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殺戮學園逝徒會畸譚  作者: 坐久靈二
第四章 殺戮學園と一つの大事業

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第七十二話 假藏學園解放

 世界には二つの力しかない。「剣」と「精神」の力である。そして最後は「精神」が必ず「剣」に打ち勝つ


――ナポレオン・ボナパルト

 真里(まり)愛斗(まなと)憑子(つきこ)仁観(ひとみ)嵐十郎(らんじゅうろう)は、『弥勒狭野(ミロクサーヌ)』の爆岡(はぜおか)義裕(よしひろ)(くろがね)自由(みゆ)を相手に一進一退の攻防を繰り広げていた。二対二になった事で、愛斗(まなと)仁観(ひとみ)が集中して爆岡(はぜおか)を狙えず、また爆岡(はぜおか)がこれまでの戦いで大きく疲弊し、戦況は拮抗したのだ。


 現在、愛斗(まなと)(くろがね)を、仁観(ひとみ)爆岡(はぜおか)を相手取っている。

 自らの策に溺れ、大きなダメージを負った(くろがね)愛斗(まなと)の敵ではないと思われたが、異様な執念で渡り合っていた。思えばこの(くろがね)自由(みゆ)という男の最大の脅威は実力でも頭脳でも残虐性でもなく、何度も無様を晒しながらも立ちはだかる執念なのかも知れない。


真里(まり)愛斗(まなと)……! (おれ)はてめえの事も仁観(ひとみ)と同じくらい許せねえ! 何もかも、てめえと関わってから狂い始めたんだ!」

「知るかよ。元はと言えばそっちが華藏(はなくら)の生徒に手を出したのが始まりだろ? その後も戸井(とい)を誘拐したり、電気街で虐殺したり、(ぼく)と関わる時は碌でもない事をして(ばか)りじゃないか。」

五月蠅(うるせ)え‼ 生意気なんだよ華藏(はなくら)のチビ雑魚餓鬼の癖しやがってえええっっ‼」


 (くろがね)は腐食したトレンチナイフで愛斗(まなと)に斬り掛かり、猛攻を仕掛けてくる。(ただ)れた肌が痛々しいが、反応し切っていない硫酸が動く度に飛び散るのは地味に脅威だった。又、体に付着していると思うと愛斗(まなと)の方からも迂闊(うかつ)に仕掛けられない。


真里(まり)君、落ち着きなさい。今の(きみ)には、何も直接殴る叩くだけが攻め手ではない筈よ。』


 憑子(つきこ)のアドバイスで気付きを得た愛斗(まなと)は、精神を集中して全身から白い光を放出する。この光に威力は然程(さほど)期待出来ないが、闇の力を浄化する効果がある。そして、物理的な力が全く無い訳ではない。


「ぐっ……!」


 強い風に吹き付けられた様に、(くろがね)の動きが一瞬止まる。実際、風圧の様な力で(くろがね)の身体から雫が飛び散った。水分の蒸発した硫酸は危険だが、薬液そのものを吹き飛ばしてしまえば関係無い。但し、量が減れば蒸発も早まるので半端に残さず速やかに除去する必要は有るが。


「良し、このまま続ければ!」


 愛斗(まなと)は気力を振り絞って何度も光を放出する。この技は普通に戦うよりも大幅に消耗するのが難点だ。(くろがね)の全身から硫酸を除去する事に拘らず、必要な部位だけ攻撃可能な面積を確保する。

 即ち、中丹田、鳩尾(みぞおち)付近。


「うおおっ‼」

(くそ)が‼」


 トレンチナイフを振り被る(くろがね)の素振りに、一瞬飛び散る硫酸の懸念を抱いた愛斗(まなと)だったが、敢えて果敢に掌底を繰り出した。当てた後、素早く腕を引っ込めて自身も間合いを離す、ヒットアンドアウェイの要領で飛び散る雫をやり過ごす。この攻防で、愛斗(まなと)は一つ戦いの進め方を学んでいた。


『思わぬ所で良い実戦経験が出来たわね。あの女を相手にする前に、これは中々の僥倖(ぎょうこう)よ。でも……。』


 しかし、この攻め方では相手に決定的な打撃を与える威力に欠ける。このままでは徒に消耗してジリ貧となってしまうだろう。真面な状態でない(くろがね)が落下と硫酸の傷に耐え切れず力尽きる、というのは期待出来るだろうか。執念で戦う者の粘りを甘く見てはいけないだろう。

 愛斗(まなと)(くろがね)は以前、硬直状態である。



 一方、仁観(ひとみ)爆岡(はぜおか)も甲乙付け難かった。

 二日前の傷と、長時間の拘束で満身創痍の仁観(ひとみ)だったが、爆岡(はぜおか)も闇の力に依る強化を失いかなり力を落としている。加えて、仁観(ひとみ)には闇の眷属に痛打を与える手段を持っている。これらの条件と、仁観(ひとみ)の気力が合わさった結果、彼等は条件を五分としていたのだ。


