置いた。
これで、黒子、エマは脱落。
残りはちとせ、イザベラ、エディ、ミア、ルナ。
アーサーは不明だ。
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「もう!お前、なんなんだよ!強えよ!!」
そう言って、エディは犬神の方を指差す。
犬神の強さにエディはキレていた。
「ちょっと!何やってんのよ!」
「うっせぇな!ババア!」
「あ?んだと、ゴラァ!」
「うわ!般若だ!」
エディとミアは仲間割れをしていた。
それどころではないのに………
「なにやってんだ?アイツら……」
ミルも観客席でそうツッコンでいた。
「面白いな………あの2人は」
「そうですか?」
VIP席でロイの隣に座る2人の老人たちが、そう言ってモニターに写るエディとミアの2人を見ていた。
そんな事もお構なしに、犬神はエディを倒すため、手から大きな青白い火の玉ができる。魔力弾だ。
その大きさは人の顔4つ分ほどの大きさだ。
「まずい、、ミア!俺の後ろに……」
そう言おうとした時、魔力弾はエディに一直線で向かってくる。
だが、その時、魔力弾は消えた。
消えたと言うか、消滅……一瞬で無くなってしまった、
「君たちに質問がある。小さい女の子。ルナという子を見ていないか?」
エディが顔を上げると、目の前には白髪の所々黒く焦げていた服のアーサーが立っていた。
「………?生きていたのか…」
犬神がそう言ったとき、アーサーはすでに犬神の後ろに立っていた。
アーサーが犬神を蹴り飛ばす。
アーサーはあの時、炎に紛れてすぐ逃げた。
服をある程度焦がし完全に死んだように見せる。
魔力も抑え、行方不明に見せたのだ。
「あんた、強いな、、、、」
(こいつの魔力量……測定できない、、)
犬神は直ぐに立ち上がり、アーサーを,見る。
すると、アーサーの動きは止まる。
(なんだ、動けない……)
そうして、アーサーを攻撃しようとした時、後ろから轟音を鳴らしながら、何十本ものナイフが飛んでくる。
そのスピードは空気を切り裂くほどの速さで、
すぐに、犬神は避けるが数本だけ、頬や腕を掠めた。
「まだ、いるぞ!」
そうして、エディは犬神に近づいた。そして、自分の体ごと犬神を放電させ、膝をつく。
「よくやった!」
そうして、アーサーは剣を振り下ろす。
すると、犬神は光の粒となって消えていった。
「ふぅー、、疲れたな……」
エディがそう言って床に尻をつく。
だが、次の時迷路内で報告が来た。
「エディ、ミア脱落!」
(は?)
そうして、エディがミアの方を見てみると、アーサーはミアを鞘の部分で触れた。
エディは守れなかった。
「お前!」
「すまない………ただ、やれるときにやっとかないと…」
そうして、残るはちとせとイザベラ、ルナとアーサーだけとなった。




