(^^♪
とほっぅ
目に砂埃が入る。
頭上には生物を恨んでいるような輝きを見せる太陽が体力を焼き切るように存在している。
広大な砂浜。
「.....なあ。タカシ。私を裏切る気か?」
俺の目の前の人間が、何か話している。
「ミカ。お前と何を話す必要があるんだ。」
「そういえば、タカシと戦うのは初めてだったな。」
そういってミカは『武器』を取り出した。
「私の武器の恐ろしさは私が一番知っている。そしてその次はお前だ。」
びりびりと包装を破く音。
ああ。俺はこいつと戦うのか。実の家族の何十倍も共に過ごした、こいつと。
俺は覚悟を決めた。瞬時に。
俺は『武器』を取り出し、目の前の友人に向けた。
「だよな。お前はどういう状況でも『それ』を使う。お前はそういうやつだ。一番思い入れのある『それ』。だから私は『これ』だ。」
ミカの持つ武器から黒い光が発せられる。
天高く掲げる。
「くらえ!!〈コンドラチェフ・ファランクス〉───」
地面から生えてきたツタが俺の足を絡めとる。
足が固定されて俺は動けなくなってしまった。
しかし俺は冷静だった。
「そんなもの対策済みだよ!!」
俺はミカに見せていなかった新技を披露する。
俺は≪烏合の構え≫を取る。
「哲学的ゾンビよ目を覚ませ!!〈トリスカイデカフォビア〉!!!」
砂浜からおよそ10体の死体がどくどく生まれる。
ゾンビたちはミカに向かって動き出した。
「っく!」
ミカは意識をゾンビの対処に向ける。
ゾンビの足元へツタが動き出した。
やはり根本的な解決へは向かない。
すぐにゾンビもやられてしまうだろう。
しかし俺はこの隙を逃さない。
「構造変換〔テニスコートの誓い〕!!!!」
俺の『ガリガリ君 コーラ』はマグカップの形へと姿を変える。
これで俺はすぐさまカウントダウンを開始する。
そしてカップの標準をミカへ合わせた。
俺の『ガリガリ君 コーラ』は『友好団体 アファンタジア』製品。
今、ミカは初めて知った事実。
「......2...1....発射。」
俺のマグカップがミカの持つ武器に向かって突撃する。
激しい砂埃が舞う。
カッチ-ン
俺は戻ってきたマグカップを手に取り風の敬力を発動して砂埃をはがした。
見晴らしがよくなったそこには何も持っていないミカがいた。
「そうか。私はお前に殺されるんだな。」
ミカは微笑む。にやりと。性格の悪そうに。
こいつはこういうやつなんだ。俺は知っている。ミカ自身はもっと知っている。
ミカは最後の抵抗か。何かをつぶやき始めた。
俺は自分の『マグカップ』を『オールト』に変換させた。
「間に合うか。クソボケナス。」
俺は『オールト』で好鉄を発動した。
風が吹く。
ミカの頭が落ちた。
「じゃあな。俺は実家へ帰るよ。そんなものないけど。」
俺が背を向けて歩き出す。
その時、俺の視界はさかさまになった。
「っあれ」
何故か俺は空をむいている。
何故か俺は砂を見つめている。
何故か俺の視界は真っ黒になる。
「....タカシ。お前も一緒に落ちるんだよ。」
「....ミカ!?お前、なぜ体が!!!」
自由落下をしているミカには確かに体があった。
もちろん。俺にも。
いつの間にか、俺はいつの間にか地獄のような場所にいた。
もしかしたらここは本当に地獄なのかもしれない。
「今しか話せないかもしれないな。タカシ。お前にはいつも驚かされるよ。」
「...いや。俺が今驚きすぎているんだけど。なんだよ。お前。」
「お前に教えてやるよ。私が持っていた武器は『ガリガリ君 ソーダ』ではない。」
「私が持っていたものは『ガリガリ君 メロンソーダ』だ。一緒に溶けよう。地獄の底まで。」
ああ。だからこいつのこといやなんだ。一緒にいると悪いところばかり目に入ってしまう。
ちぇっちゃ