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カドショも異世界みたいなもんでした  作者: おこめぽてと
3/4

3ターン目 遅刻社員とスリーブ入れ

ついに初の女性キャラ『浅川レゼ』ちゃんの登場です!

真面目なのか不真面目なのか、、彼女が加わりさらに加速するカドショライフから目が離せない!

「ショーケース対応の研修は終わったから次はスリーブ入れだね。」


値段ショックによる動揺はまだ残るがそんなことを言ってる場合でもなく。


「お客さんから買い取ったカードを裸のまま店頭に並べるわけにもいかないからね。買い取ったカードはレジの裏の従業員スペースに置いてあるからそれをスリーブに入れて、パチカとバトファイに分けるんだ。単純な作業だよ。11時から開店だ。スリーブ入れはバイトでも教えられるからショーケースの中の配置でも覚えてて。」


そういうと小浦さんは従業員スペースへ入り店長と会話を始めた。


「店長、ショーケース研修は終わりですね。今日の出勤は浅山と海原くんでしたっけ?」


「そ、バイトは5分前に来てりゃそれでいいから海原はともかくとして、、、。浅川のヤツはボコかな。」


浅川さんって方が社員なのかな?てことはもう1人の海原さんがバイトってことか。


「おはようございます〜」


開店5、6分前あたりで入ってきたその男はツーブロックを全て金髪に染め、両耳に多くのピアスをつけていた。身長は自分と同じくらいだから173〜175あたりか。

彼はこちらを見ると近づいてきた。


「お、あなたが今日から入るアルバイトの方ですか?俺は海原金一(うなばら きんいち)っていいます。これからよろしくお願いしますね!」


金髪ピアスの海原と名乗る男は正直見た目のイケイケ感?みたいなのからは想像もつかないほど丁寧に挨拶をしてくれた。


「そうです。今日から入ります三神大奈です。よろしくお願いします。」


「三神さんね、おっけーい。年齢いくつすか?」


「今年で19歳になります。」

「お、タメじゃん!フランクにいこうぜ三神さん。」

「急にフランクすぎるだろ。」


食い気味に距離を詰めてくる海原さん、いや


「そんじゃ色々教えてくれ。よろしくな金一」


金一という男の小気味良い挨拶に緊張が一気に絆される。とんだ人たらしだと初対面にして感じる。


「ほいじゃ2人ともそろそろ店員用のエプロンつけて開店準備頼む。海原はそのあと三神くんにスリーブ入れ教えてやって。」


「了解っす店長。今日はこの4人だけすか?」


「いや、いま小浦が浅川に鬼電してる。多分寝てるから。」


「あー」


キーッ!!!!!

つんざくようなブレーキ音が店の外から店中に響く。

と、間髪いれず


「あっぶねえええええ、店長!減給だけはマジで勘弁してください!この通りです!!」


「あと2分で開店だからさっさと土下座やめて準備しろ。お前週2で遅刻してんのそろそろ直せやアホタレ。」


「はいっ!わたくし浅川レゼは心を入れ替え、誠心誠意カードショップアリエに身も心も捧げます!」


土下座から起き上がり「浅川レゼ」と名乗ったその女性は真っ白な美しい髪をポニーテールに纏めた少し幼さの残る美少女といった風貌だった。


「ま、何はともあれ開店だ。海原、三神くんにスリーブ入れ講習頼むな。」


「おけっす」


そんなこんなで初日のバイトが始まった。

金一から教えてもらったスリーブ入れは

・お客さんから買い取ったカードはレジ裏の従業員スペースにケースに入れてまとめられている。


・そこからカードをとってそれらをスリーブに入れる


・入れ終わったカードはパチカとバトファイに分けてそれぞれ2列のストレージに入れていく


こんなところか


「まあ三神さんに教えるのはこのくらいかな。今日は初日だしスリーブ入れとお客さんの対応だけかな。」


「ありがとう金一、助かるよ。」


________


黙々とスリーブ入れを続けていると先ほどの白髪の女性が話しかけてくる。


「はじめまして、俺は浅川レゼ。今日は寝坊かましてめちゃくちゃ遅くなったけど一応ここの社員やらせてもらってる。よろしくな!」


「よろしくお願いします、浅川さん。三神大奈です。」


「レゼ、でいいよ。」


「あ、じゃあレゼさんですね。よろしくお願いします。」


レゼさんはその小柄で美しい容姿とは裏腹にゴリゴリの男口調で話しかけてくる。


「三神くんや、俺がスリーブ入れのコツを教えてやろう。利き手はどっちだい?」


「右手です。」


「そしたら右手側にカードたちを置いてみ、ほんで左手でスリーブの束を持つ。うちの業務用スリーブは柔らかいから指で少しずらすだけでカードを入れられる。あとはカードを次々入れていくだけさ。一応時給の出てる仕事だからね、カードを傷つけないことを第一になるべく早く作業してね。」


「はい!ありがとうございます!!」


「ま、三神くんからしたら初手から遅刻したやつが何言ってんだって感じかもしれないけどね。」


頬を少し赤らめ舌を出し悪戯っぽく、照れ臭そうに微笑むレゼさん。

それを俺は素直に美しいと思った。

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