呼び出し
「あのさ、なんで先輩と親しくしてる訳?」体育倉庫にはクラスの女子の1部が集まっていてそのリーダーみたいな人物、立花が私に聞いてくる。
「親しくしてるつもりはないんだけど」
「あなたにはなくても周りから見れば親しいんだよ」
「大丈夫だよ、私、先輩に気なんてないから」
「うん。だって私の『好きな人』は別にいるからさ」
「なら、早く言いなさいよ」立花がホっとしたのか私にそう言ってきた。
「ごめんね」
「それで、好きな人って誰なの?」
「それは、言えないかな」
「つまんないわね。先輩に言ってあげてもいいのよ?」
「どういうこと?」
「先輩は、あなたのことが好きなのよ」第三者からの思わぬ告白。誰が誰を好きだって?もう一度聞きたくなるような・・・否、もう一度、聞き返してしまった。
「待って、誰が誰を好きだって?」
「聞いてなかったの?先輩が石見のこと好きなのよ」
「そうなんだ」残念だ。こういうことは叶う叶わないは別として本人の口から本人の言葉で直接伝えて欲しかった。先輩がこいつらに言うように頼んだわけでも無いのは分かっている。だが、その気持ちがもし本物だったなら伝える機会はいくらでもあった。
「じゃあね」この日からしばらく先輩と顔を合わせることが私には出来なかったしどんな顔で合えばいいのか分からなかった。




