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ルックス査定システム発動

良かったら、読んで行って下さい。

かなり男性向きに書いている作品ですが、後に伏線回収などもあるので女性が読んでも楽しめるかもしれない小説になっています。

次はいよいよ、お待ちかねの女性陣の自己紹介の番だ。俺は司会進行役をノリノリで続ける。


「それでは、そちらの白のドレスの方から自己紹介をお願い出来ますか?」


俺から一番離れた席の女の子に声を掛ける。その女の子は少し照れた様な表情を見せて、小さく頷く。


「私の名前はユリンと言います。貴族をやっております。よろしくお願いします」


貴族とは思えないくらいの丁寧な物腰だ。素敵だ、大好きだ。俺の男の本能が脳を活性化させる。次の瞬間、俺の脳内にあるルックス査定システム、通称“リトルサーク”が発動する。


 説明しよう。


 ルックス査定システム、“リトルサーク”とは、女の子のルックス、いわゆる見た目だけの良し悪しをランク付けするという、女の子に知られると怒られてしまうシステムの事なのである。


 このランク付けは、かなりの美女がAランク。美女がBランク。普通の見た目がCランク。やや劣るがDランク。かなり劣るがEランクなのである。


 もちろん、これは俺の独断と偏見で決められる。


 だから、女の子にこのランク付けの結果を知られる事は非常にまずいのだ。見た目だけを見て、中身を見ないなんて最低と言われてしまう。そうなると、俺は女の子達から嫌われる。それは、絶対に避けなければならない。なぜなら、俺は女の子にモテたいからだ。


 では、話を戻そう。


 この白のドレスのユリンと言う女の子の評価は、Bランクだ。正直、お付き合いしたいぜと言うレベルである。


 茶髪のセミロングヘアがとても似合っていて、活動的な感じがする。それに貴族であるのに、それを鼻に掛けない所が性格の良さを物語っている。この子と仲良くなりたいとチェックをしておく。


「では、次の隣の方、お願いします」


 俺はユリンの右隣の青のドレスの子に視線を移し、声を掛ける。一瞬、彼女は引きつった顔を見せる。この子もあまり合コンに慣れていないから、自己紹介が苦手なのか。俺はそう感じ、少し様子を見る。


「はい、スミマセン。こういう場にあまり慣れていないので、少し緊張しています。私の名前はミレと言います。私も貴族です。よろしくお願いします」


 大人しそうな彼女が丁寧に挨拶する。黒髪でロング、そしてスレンダーな体型がスゴくいい。かわいい系と言うより、むしろキレイ系と言った方がいいだろう。


 ミレと言う女の子の評価も、Bランクだ。彼女もスゴく魅力的だ。この女の子ともお付き合いがしたい。俺は妄想モードに突入し、エロい事を考えてしまう。


 すると、ミレの表情が苦笑いに変わる。あれ、まただ。俺がエロい事を考え始めると彼女はスゴく嫌な顔をする。また、ニヤけた顔になってしまったのか。俺は真顔になり、進行を続ける。


「それでは、次の方、お願いします」


 ミレの隣のピンクのドレスのお嬢様に俺は話し掛ける。何かとこの合コン、このお嬢様がお騒がせしてくれるよなとチラリと彼女の顔を見る。


「どいつもこいつも、ロクな挨拶をしないわね。ちっとも面白くないわ。私の名前はサーロット。この国の最高上級貴族のホウム家のサーロットよ。本来なら、こんな庶民の合コンなんて、お下劣なモノに参加しないんだけど。暇だから来て上げたのよ。感謝しなさい。だから、貴方達、しっかり私を楽しませなさい。分かったわね?」


 サーロットと言うお嬢様は立ち上がり、皆を見下ろしている。皆、視線を落とし、下を向いている。


 しかし、俺はサーロットお嬢様の顔をじっと見つめる。なぜなら、俺は彼女を査定しなければならないからだ。


 身分だの、貴族だの、お金だの、そんなの一切俺には関係ない。その女の子がカワイイかどうかが重要なのだ。臆する物など何もない。


 “リトルサーク”がサーロットお嬢様を分析する。彼女のルックス評価は、何とAランクだ。絶世の美女だ。顔もスタイルも最高だ。男なら誰もが彼女の美貌に見とれてしまうだろう。


 しかし、これまでの一連の行動が示す様に、彼女の性格は決して良くない。いや、ハッキリ言おう。かなり、性格の悪いお嬢様だ。


 俺は美女が好きだ。大好きだ。しかし、性格が歪んでいる女とは一緒にいたくない。あえて言おう。付き合いたくないのだ。


 Bランクの性格の良い女性が二人もいる。あえてイバラの道を進む事はない。今回は彼女は無しだなと俺は方向性を決める。


 フムフムと頷きながら、次のメイド服の女の子に自己紹介を促す。


「じゃ、最後ですけど、お願いします」

 俺が話を振るとメイド服の女の子はお辞儀をして、挨拶を始める。


「私はカルネと言います。サーロット様にお仕えしているメイドです。私など、同じこの場の席に居合わせて申し訳ないです。目障りなら早々に退席します」


 カルネと言うメイドは何度も深々と頭を下げている。今にも彼女は泣きそうな雰囲気だ。


「いいのよ。人数合わせの為に私が参加する様に命じたのだから。そこに居なさい」

 威圧のある声でサーロットがカルネに話す。場が静まり返る。スゴイ緊張感だ。


 おっと、危ない。場の空気に飲まれて、査定を危なく忘れそうになる所だった。


 カルネの評価はCランクだ。どこにでもいる様な普通の女の子だ。今回特別に狙う相手ではないかなと俺は分析する。

読んで頂きありがとうございました。

また、よろしくお願いします。

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