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サンカク。  作者: 時計
16/22

「今は二人きりがいい。・・・栞奈、ごめん」

校外学習当日。


「夢羽、お~はよ♡」

「おはよ。テンション高いね・・・これから何時間歩くかわからないってのに・・・」


夢羽は重たいリュックをよいしょ!と背負いなおした。


「そんなことなーい!だって俺には、夢羽がいるもんね~」

「いやいやいや、他の人もいるんじゃん?栞奈とか、リクっちもか」

「そういうことじゃなくて。今日は神社にも行くんでしょ?あそこね、恋愛の神様がいるらしいよー」


晴斗は夢羽の耳にぐっと口を近づけた。


「だから俺たち、永遠ねがっちゃお☆」

「は、恥ずかしいこと言うんじゃないバカッ!!」

夢羽が顔を真っ赤にしてそう返すと、晴斗はにやにや笑った。

「否定してないじゃん~」

「・・・あのねぇ・・・」


「はーい、班長集合!!」

先生の声がかかって、「じゃ、また後でな」と、晴斗はいってしまった。

栞奈が見ていたのを気が付いたのは、晴斗だけだったらしい。






「おぉ~、ここが恋愛の神様がいる神社ですね?」

「あら、リクっちくん、すごいじゃない。勉強してきたの?えらいわねぇ」

「自分の恋と、同じ班のカップルの恋と、あと先生の結婚を楽しみにしてるんでー」

「最後のいらないと思うけど」


先生は29歳。彼氏はいるんだけど、結婚してないのだ。


「そうかぁ、夢羽と佐々木っちの恋も、ここで願わなくちゃいけないのかー。神様は自分と佐々木っちの二つの恋をかなえてくれんのかなー?」

「欲張りすぎじゃないの、男子ったら。でもうちらは、二つ願うけどねーっ♡七海!」

「お願いします!!今年こそ、彼氏欲しいよぉぉぉ!!」


リクっちが目を光らせたところで、ちょうど夢羽の組の順番が来た。

「まずはいちれ―――――――」

「分かってますって、せんせ。夢羽、行こう♡」


晴斗が夢羽の手を握った、その時だった。


「・・・やだ。夢羽は、私と願い事するんだよ」


そう言ったのは、栞奈だった。


「邪魔すんなよな。俺らは、永遠を願うのー。そーゆーのは友情の神社でやれよな」

「そう・・・なの。今は二人きりがいい。・・・栞奈、ごめん


栞奈が不満げに去っていった。


「・・・チッ。なんで邪魔してくんだよあいつ」

晴斗は舌打ちしてから、ふと気が付いた。



(・・・もしかして)

栞奈と夢羽の関係がおかしくなっているのを、晴斗も気づいていた。それは、晴斗と夢羽が付き合うようになってからのことで。それから、ずーーーっと晴斗のことを幸せそうに見ていて、夢羽のことをにらんでいるのも、晴斗は気づいていて・・・。

(・・・俺のこと好きなの?)



ぱん、ぱん!

夢羽の手をたたく音が聞こえて、慌てて晴斗も、最初からやり始めた。

そして手をたたいて、目をつむって、


(夢羽とずっと一緒にいられますように。それから、三好が変なことを始めませんように・・・)

(晴斗とずっと一緒にいたいです。・・・あと、栞奈を元に戻してください、神様・・・・!)

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