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殺戮學園逝徒會畸譚  作者: 坐久靈二
第二章 傾奇少年と二つの逝徒會
39/80

第三十九話 闇の晩餐

 何時(いつ)の間にか離岸流に乗ってしまっていた(わたし)は、何時(いつ)の間にか深淵の底流(アンダー・カレント)を泳いでいたのです。


――西邑(にしむら)龍太郎(りょうたろう)著『美醜の彼岸』より。

 黄昏(たそがれ)時の河原、尾咲(おざき)(もとむ)相津(あいづ)諭鬼夫(ゆきお)を打ち倒した筈が共倒れの危機に陥っていた。死闘を演じて消耗し切った状態で相津(あいづ)配下の舎弟達を独り相手取るのは無理が有った様で、既に足元が浮楽(フラ)付いている。


(くそ)っ……。(おれ)自身は相津(あいづ)に勝ったのによぅ……。子分の差で敗けて堪るかよ……!」


 彼が窮地に追い込まれている原因、それは(ひとえ)に彼の人望の無さに有った。

 力に怯える弱者に力を見せ付け、脅して舎弟にするやり口。それは假藏(かりぐら)生の勢力拡大の手段として珍しいものではないが、短絡的に質より量を集める方法である。

 今回の様に、共に戦う場面に集まり怯まず逃げずやり抜く面子に尾咲(おざき)は恵まれていなかった。そこが相津(あいづ)との決定的な違いとなって、彼から勝利を奪い決闘を御破算にしようとしていた。


「ガアッッ‼」


 尾咲(おざき)は気力を振り絞って相津(あいづ)の手下を払い除けた。未だ敵は数人残っている。(ことごと)くを返り討ちにし、倒れず河原を立ち去れるかは極めて微妙な塩梅(あんばい)だ。


「確かにキツイがよ……。百万年早えぜ、てめえら如きが(おれ)を殺ろうなんざ……!」

「ククク、御苦労な事だなあ……!」


 脇から聞こえた覚えのある声に尾咲(おざき)は勢い良く顔を向けた。突然の乱入者を前に、相津(あいづ)の舎弟達も尾咲(おざき)への攻撃を止めた。


「く、(くろがね)……! てめえ仁観(ひとみ)に病院送りにされた筈じゃあ……⁉」


 尾咲(おざき)の声と表情に隠せない驚きと焦り、苛立ちが(にじ)む。この場に現れた(くろがね)自由が漁夫の利狙いで横槍を入れようとしている事は日を見るより明らかだ。

 彼は完全に(くろがね)への警戒を怠っていた。あれだけの騒動の顛末(てんまつ)は当然耳に入っていたからだ。


(おれ)斌々(ピンピン)している理由はお前の頭じゃ理解出来ねえだろうよ。一つ言えるのは、(おれ)達『弥勒狭野(ミロクサーヌ)』を差し置いてコソコソ頂点に近付こうだなんて随分姑息だよなって事だ。」


 (くろがね)尾咲(おざき)を露骨に見下して嘲ら笑う。尾咲(おざき)にはその態度への不快な心当たりが有った。


(おれ)はてめえに負けた覚えはねえぞ。爆岡(はぜおか)の腰巾着がよ……。」


 尾咲(おざき)の眼に(くろがね)への怒りが滲む。彼には(くろがね)がナンバー2の座に着いている假藏(かりぐら)最大の不良グループ『弥勒狭野(ミロクサーヌ)』との間に苦い記憶が有る。

 (かつ)て、假藏(かりぐら)の頂点を見据えて勢力を拡大していた尾咲(おざき)は、今の様な力で無理矢理弱者を従わせる様なやり方ではなく、それなりの人望を元に本当の仲間を集めていた。そして去年最後の雪の日、彼は信頼出来る仲間を率いて『弥勒狭野(ミロクサーヌ)』に戦いを挑んだのだ。


