雨音に紛れて
傘を忘れた君と並んで帰る。
土砂降りの雨が傘を叩き、少し気を紛らわせてくれる。激しい雨音でも君の声は消えない。
「ねぇ、泣き止んでよ」
「……やだ!なんで私と付き合ってくれないの?!」
仕方ないだろう。
「仕方ないじゃないか。だって僕達ーー」
「兄妹でもいいじゃん!」
知ってる。だからダメなんだ。妹のことは世界で一番大切だから。
「……僕だってできるなら付き合いたかったよ」
声を上げて泣き続ける妹の隣で、呟いた声は雨音に紛れて消えた。
傘を忘れた君と並んで帰る。
土砂降りの雨が傘を叩き、少し気を紛らわせてくれる。激しい雨音でも君の声は消えない。
「ねぇ、泣き止んでよ」
「……やだ!なんで私と付き合ってくれないの?!」
仕方ないだろう。
「仕方ないじゃないか。だって僕達ーー」
「兄妹でもいいじゃん!」
知ってる。だからダメなんだ。妹のことは世界で一番大切だから。
「……僕だってできるなら付き合いたかったよ」
声を上げて泣き続ける妹の隣で、呟いた声は雨音に紛れて消えた。