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サンカク。  作者: 時計
6/22

「・・・ねえ、佐々木っち、絶対夢羽のこと好きでしょ!」

「たっだいまぁ~!どう?佐々木っちと仲良くなれた?」


「春香・・・べ、別に、特にいつもと変わんないけど」

そう言いながら、夢羽はちらりと栞奈の方を見た。

栞奈は夢羽のことをじっと見つめている。


「あの、栞奈。・・・佐々木っちは本気じゃないよ?栞奈が何か思うことなんて、何も—―――――――」

「・・・ねえ、佐々木っち、絶対夢羽のこと好きでしょ!」

「・・・はぁ!?」


夢羽は思わず声を荒らげる。


「何言ってるのよ栞奈まで!あのねぇ・・・」

「しっ!もう消灯時間は過ぎてるんだよ。もう少しこのボリュームを下げて?」

まじめな六華に言われ、夢羽はため息をついた。


「ごめん。だけどね、佐々木っちはあれは、冗談だって。そもそも最後の最後まで好きな人を教えてくれなかったんだから、もうあきらめてダマそうとしてるんだよ」

「ううんそんなわけない!最後の最後まで教えなかったのは、好きな人が、夢羽!あなた本人だからだよ!」


「コラ114号室!明日も早いんだから早く寝なさい!」


先生の声が響き、あわてて5人とも黙った。







次の日の朝。


「夢羽、夢羽!もう朝ごはんだよ!」

「ん~・・・って、え!?朝ごはん!?」


夢羽が慌てて飛び起きると、七海に春香、六華・・・そして、晴斗がいた。



「あれ、栞奈は?・・・って佐々木っち!?なんでいるの!?寝てるとこ見たの!?最っ低!」

「み、三好は食事係だからもう食堂行ってる!俺は遊びに来たの!ごめんね夢羽、でも寝顔もかわいかったけど♡」

「ほんと最低!きもい!マジでヘンタイ!付き合ってもいない女の子の寝顔見るとか、ほんとありえない!」

「そんなこと言ってないで、早く準備しな!もう朝ごはんだってば!」


七海の声で、夢羽はあわてて、パジャマの上と下を同時に脱ぐ神技を見せた。


「・・・ッ///!」

「・・・って・・・」


晴斗が思いっきり、夢羽の下着姿を見る。


「いやぁぁぁぁぁ~!!!早く出てけよヘンタイィィィィ!!!ガン見すんなし!!!」

「うわぁすみませんんんん!!!」


晴斗は慌てて部屋を飛び出していった。



食事の席は、バス席と同じ。・・・ということは、晴斗と向き合って食事を食べることになっていた。


「・・・」

「・・・」


お互い目も合わせない。


「え、どうしたのそこ?何かあったの・・・って聞くまでもないね、分かるもん。やな雰囲気だねぇ・・・」


「こいつが全部悪いんですぅっ!!」


夢羽が晴斗を指さすと、晴斗は顔を赤くしてそっぽを向いた。

「晴斗お前何した~?いつもと違うな~」

「・・・さ、さては!もうキ・・・」


「ちちち、ちげーよ!・・・ただあれは・・・」


「もう言わなくていい!ほかの人もこのことに触れないで!言っとくけど七海に春香に六華、誰かに言ったりしたらあとで処刑ね!以上です!」


夢羽の大きな叫び声に、あの場にいなかった栞奈はきょとんとした。



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