「・・・夢羽は佐々木っちと結ばれれば?」
「晴斗また来たの・・・」
「俺夢羽LOVEだから♡ごめんみんな。二人っきりに♡」
「いっきまーす」
七海に春香、六華は行こうとしない栞奈を引っ張って出ていった。
「栞奈さ。もしかして、佐々木っちのこと、好きなの?」
「え・・・」
七海に言われ、栞奈は戸惑っていた。
「スキなの、というか、好きなんでしょ?なんだけどさ、佐々木っちは夢羽のことが好きだよ。本当にね。そして・・・多分だけど?」
七海は声をひそめた。
「・・・夢羽だって、今、好きになりかけてる」
「・・・!」
栞奈は大きく目を見開いた。
「だ、だって!夢羽は、私の恋を応援してくれるって。親友の恋を応援するのは、当然だって・・・」
「栞奈、あのね。人が人を好きになるのは、自由なの。夢羽は優しいから・・・多分、自分の気持ちを抑えてでも、栞奈の恋を応援してくれると思うよ。好きな人が被ったからって、崩壊するような、そんな軽い友情じゃないでしょ」
「う・・・うん。私と夢羽は・・・うん」
栞奈はうなずいた。
下を向いて、栞奈は考えていた。
「栞奈、七海、春香、六華!ごめんね。いつもいつも・・・もう入っていいよ」
「いーのいーの!大丈夫大丈夫、うちらは2人の恋を応援するよ♡だって、2人両思いだしっ♡」
「両想い!?・・・何それっ・・・わ、私は別に、好きじゃな・・・」
「夢羽は佐々木っちと結ばれれば?」
栞奈はそう、言葉を放った。
「・・・かん、な・・・?」
「・・・え?何?私なんか変なこと言った?」
「・・・栞奈はいつも、私の気持ちを分かってくれるんじゃないの?栞奈・・・」
「・・・だって、夢羽は。佐々木っちのこと、好きなんだもん!顔でばれっばれ!」
栞奈がそう叫んだので、夢羽はため息をつき、言った。
「そんなにそう見えるの・・・?それなら、私・・・」
夢羽はブンブン首を振った。
「ううん、ううん!もう寝よ!消灯時間きちゃうよ!」
「消灯時間よーーー!」
「やばっ、先生!」
慌ててみんなは布団の中にもぐりこんだ。
「夢羽・・・」
「栞奈、どうしたの?今日おかしいよ・・・?」
「・・・夢羽が、佐々木っちのこと好きなんだ、って知って。なら別に、あの・・・私に協力しなくたっていいから」
「栞奈。私、あいつ好きじゃないし!」
夢羽は栞奈にそう言うと、「おやすみ」と、反対側を向いた。