「おおおおおおッッ‼」

「ガアアアアアッッ‼」


 二人の拳がぶつかり合い、互いの身体を弾く。仁観(ひとみ)爆岡(はぜおか)鳩尾(みぞおち)を叩けば、爆岡(はぜおか)仁観(ひとみ)の顔面を殴る。爆岡(はぜおか)仁観(ひとみ)の脇に回り蹴りを叩き込めば、仁観(ひとみ)爆岡(はぜおか)の鼻柱に頭突きをぶつける。二人の超人的な問題児、不良が死力を尽くし、素手の殺し合いを演じていた。


爆岡(はぜおか)、確かにてめえは強えよ。この(おれ)よりも遥かにな。その類稀(たぐいまれ)な才能、もっと別の、世の中に認められる方向に生かせば良かったのにな。それだけは惜しいよ、本当にな。だが、お前の悪は度が過ぎるんだよ。捨て置けねえ、()(ばら)らしちゃおけねえ。絶対に叩きのめさなきゃならねえ。」

吐戯(ほざ)け、雑魚オカマ野郎の分際で……。この(おれ)を叩きのめすだと? やれるもんならやってみろよォッ‼」


 爆岡(はぜおか)の渾身の一撃が仁観(ひとみ)の顔面に炸裂し、彼の身体を激しく捻って吹き飛ばした。


「ぐはあっっ‼」

「てめえ如きが(おれ)に勝てるかよ‼ てめえは所詮、築き上げる人間だ‼ (おれ)は壊す人間、この下らねえ世界の何もかもを滅茶苦茶にする迄、形振り構わず暴れる破壊衝動の塊だ‼ 棲む世界が違う‼」


 爆岡(はぜおか)は転げる仁観(ひとみ)に駆け寄り、サッカーボール(よろ)しく腹を蹴り飛ばした。


「世の中に認められるだと⁉ どうでも良いんだよそんな事は‼ (おれ)のやりてえことは、破壊だけだ‼ 假藏(かりぐら)に入って頂点(テッペン)目指すのも、『弥勒狭野(ミロクサーヌ)』を組んだのも、(ほこら)の闇の力を求めたのも、全ては目に付く何も()もを粉微塵にぶち壊す為なんだよ‼」


 追い打ちに、爆岡(はぜおか)仁観(ひとみ)を踏み付けにしようとした。しかし、脚を振り上げた瞬間に仁観(ひとみ)は揚げ足を取り、起き上がり様に持ち上げて爆岡(はぜおか)を転倒させた。


「何⁉ てめえ‼」

「ぅオラアアアアッッ‼」


 そのまま、仁観(ひとみ)爆岡(はぜおか)の身体を振り回して二・三回地面に叩き付けた後、投げ飛ばして校舎の窓硝子(ガラス)に突っ込ませた。


(くろがね)が一番の莫迦(ばか)なら、爆岡(はぜおか)ァ、てめえは一番下らねえ野郎だなァッ‼」


 仁観(ひとみ)啖呵(たんか)に応える様に、爆岡(はぜおか)は壁を突き破って校舎から出て来た。硝子(ガラス)の破片で血塗れになり、白目を剥いたその姿は、(さなが)ら悪鬼羅刹の如しである。


仁観(ひとみ)……キレちまったよ……。もう皆お終いだ……。華藏(はなくら)も、假藏(かりぐら)も、後者も山も全部跡形も残らねえ……。何も()もぶっ壊れるまで止まんねえよ……。」


 爆岡(はぜおか)の異様な雰囲気に、仁観(ひとみ)は冷や汗を掻いて身震いした。()し、此処(ここ)からが爆岡(はぜおか)の本領発揮だとすれば……。


「前言撤回はしねえよ? 創造の無い破壊程下らねえもんはねえからな。」


 仁観(ひとみ)も又、戦いの見通しは良くなかった。



 愛斗(まなと)仁観(ひとみ)、二人とも夫々戦いの行方は揺蕩(たゆた)っている。だが、状況を動かす要素は他に何も無いのだろうか。


 彼女は考える。両局面の戦いは双方共に五分。ならば、此方(こちら)側に大きな戦力が流れ込めば一気に戦局が傾く筈だ。

 それが出来ないのは何故だろう。どうすれば、それは可能になるのだろう。


 必要なのは、一つの発想の転換、そして一つの賭けに出る勇気である。

 それが出来るのは彼女の方だった。もう一人には、積極的に他者の命を賭けるような真似を、自分からやる度胸は無かった。それはこの場に於いて、大きな欠点だった。


 彼女が見守る戦いは今、一つの重大な転換点を迎えている。窓から校舎に突っ込んだ爆岡(はぜおか)義裕(よしひろ)はコンクリートの壁を破壊し、ブチキレ状態となったのだ。仁観(ひとみ)爆岡(はぜおか)を相手に防戦一方となっている。