「ははは、あの時は傑作だったよな? 当時二年の中じゃ名を上げていたてめえと、爆岡(はぜおか)君の一騎打ちだ! 次期假藏(かりぐら)の勢力を占う上で注目されていた! その中でてめえは爆岡(はぜおか)君に惨敗した‼ あれが在った御蔭(おかげ)(おれ)達『弥勒狭野(ミロクサーヌ)』は一躍、前人未到の假藏(かりぐら)統一を達成し得る最有力株として一気に力を集めることが出来た‼」

「ケッ、何を偉そうにしてやがる。てめえはただお零れに与っただけじゃねえか。」


 爆岡(はぜおか)義裕(よしひろ)假藏(かりぐら)學園(がくえん)最強の不良と呼ばれる様になったのは、同格と目されていた尾咲(おざき)(もとむ)を一切寄せ付けず完膚無き迄に叩きのめしてからだ。

 それは尾咲(おざき)にとって、余りにも手痛い敗北だった。爆岡(はぜおか)の圧倒的暴力に裏打ちされた残虐性は留まる所を知らず、尾咲(おざき)に味方した仲間達は(ことごと)く陰惨極まる制裁に遭い、再起不能となって假藏(かりぐら)學園(がくえん)を去った。尾咲(おざき)は自分の手下を一から集め直さなければならなかった。


(くろがね)ェ……! (おれ)はずっと爆岡(はぜおか)も、それからてめえの事も殺したくて殺したくて仕方が無かった……‼ 特にてめえは、自分は何もしてねえ癖に爆岡(はぜおか)と一緒になって(おれ)の仲間を痛め付けやがった……‼ 許せるわけねえよなあ‼」


 尾咲(おざき)は腹の底から沸き上がる怒りに任せ、既に襤褸々々(ぼろぼろ)になった体を無理矢理(くろがね)へと駆り立てた。気力を振り絞り、その巨拳を憎き仇へと振るわんとする。『弥勒狭野(ミロクサーヌ)』の介入が明らかとなった今、相津(あいづ)の舎弟からの攻撃も已んでいる。脇に居る女が戦える筈も無い。二人の間に立つ者は誰も居ない、筈だった。


莫迦(ばか)だな、尾咲(おざき)。この(おれ)が何の策も無く一人で乗り込むと思うか?」


 (くろがね)が指を鳴らすと、尾咲(おざき)の周囲に棒立ちしていた相津(あいづ)の舎弟達が引き付けられる様に尾咲(おざき)を取り押さえた。


「なっ⁉ おい莫迦(ばか)‼ 今はそれ所じゃねえって解ったんじゃねえのか⁉ このまま全部(くろがね)に持って行かれるぞ‼」

「ククク、無駄だよ。雑魚共を一時的に操る等(おれ)の力でも容易い。聞いてないのか? 紫風呂(しぶろ)の一味の件……。」


 尾咲(おざき)は身動きが全く取れない事に困惑していた。消耗し切っているとはいえ、彼の膂力ならば数人で取り押さえられても多少なり動く事くらいは出来る筈だ。


「何だ……? こいつら、急に強く……。」

(おれ)が闇の力を与えたからな。そして、止めはこの(おれ)自身が()れてやろう。」


 (くろがね)の両手を紫の闇が覆う。それは彼にとって最も手に馴染む形、短いトレンチナイフを模っていく。


「おいおい……なんだよそりゃ……。」

先刻(さっき)も言ったろ? てめえの頭じゃ理解出来ねえよ。ま、(おれ)は今迄の(おれ)じゃねえのさ。」


 (くろがね)は狂気に満ちた笑みを浮かべ、尾咲(おざき)に飛び掛かった。


「死ねッ尾咲(おざき)‼ こいつで頸動脈を搔き切ってやる‼」


 尾咲(おざき)は頭も抑えられており、(くろがね)の刃を防ぐ手段が全く無い。

 このままでは殺される、終わった。――そんな無念からか顔を歪ませて歯噛みした尾咲(おざき)だったが、寸での所で彼は守られた。


「何っ⁉」


 (くろがね)は何かに足を取られて倒れた。先程尾咲(おざき)との喧嘩に敗けて気を失っていた相津(あいづ)諭鬼夫(ゆきお)が目を覚まし、(くろがね)の足首を掴んだのだ。


