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石見と天宮  作者: 柴咲心桜


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10/11

身元不明人

入学してから半年が経ち季節は秋になった。


「明日、進路調査を行うのでそのつもりでいてください!」始業式が終わり、ホームルームで担任の先生の連絡を聞いている私たちは夏休み気分がまだ抜けないでいる。


「夏休み、あっという間だったよね」私に話しかけてきたのは隣の席の立川沙苗さん。


「早かったよね」立川さんとは夏休み前も同じクラスだったが席が離れていたため絡むことが少なかった。


「こら!話は最後まで聞きなさい!」立川さんと話していると注意される2人。


「また後で話そうね!」そう言われたため「うん!」と愛想良く返事をしてから先生の話を聞くことに集中する。


「今日はこれで放課となります。気をつけて帰ってください」


「今日、帰り早いよね」


「先生たちは大事な会議があるらしいよ」


あれから、先輩とは1度も会えていない。何故か分からないが避けられているような気がするから愛に行きずらい。


「今日、仁美いなかったよね」誰もいない教室で考え込んでいると後ろから声を掛けられた。


「あなたが、石見舞ね?」


「そうですが?」聞き覚えのない声のため顔を確認しようとすると話しかけてくる。


「振り向かないで」


「あなたは誰ですか?」


「それは言えない、けど要求があるの」


「要求?」


「天内美弥に近付かないで」


「しばらく会ってないですけど」


「それでいい。とにかく彼女にはそれ以上関わらないで」そう言うと身元不明人は教室を去っていった。


「あの人、誰なんでしょう」舞は謎を抱えた2学期の開幕となった。


翌日。


「舞は先輩と最近、話してないの?」


「うん。そもそも見かけないんだよね」


「え、聞いてないの?」


「何を?」


「先輩、来月から海外に留学するんだよ」


「え、」なにそれ、そんなこと聞いてない。


「もう知ってると思ってたけど知らなかったのね」


「今月もあと少しで終わるんだし、いなくなる前にちゃんと話しておいた方がいいわよ」


先輩にメールをしていて思った。


昨日、身元不明な人が言ってたのは先輩は海外留学するから私も先輩のことは忘れて生きろってことだったのかな。


そう考えながらメールをしようとするも久しぶりでどう話しかけたらいいのか分からない。


「先輩からだ」


『将来の夢はなにか?』か。


私がなりたいもの、憧れている職種。


「教師です」すぐに、返信すると先輩も一瞬で既読を付けて返信してくれた。


『あなたさえ良ければ私と一緒に海外留学しない?それに私、あなたのこと好きだから』そう返信されたため会って話したいとメッセージを送る。


『放課後、学校近くの公園に待ってる』


「分かりました」私は放課後になったら早く学校近くの公園に向かった。

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