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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

漂白

作者: 金平糖

昏くて黒い彼の過去

私がいくら受け入れたと伝えても、彼にとっては取れない「汚れ」だった。

あなたを苦しめるその事実を私はどうにかして忘れさせてあげたかった。

真っ白に染めあげてなかった事にしてあげたかったの。だから

できるだけ髪は剃らないように最小限にして

切れ味の良いメスをそっとそのラインに沿わせて、引いて、開いて

かたい頭蓋骨にひびを入れ、僅かな隙間からテコの原理でそれをこじ開けたら、真っ白な修正液が飛び出して私の手はたちまち彼の色に染まった。

私はついに彼の脳を取り出し

彼の笑顔みたいにやわらかなその物体を両手で優しく包み込んで、漂白剤でたっぷり満たした浴槽に沈めた


もう大丈夫だよ

何も悩まなくていいんだよ

二人で真っ白な頃に戻ろうね

風鈴の音がした。

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― 新着の感想 ―
[一言]  漂白したい。  抉り取りたい  切り抜きたい。  そんな願望は、誰しも少なからずあるのかもしれませんね。  海外ドラマ好きで、開頭するシーンよく見たので、リアルに想像できました(笑)
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