「てめえ、相津(あいづ)ゥ‼ 負け犬が余計な事しやがってぇッ‼」


 無様を晒した(くろがね)が怒りに満ちた表情で立ち上がった相津(あいづ)を睨み上げたが、その彼から空かさず顔面に蹴りを貰う。


「ぶばっ‼」


 相津(あいづ)(くろがね)の空いてもそこそこに尾咲(おざき)の方へ駆け寄る。


「おい、何やってんだお前等‼ (くろがね)なんぞに手を貸してんじゃねえよ‼」


 確かに、相津(あいづ)にとって尾咲(おざき)は自分を打ち負かした憎き相手である。しかし、それでも見るからに後出しで横槍を入れてきた(くろがね)に殺されて悦べる程堕ちてはいない。()してやそこに自分の舎弟、子分が手を貸すのは不本意極まる話だろう。


「止めろっつってんだろ‼」


 相津(あいづ)尾咲(おざき)を羽交い絞めにする舎弟の一人を殴った。しかし、自身を打ち負かした尾咲(おざき)ですら抑え込む者を相津(あいづ)がどうにか出来る筈が無い。理由も分からず強くなった舎弟に、相津(あいづ)もまた困惑していた。


「無駄だ……。闇の力を帯びた者は互いの力を結束させ、常識外れに大きな力を与えられる。」


 相津(あいづ)の背後で(くろがね)が全く堪えた様子も無く起き上がった。


「てめえらに理解出来るとは思わねえが、どういう事か説明してやるよ。木炭とダイヤモンドはほぼ同じ炭素から成る物質だが、その硬度は大きく違う。それは結晶構造による結合力が段違いだからだ。闇の力は結合を弄ることにより、一人一人の発揮する力を大幅に変動させる事が出来るのさ。」


 (くろがね)の背後で華藏(はなくら)學園(がくえん)の女子制服を着た逝徒會(せいとかい)会計・砂社(すなやしろ)日和(ひより)が微かに口角を上げた。どうやら(くろがね)にこの様な知識を授けたのは彼女の様だ。そんな彼女は振り向いた相津(あいづ)の顔を見て、何かに気が付いた様に目を見開く。


相津(あいづ)……? ねえ(くろがね)、こいつ相津(あいづ)っていうの?」

「あ? 何だ砂社(すなやしろ)、この負け犬がどうかしたのか?」


 砂社(すなやしろ)相津(あいづ)に近付くと、じっと顔を覗き込む。

 如何(いか)に敵対する不良の連れとはいえ、女子に手を上げない分別が相津(あいづ)には有った。しかしだからこそ、砂社(すなやしろ)は気が付いて侮蔑的な笑みを浮かべた。


「こいつさ、顔そっくりなんだよね。一昨日の夜に(わたし)達を(たお)そうとして、無様に返り討ちにされて死んだ男に。確かそいつの名前は相津(あいづ)実鬼也(みきや)だったかな?」

「なっ⁉」


 予期せず出された名前に相津(あいづ)は驚いて声を上げた。


「おい女! 兄貴が死んだとはどういう事だ‼」


 物凄い剣幕で問い質された砂社(すなやしろ)は全く臆することなく嘲笑を浮かべる。


「言葉通りだよ。貴方(あなた)のお兄さんは(わたし)達に無謀にも挑み掛かり、あの人に殺されたの! ま、寂しがらなくても直ぐに逢えるよ。ねえ、(くろがね)?」

「さあ、そいつはどうかねえ? あいつに殺されたって事は、魂は異界行きだろ? (おれ)はこいつらの事は普通に殺すつもりだからな。」

「あはは、そりゃ可哀想!」


 困惑して瞠目(どうもく)する相津(あいづ)を尻目に、(くろがね)相津(あいづ)へと近付いてトレンチナイフを振り被る。


「さあて、じゃそろそろ死んどけ?」

「く、(くろがね)ェッ……‼」


 自らに迫り来る絶体絶命の危機に尾咲(おざき)は必至に足搔こうとする。しかし、矢張り闇の力を得た相津(あいづ)の舎弟達の拘束からは逃れられない。彼には吠える事しか出来ない。


