雨音に紛れて 作者: 赤井藍 掲載日:2023/11/13 傘を忘れた君と並んで帰る。 土砂降りの雨が傘を叩き、少し気を紛らわせてくれる。激しい雨音でも君の声は消えない。 「ねぇ、泣き止んでよ」 「……やだ!なんで私と付き合ってくれないの?!」 仕方ないだろう。 「仕方ないじゃないか。だって僕達ーー」 「兄妹でもいいじゃん!」 知ってる。だからダメなんだ。妹のことは世界で一番大切だから。 「……僕だってできるなら付き合いたかったよ」 声を上げて泣き続ける妹の隣で、呟いた声は雨音に紛れて消えた。