「あんなの信じなくていいからね、栞奈・・・」
「ねえ、どーすんの?」
「付き合うの?」
「・・・ちょっと待って。それ私に言ってるの?」
夢羽が振り向くと、七海と春香がにやにや笑っている。
「他に誰に聞くっていうの?」
「・・・え?晴斗のあれは、告白・・・なの?」
「え、そうじゃないの?」
「・・・いやぁ!そんなの信じないっ!絶対に信じないーーーっッ!!!」
夢羽が叫ぶと、晴斗が遠くから叫び返してきた。
「なんだってぇ!?夢羽、俺のこと嫌いなのぉ・・・?」
「嫌いっていうか、恋愛対象にはならないけど」
「恋愛対象にならない!?夢羽の恋愛対象に入ってないの俺!?」
「当たり前でしょ!っていうかあんたいつから夢羽呼びなのよ!下の名前で呼ぶとかマジで気持ち悪いんですけど!」
「夢羽~~~~~~~~~♡♡」
「ぎゃああ!!ちょっ、こっち来ないでぇ!」
夢羽が逃げるように走り出すと、帆夏とドン!とぶつかってしまった。
「あ、ごめん帆夏!」
「夢羽!ちょ、栞奈はどうしたの?」
「え?栞奈がどうかしたの?」
「・・・栞奈って、佐々木っちのこと、好きなんでしょ?佐々木っちと夢羽が何もないのなら、誤解してるかもよ」
「・・・たっ、確かに!!!帆夏、栞奈どこにいた!?」
「分かんない。・・・あっ!」
帆夏が指さした先に、栞奈が歩いている。
「あ、栞奈!」
「夢羽?どうしたの?」
「あ、あの・・・佐々木っちのこと」
「ああ、あれ?佐々木っち、夢羽のこと―――――――」
「わぁぁ!あんなの信じなくていいからね、栞奈・・・」
「え、ウソなの?」
「決まってるでしょ!いくらバカでも自分の好きな人大声で叫ぶようなほどバカじゃないと思う!だから栞奈は、このまま好きでいていいから」
「・・・ありがとう」
栞奈はそう言うと、いつもの笑顔に戻った。
・・・後ろには佐々木っちがいた。
「夢羽見っけ~~~!!」
「キャー!もうこうなったら女子トイレこもってやるーっ!」