「調子乗ってんじゃねえぞ、(くろがね)ェ‼ てめえは所詮自分の力じゃ何も出来ねえ卑怯者に過ぎねえんだ‼ 相津(あいづ)みてえに正面から向かってくる度胸もねえ……! 決着が付いて襤褸々々(ぼろぼろ)になったタイミングで出て来て尚、一人で対一張るのを怖がってんじゃねえよ‼ てめえなんぞに……! てめえ……‼」


 瞬間、尾咲(おざき)の首から鮮血が飛び散った。(くろがね)の刃が頸動脈を斬り裂いたのだ。


「もう黙れ。今の(おれ)はとっくに殺れる側なんだよ。『闇の逝徒會(せいとかい)』に入ってからな。」


 舎弟達の拘束が緩み、大量に血を失った尾咲(おざき)は重力に引き寄せられる(まま)その場に倒れ伏した。


「ま、マジか……! (くろがね)、てめえ……‼」


 相津(あいづ)はあっさりと命を奪った(くろがね)の行動に慄いていた。ただ、引き下がらないのはそれが同時に一つの証明になっていたからだ。

 今のこいつ等なら、兄の命も奪うだろう。――図らずも砂社(すなやしろ)の言葉に与えられた信憑性が、相津(あいづ)をこの場に引き留めていた。


「ゆ、許さねえ……! 落とし前付けさせてやる……‼」


 怒りで己を奮い立たせる相津(あいづ)だったが、既に尾咲(おざき)に敗北して満身創痍の身の上ではどうする事も出来ない。それを見越した(くろがね)は背後に相津(あいづ)の舎弟達を従えて愉悦の表情を向ける。


