第1章
─新たな登場人物─
海状 朝日
海状学園の生徒であり、会長も務めている女性。クールな性格で、面倒見が良い。
この街で起こる、不可解な事件などを調べている。
副会長※情報未解禁※
朝に飢えた者 ※情報未解禁※
ミーン ミーン
と周囲から聞こえてくる。
ただでさえ暑いのに、セミの声がプラスされると余計に暑く感じてしまう。
だからかな、近くで鳴いているセミの鳴き声で、目が覚めた。
「うーん・・・・。もうおはようの時間かー」
ぐっと寝起きの体を、伸ばす。
相変わらず静かな自宅に、起きると少し寂しく思う。
「はぁ・・・久々に大学行くか」
よっこいしょとこの場を立ち、キッチンに向かった。
(怪異調べに行きたいけど、大学行かないと単位が・・・死んじまう。)
僅かな眠気を抱えながら、渋々長い木造の廊下をスタスタと歩く。
そして洗面台に行き眠気ざましに、ぬるい水で顔を洗い
目的のキッチンで冷蔵庫をあさり、昨日の晩ご飯の残ったおかずなどを、お弁当箱にぎっしりと詰める。
「よし・・・余りもの弁当の完成~!・・・まぁ、完成してもあまり嬉しくは無いな。正直見飽きたしー」
軽くお昼ご飯に小言を言って、机の上に置いてあるリュックサックに弁当をいれた。
「後は・・・・昨日貰った中身白紙の本も一応、持って行こう」
入り口近くの畳に置いてある例の本を、リュックサックに入れて時計を見た。
「うわっ!もうこんな時間かよ!?急げ私!ここで遅れたら、何かが終わる!!!」
急いで家から出て、自分の自転車で学校に向かった。
─海状学園のとある場所にて─
「今年の夏は、一層不吉な気分にさせるんですが・・・気のせいでしょうか?」
隣で事務処理をしている副会長に聞くと急な話に少し驚きながら
「僕はナニモ感じないよ。会長ここ最近の業務で、お疲れなんじゃないカナ?」
小さく首をかしげながら、微妙な反応でそう答えた。
「そうだと良いんですが・・・。まぁこの学園が平和であれば、それで良いんですが・・・ね」
ぐーと体を伸してから、自分の席にドスンッと勢いよく座った後、足を組んで副会長に言った。
「でも一応、いつでも動ける様にはしといて。・・・・もしかしたら何か不可解な事件が、起きるかもしれないから」
彼女は事務処理を行っていた手を止めて、暖かい笑顔で会長に言った。
「僕ノ本業発揮ノ時間カナ?まぁ一応、留意しとくよ」
「・・・ふふ。ありがとう副会長。期待してますよ」
──
「あそこが海状学園かぁ~!大きいねぇ」
海状学園から少し離れたビルの屋上で、一人の青年が海状学園のパンフレットを丸めながら、観察する。
「あそこには沢山の人がいそうでワクワクするねぇ~。・・・・フフフ」
心から溢れ出すドキワクに、思わず笑ってしまう・・・不覚。
「あっ、やっぱ笑い止まんねぇわwwwwってうわっ」
とうとう我慢できずに大声で笑ってたら、屋上の柵から落ちた。
続く