 つまり、逆に戦力のバランスが変動した結果、流れを一気に持って行かれそうになっているという事だ。


「だったら、もう考えていられない。(わたし)がやるしかない……。」

「おい、何を考えている?」


 戸井(とい)宝乃(たからの)の思い詰めた表情にから何かを読み取ったのか、聖護院(しょうごいん)嘉久(よしひさ)は眉を(ひそ)める。

 戸井(とい)は「何を考えているのかわからないのか。」と思いはしたが、同時に彼を責められないとも思った。聖護院(しょうごいん)がこの場を動かないのは戸井(とい)自身の安全を考えての事だ。

 しかし、()しこの場で彼がそれに固執し続ければ、愛斗(まなと)達は『弥勒狭野(ミロクサーヌ)』に負けてしまうかも知れない、その可能性が濃厚になってきている。そうなれば、爆岡(はぜおか)(くろがね)も、『弥勒狭野(ミロクサーヌ)』も、華藏(はなくら)學園(がくえん)で暴れている不良達も、それから華藏(はなくら)月子も、皆戸井(とい)聖護院(しょうごいん)に矛先を向けるのだ。到底、護り切れないだろう。


 だったら、一層……!――戸井(とい)は決意を固め、不意に飛び出した。


「なっ⁉ 待て‼」


 彼女は一気に走った。二週間前、愛斗(まなと)憑子(つきこ)の話を聞いていた彼女は、聖護院(しょうごいん)に後から無理矢理止められない様に気を配り、斜行しながら(くろがね)へと向かって行く。


(くろがね)、こっちを見ろ‼ (わたし)も相手だ‼」


 戸井(とい)の張り上げた声に反応し、(くろがね)愛斗(まなと)から視線を逸らした。戸井(とい)の姿を見て一瞬驚いた表情を浮かべ、そして何かを思い付いた様に下卑た笑みに(ただ)れた顔を歪める。しかし、()ぐにそれも凍り付いた。


「し、聖護院(しょうごいん)嘉久(よしひさ)⁉」


 聖護院(しょうごいん)も又、飛び出した。戸井(とい)を護る為に、飛び出さざるを得なかった。当然、それは戸井(とい)の計算であった。一見、無謀にも思えるこの愚行は、自分を護る為に(くす)ぶっている彼を戦いの場に引き摺り出す為の算段だった。

 聖護院(しょうごいん)は卓越した戦士であるが、唯一つ欠点があるとすれば、自分の判断でリスクを取って動けない事だ。

 戸井(とい)は自ら危険に飛び込まなければならなかった。それでも、聖護院(しょうごいん)は自分をどうにかして護るだろうという賭けだった。


「うおおおっっ‼」


 聖護院(しょうごいん)の掌に握られていたビー玉程の光の弾がバスケットボール大まで膨れ上がる。彼もまた、覚悟を決めた。


「くぅぅっ‼」


 (くろがね)は恐れた。闇の眷属として一週間ほど活動した彼は、聖護院(しょうごいん)の脅威を知っていた。だが、甘く見ていた。


「よく考えりゃ、同じ事じゃねえか! あの女を盾にすりゃ、聖護院(しょうごいん)といえども迂闊(うかつ)に手は出せまい‼」


 (くろがね)戸井(とい)に向かって走り出す。愛斗(まなと)は追い掛ける。二人とも、聖護院(しょうごいん)は間に合わないと思っている。だが、それは彼に対する過小評価だった。


「間に合え! 後五十メートル、二十メートル……!」


 かなり遠くで、聖護院(しょうごいん)は腕を振り上げ、そして……。


「間合いに入った‼」

「は⁉」


 聖護院(しょうごいん)の掌から、(くろがね)に向けて光が放たれた。それは一瞬にして(くろがね)を包み込み、硫酸の雫と紫の(もや)を振り払って収まった。


莫迦(ばか)な‼ あの距離から⁉」


 聖護院(しょうごいん)の操ることが出来る光の力は愛斗(まなと)と比較して遥かに大きい。流石に仕留める迄は行かないが、闇の力を優位に弱体化させるには充分だった。


(くろがね)ェッ‼」


 愛斗(まなと)の掌底が(くろがね)鳩尾(みぞおち)に追い打ちを掛ける。闇の力を殆ど失っていた(くろがね)は、意識を保てずにその場へと倒れ伏した。戦局は一気に動き、残る相手は爆岡(はぜおか)唯一人となった。


