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石見と天宮  作者: 柴咲心桜


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3/11

先輩とお昼

「おはよう、マナ」


「おはようございます!先輩」


登校途中の校門付近で、先輩の声が背中に届いた。思わず振り返ると、にこやかに笑う先輩の姿があった。


「もう、ためでいいって言ったのに」


「周りに人がいる時にタメで話すと、礼儀知らずだと思われるんですよ!」


マナは思わず口調を硬くしてしまう。周囲の目を気にする自分が少し恥ずかしかった。


「マナ、そんなこと気にしてたの?」


「私だって人間なんですから、気にするに決まってるじゃないですか!」


先輩の軽い笑い声に、少しだけ胸が高鳴る。


「二人だけの時は、タメで話してよね?」


「分かりました。二人だけの時はタメで話すようにします」


そう答えると、先輩は嬉しそうに笑って、先に校舎へ入っていった。



***


午前の授業が終わり、昼休みになる。教室でノートを整理していると、先輩がこちらに向かって歩いてきた。


「屋上に来なさい」


小さな命令口調に、思わず微笑む。マナは購買で買ったパンを急いで持ち、先輩の待つ屋上へと向かった。


「遅かったじゃない!」


「ごめん、購買行ってから来たから、少し遅くなっちゃって」


先輩はそんな返事にも満足げに笑い、マナの顔を見つめる。


「ちゃんとタメで話してくれてありがとう!嬉しいよ」


お互いに笑いながら、買ったパンを齧る。屋上の風は心地よく、少し緊張しながらも幸せな時間が流れた。



***


昼食の後、マナは体育館へ向かう。バスケットボールを片手に、汗を流すのが日課だ。


先輩も誘ってみたが、昼食の後は友達と約束でもあるのだろう。今日は一人で練習するしかない。


「今日はここまでにするか」


ボールを片付け、午後の授業の準備のため教室へ向かう。


歩きながら、後ろから声が聞こえた。


「バスケ、楽しかった?」


振り返ると、先輩がにこやかに笑っている。


「食後の良い運動になりました」


「良かったね」


「はい」


友達が近くにいるため、タメで話すことはできなかった。それでも、先輩の優しい声が心に響く。


「じゃ、またね」


「お疲れ様です」


午後のチャイムが鳴り、授業の開始を告げる。マナは少し胸を弾ませながら、教室の席に着いた。

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