相津(あいづ)、お前の事も(おれ)が殺してやるつもりだったがな。(つい)でだから面白い余興を思い付いたぞ。」


 (くろがね)が腕を振り上げると、尾咲(おざき)を解放した舎弟達が相津(あいづ)に襲い掛かった。


「な、何をするんだお前等⁉」

「てめえは自分の仲間の手に掛かって死ねよ!」

「あはは、そう来なくっちゃねえ‼」


 哀れにも自身の子分達に圧し潰される相津(あいづ)に背を向け、(くろがね)砂社(すなやしろ)はゆっくりと歩き出す。


「じっくり見て行かないの?」

「仲間の手に掛かるという最期、その結果が面白いんだよ。過程なんてのは蛇足だ。最終的に出力される結果が変わらなければ大した意味なんかねえ。」

「ふーん、勿体無いと思うけどな……。」

「今の時代、一つ一つのコンテンツに時間なんざ掛けてられねえよ。要点だけを早急に摂取する精神こそが作り手としても受け手としても今後の世界を支配するんだぜ。」


 現代人は忙しい。それは高校生である彼等も、『闇の逝徒會(せいとかい)』の一員となっても尚変わらないのかも知れない。


「ま、貴方(あなた)(わたし)達の本来の仕事を忘れてなくて良かったけど。余り私情を優先するようじゃ、切らざるを得ないし。」

「言ったろ? 殺戮ショーを見せてやるってな。」


 二人は不気味な紫の闇を帯びていく。どうやら本当に尾咲(おざき)相津(あいづ)(ばか)り構っていられない別のやるべき事を抱えている様だ。

 しかし、二人はまるで遊園地へ向かう子供の様に足を弾ませていた。


「今夜は戦力になりそうな(ワル)共を一人でも多く殺し、兵力とする。その為に、この街の土地勘が有る(おれ)に接触したんだったな。期待に応えてやろうじゃないか。」

「彼等は()わば前菜……。今宵は『闇の晩餐』を心行くまで楽しみましょう……。」


 身の毛が弥立(よだ)つ程恐ろしい企み口にし、二人は夕闇に消えて行った。

 河原に残されたのは、失血死した尾崎求の死体、気を失ったまま放置された彼のまだ幸運な舎弟達、自分達の頭目に襲い掛かる相津(あいづ)諭鬼夫(ゆきお)の舎弟達、その下敷きとなって死に物狂いで足搔く男。

 間も無く、死体が一つ増えるだろう。――立ち去った(くろがね)砂社(すなやしろ)はそう見越していた筈だ。


 しかし、そこに慌てて駆け寄って来る一人の少女の姿が在った。

 彼女は相津(あいづ)に群がる不良達に手を翳すと、何やら呪文を唱えて掌から光を彼等に照射した。不良達は力が抜けた様に次々と倒れ伏していき、抑え付けられていた相津(あいづ)は九死に一生を得た姿を晒す。


「お前は……!」


 力なく顔を上げた相津(あいづ)はその少女に見覚えが有る様だった。そして、彼女が自分を助けた事に大きな驚きを見せていた。


「一体どういうつもりだ? 何をしたんだ、将屋(しょうや)?」


 (くろがね)の配下で協力関係にあると思われた假藏(かりぐら)の女子生徒・将屋(しょうや)杏樹(あんじゅ)が窮地の相津(あいづ)を救い出したのだ。以前も彼女は攫われた戸井(とい)宝乃(たからの)の拘束を独断で解いており、何やら(くろがね)に非協力的な姿勢を頻出させている。


相津(あいづ)、話は後だ。今はアンタだけでもここから逃がさなきゃいけない。あいつらが戻ってくる前に……。」

「あ? 戻って来るだと? だったら返り討ちにしてやればいいだろ。休めば(くろがね)如きやれる体力は戻るぜ。」

「無理だよ。あいつは闇に魂を売った。もう普通の人間が勝てる相手じゃない。」


 将屋(しょうや)は強い怒りの籠った視線で(くろがね)砂社(すなやしろ)が去った虚空を見詰めていた。


「……普通の人間が、って事は、勝てる見込みはあるのか?」


 相津(あいづ)は拳を握り締めて将屋(しょうや)に尋ねる。


「お前がどういう事情で何を考えているかは知らねえ。だが、(おれ)にはあいつらを許せねえ大い理由が出来た……!」


 怒りに顔を歪ませる相津(あいづ)将屋(しょうや)は黙って目を向けた。そして、無言で頷くと彼に肩を貸して立ち上がる。


()(かく)、今は退却だ。悪いがこいつらの事は置いて行く。」

「どうにか連れて行けねえのか? こいつ等だって狙われるだろ。(おれ)にとっちゃ他人じゃねえんだよ。」


 相津(あいづ)の問いに将屋(しょうや)は申し訳無さそうに首を振った。


「一応、仲間に連絡は入れておく。でも、何人助けられるかは分からない。それに助かったとしても、当分意識は戻らないだろう。」

「そうか……。」


 相津(あいづ)は悔しさを滲ませつつ舌打ちした。彼にとって多くの意味で苦過ぎる一日が終わろうとしていた。


 彼の憎き仇たちは宴を始めているだろう。

 その真の目的は未だ計り知れないが、既に人間社会にとって容認できない甚大な被害を(もたら)しつつある。


 間も無く、戦いの鍵を握る者達に戦いを()る者達が接触する。

 二つの勢力の争いは新たな展開を迎えるだろう。

※お知らせ

本作は6/20㈫の第二章終了を機に、一旦休載致します。

第三章以降の再開は8/19㈯を予定しております。

何卒御理解の程宜しく御願い致します。

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