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琥珀おじさんとゲンの詩の時間  作者: 真鶴 黎
企画展――琥珀おじさんとゲンの詩の時間――
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琥珀の死後と関係者

 高岳琥珀はこの地で静かに息を引き取りました。

 ここでは、琥珀の死後、琥珀の関係者たちのことを簡単にご紹介します。


〇高岳祥

 琥珀の死後も△△の地で暮らす。ゲンとの交流は続いた。

 しかし、琥珀の死から五年後に病が発覚。祥の身を案じた琥志朗に説得され、△△を去り、琥志朗たちと暮らす。

 死後、琥珀が眠る△△の地に埋葬される。



<ゲンにお別れを告げました。本当はここで最期を迎えられたらと思っていましたが、一人で暮らすのもいつか限界が来てしまう。主人と過ごし、主人が眠るこの地を去ることは辛いけれど、ゲンに迷惑を掛けられないと思いました。

 おじさんのことはぼくが見ている、とゲン。頼もしい姿でした。でも、元気でね、と頭を撫でたら泣いてしまいました。おばさんもいなくなるのは嫌だ、と。

 優しい子と出会えて本当によかった。主人も天国で見ていてくれていることでしょう。>(祥の日記より)



〇高岳琥志朗

 作曲家として活躍。鷹峰による「子狐のご挨拶」の作者発表後、「銀に咲く花」を琥珀の名と共に発表。親子の代表作として、名を残す。



<菅間さんとも相談して「銀に咲く花」を発表した。もちろん、父の名前と共に。やっと、夢が叶った。>(琥志朗「父の詩へ贈る」より)



〇高岳竜大

 脚を悪くしたため、琥珀の葬儀に出ることも、墓参りに行くこともできなかったことを最期まで悔やんだという。祥が△△の地に住んでいる間、墓前に供えてやってほしいと琥珀の誕生日や命日になると△△の地へ多くの贈り物をした。



<私にできることは限られていました。けれど、何もしないというわけにはいかなかった。あの子が好んだ物を祥さんに頼んで供えてもらう。祥さんには苦労を掛けると思ったが、それでも何かをしたかった。>(竜大「琥珀のこと」より)



〇菅間鷹峰

 琥珀の詩の編纂を行う。

 琥珀の死から八カ月後、『青空』第一号が出版された一年後に「子狐のご挨拶」の作者が琥珀であることを発表。

 編纂が終わり、詩集『にらめっこ』を出版。

 蘭亭社を勝巳に託した後も作家や作品、出版、言論の自由を守ることに重きを置いた。「文学の守り人」と称せられた鷹峰の精神は今もなお、蘭亭社に深く根づいている。



<琥珀君の詩を世に出せた。△△へ送ったところ、可愛い本になったとゲン坊から返事が来た。装丁にもこだわった。琥珀君には可愛らしすぎやしないかと言われそうだが、いいじゃないか。とくに、琥珀色の題字なんていいだろう。最高の形で詩を残せたと褒めておくれよ。>(鷹峰「友の詩とにらめっこする」より)



〇千里虎太郎

 琥珀の詩の編纂を行う。

 猫崎騒動(ねこさきそうどう)(※)の際、真っ先に反応。猫崎を批判した一文「虎に噛みつく猫の何たるか」は有名。騒動の早期収束に貢献した。

 鷹峰の死後、文筆家の団体である文芸院の代表を継ぐ。

 

 (※)猫崎騒動

 詩人・猫崎文一(ねこさきふみかず)による騒動。

 「子狐のご挨拶」の作者発表後に起きる。本当は自分が書いたと主張し、蘭亭社に乗り込み、騒ぎを大きくする。蘭亭社、及び、虎太郎らが否定の声明を出し、琥珀の遺言を公開。猫崎の処遇が決まったことで、事態は収束した。



<墓前で琥珀さんの詩集を出せたと報告した。まだ駆け出しだった頃、僕の作品が大衆の目を惹くようにしてくださったのは琥珀さんだった。今度は僕が琥珀さんの詩を世に広める番だと思った。いい声が聞こえる反面、悪く言う人もいる。けれど、琥珀さんはそれをわかった上で、僕らに託してくださった。

 まだ恩は返しきれていないと思うけれど、大きな一歩だと思った。>(虎太郎「琥珀さんとコタ」より)



〇ゲン

 祥との交流は続き、鷹峰、虎太郎らと共に琥珀の詩の編纂を手伝う。

 詩集『にらめっこ』の名付け親はゲンである。

 祥が△△の地を離れた後の消息は不明。



<タカに詩の本の名前は何がいいと思うかきかれた。

 むずかしい。

 むむむとしていると、まどにゲンの顔がうつった。

 むむむとしていた。

 おじさんもむむむとしながら、詩とにらめっこした。

 おじさん言ってた。

 おじさんがいなくなったあと、にらめっこしないといけない、て。

 おじさんの詩のことでにらめっこした。

 こういうことなのかな。

 タカに「にらめっこ」がいいと言った。>(ゲンの日記より)

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