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始まりの記憶
暗闇に居る。暗闇に居て、ただ眠る。意識はなくて、思慮も少ない。ただ、無でもなく、有ではあるが、それも最早どうでもよいことだった。考えるには月日が経ちすぎた。既に自分が、いつからここに眠るのか知るすべもない。ただ、暗闇に浸るばかり。
漆黒の安寧は揺るぎないと、思われた。
……しかしそのはずが、いつごろからか、自分を少しずつ掘り起こすモノが現れた。体が少しずつ奪われていく感触があって、己がだんだんと小さくなっていくことを分かっていながら、どうすることも出来ず、ただ流れに身を任せる他ないのだと思った。
やがて最後の体も掘り起こされた。安穏とした眠りは最早何処にもなく、切り離された喪失感ばかりが募り、自分はここで断たれてしまうのだと思うとどうしようもない気持ちになる。しかし、最早それも意味のないことだった。
何処かに運ばれた後、自分の体が何物かの中に詰められていくのを感じた。押し込まれて、閉じ込められる。そうしてしばらくしないうちに、体が熱を持ち始めた。これはこの体が何かにあぶられているのだと気がついた時には、もう既にだいぶ時間も経っていたが、それでも熱が冷めることはなかった。