仁観(ひとみ)先輩‼」


 愛斗(まなと)聖護院(しょうごいん)はそのまま仁観(ひとみ)に加勢しようと爆岡(はぜおか)に向かって行く。


「ありがてえ、一人じゃきつかった‼」


 押されていた仁観(ひとみ)の眼にも炎が点り、彼も最後の力を振り絞る。


「おおおおっ‼」

「うらああああっ‼」

「はああああっ‼」

「ガアアアアアッッ‼」


 四人の力が一点へと集束する。流石に数の利は愛斗(まなと)達に有った。爆岡(はぜおか)は三人の拳に巨拳を弾かれて大きく体勢を崩す。


「今だ‼ 行くぞ‼」


 ()ずは聖護院(しょうごいん)、それから愛斗(まなと)の拳が爆岡(はぜおか)鳩尾(みぞおち)に突き刺さる。彼が纏っていた紫の(もや)も跡形も無く消え去った。


「ぐウウウウッ……‼」


 それでも、爆岡(はぜおか)は執念深く立った(まま)だ。だが、もう後一押しである。後は押せば倒せる。


「おらあああああっっ‼」


 最後は仁観(ひとみ)だった。彼の渾身の拳が爆岡(はぜおか)の顔面に炸裂し、彼の巨体を打ち倒した。


莫迦(ばか)……なっ……‼」


 最後に力無く驚愕の言葉を吐いた爆岡(はぜおか)だったが、そのまま意識を失って立ち上がる事は無かった。假藏(かりぐら)學園(がくえん)最強の不良として恐怖と共に君臨した男は、この場で(ようや)く完全に倒されたのだった。


「は、爆岡(はぜおか)君が敗けた‼」

「あの人ですら……假藏(かりぐら)最強のあの人ですら頂点(テッペン)には届かねえのか‼」

「ば、莫迦(ばか)‼ 何人掛かりだよ‼」


 爆岡(はぜおか)、まさかの敗北に周囲で『弥勒狭野(ミロクサーヌ)』の下端達がどよめいていた。彼等は受け容れられない。爆岡(はぜおか)こそが最強で、假藏(かりぐら)學園(がくえん)全ての不良を束ねる『頂点(テッペン)』を獲る者だと信じて疑わなかった、否今でもその考えを変えない者達だからこそ、非道な爆岡(はぜおか)(くろがね)の下に付いていたのだ。


「大体、この喧嘩の相手は何奴(どいつ)此奴(こいつ)華藏(はなくら)の連中じゃねえか‼ 教師迄混じってるしよ」

「余所者が假藏(かりぐら)頂点(テッペン)争いに関係有るかよ‼」


 そんな中、一人の男が立ち上がって静かに『弥勒狭野(ミロクサーヌ)』を威圧する。


「だが、爆岡(はぜおか)は敗けた。どんな状況であれ、それは事実だ。」

相津(あいづ)‼」


 相津(あいづ)諭鬼夫(ゆきお)、それから将屋(しょうや)杏樹(あんじゅ)も目を覚ましていた。


「いいか、爆岡(はぜおか)は力による恐怖だけで頂点(テッペン)を獲ろうとしていた。そんな奴は、仮令(たとえ)何人掛かりだろうが倒れたらお終いなんだ。要するに、最悪學園(がくえん)中の悪を集めて袋にすりゃ打ちのめせるって事だからね。人気があって、皆に好かれてる奴が頂点(テッペン)獲ろうってんなら話は別だけど、力だけに頼る奴はどんな形であれその力に鶏知(けち)が付いちゃ駄目なのさ。()してや、普段お前達がお坊ちゃまと舐めて、最底辺扱いしている華藏(はなくら)の奴等相手に。」

将屋(しょうや)……‼」


 相津(あいづ)将屋(しょうや)の言葉に、『弥勒狭野(ミロクサーヌ)』は誰も反論出来なかった。

 そんな中、爆岡(はぜおか)との因縁に決着を付けた仁観(ひとみ)がその場に勢い良く倒れた。


仁観(ひとみ)先輩、大丈夫ですか⁉」

「悪ぃ、流石に疲れたわ。もう立つ気力も残ってねえよ。」


 どうやら、仁観(ひとみ)此処(ここ)から先の戦いに付き合えないらしい。愛斗(まなと)は静かに頷いた。


相津(あいづ)さん、将屋(しょうや)さん、仁観(ひとみ)先輩を頼みます。」

「ああ。(しっか)り休ませるさ。」

「安心しな、(おれ)が指一本触れさせねえからよ。」


 愛斗(まなと)は二人に一礼すると、戸井(とい)聖護院(しょうごいん)と共に華藏(はなくら)學園(がくえん)へ戻るべくその場を後にした。

 残る敵は唯一人、華藏(はなくら)學園(がくえん)生徒(せいと)會長(かいちょう)華藏(はなくら)月子(つきこ)のみである。

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