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魔剣使いの劣化種族  作者: れう
10/10

1-9 コア復旧 3

どうも昨日に引き続き慌てて投稿しております。

戦闘が終了した後、裕たちの前には一人の少女が倒れていた。



髪は銀色、耳の先が少し尖っている。言うなればエルフに近い外見だった。



「この子どうしようか...」



倒れている少女を見ながら3人に案を出してもらうように聞いてみる。



「とりあえず、ここに置いていくわけにはいかないのでとりあえず連れていきませんか?」



シェーレがおずおずとした様子で話す。



「で、でもさ、これって確実にエルフ....だよね?その...大丈夫なのかな...」



セレネが怪訝な顔になる。



「他族は嫌か?セレネ達が嫌ならこのままにしておくっていう選択肢もあるけど」



「いや...それは何か違うと思うから無いんだけど...ただ少し怖くて...」



シェーレもセレネも目の前のエルフが起きた時、襲われるかもしれないという恐怖心が少なからずあった。



「そうだなぁ...なら少し試してみるか」



「試すって?」



すると裕は倒れている少女の頬をつついて起こそうとする。




「え、ちょ...!」




急に思い切った行動をする裕を止めようとするが間に合わず少女がううっと言いながら少しずつ目を覚ます。



セレネとシェーレは二人ともに弓と杖に手をかける。



少女は上半身だけを置きあげて4人を寝ぼけた眼差しで確認する。



シェーレ、アマテラス、裕、セレネと目が合う。



思考がはっきりしてくると視線はセレネに向けたまま裕の顔の近くまで手のひらを広げて手を伸ばす。



そして少女が口を開けてかすかな声で



『ボルトアロー』



手のひらに魔法陣が展開され、そこから電気でできた矢が放たれる。



それを裕は悠々と避ける。矢は通り過ぎた所に電気を残しながら一直線に飛んでいき、しばらくしたところで消える。



一瞬の出来事にセレネとシェーレは唖然とする。



「危ないな、まともに喰らってたら死んでたな」



裕は落ち着いた様子で話す。すると少女は視線を裕の方へ移すと今度は眉をひそめて不思議そうに首をかしげる。



「そんな顔されても困るんだが...」



「ゆ、ユウさん!離れて!やっぱり敵だよ!」



セレネは慌てて弓を構て矢を引く。



「待て待て、攻撃するな」



「で、でも...」



裕に視線を送って矢を引いたままの体制で止まる。




それを見て少女はセレネに裕と同じように手を向けて



『ボルトアロー』



電気の矢がセレネに向かって放たれる。しかしアマテラスが魔術結界を張ってセレネを守る。




矢は結界に触れると消滅する。セレネは驚いた表情をして膝をつく。しかしセレネの手には矢は握られていなかった。




それに気が付いて少女の方に視線を向けると矢が少女のすれすれで止まっていた。裕が片手で矢を握っていた。



「とりあえず一旦落ち着こうか」




裕は矢を少女の顔から離し、地面に置く。



裕は立ち上がり、アマテラスの近くに行き、耳打ちをする



「拘束魔法であの子の手を縛ってくれないか」



「仕方ないのぅ...」



アマテラスが無詠唱で魔法を唱える。




『バインド』




再び少女の方へ近づいて拘束したことに謝罪をいれ、それと同時に少女を立たせ付いてくるように言う。




そしてそのままの状態で目的地にへと向かうことにした。




少女の両手首に光の輪で拘束され、光の輪から同じように光の線がアマテラスの手元まで伸びていた。




少女は抵抗せずにそのまま付いてくる。半分以上強制になっているが




「大丈夫なのかな...」



セレネが不安の声を漏らす。





その日の夜は魔物が現れることなく次の日を迎えた。




そしてしばらく歩くと大きなクレーターのような窪みが見えてくる。そしてその真ん中には小さい水晶のような丸いものがぽつんと置かれていた。




「やっとついたのぅ...」



アマテラスが溜め息混じりの声を漏らす。


「さて、シェーレとアマテラスは付いてきてくれ」



アマテラスはセレネに光の糸を渡し裕についていく。



「これ、結構高度な魔術だな」



コアにかかった封印魔術を見て言葉を放つ



「解けない術ではないがの、ただ...」



これほどの魔術を扱える者がいることを警戒しつつこれから進まないといけないことを理解する。



「今からコアの復旧にとりかかるが、恐らく封印を解いた途端大量のマナが溢れてくるから、アマテラス、刀になってくれないか」



「?、まぁいいが」



アマテラスは言われた通り刀の形へと変化する。そして裕は刀をコアの近くで地面に突き刺す。




「主殿?一体何をしておるのじゃ?」



「何って。余分に出てくるマナをできる限り吸収してほしいんだよ」



「理由は?」



「多分だけどいきなりのマナの放出で未だかつてないほどの異常気象や地形変化が起こると思う」



「そうなるとこの場にいる全員が確実に生きてられる保証はない」



「そうか...なるほどの」



アマテラスは理解したようにそれ以上は喋らなかった。



「シェーレは俺と一緒に解除魔術を展開してくれ」



「は、はい!お役に立てるよう頑張ります。」



裕とシェーレはコアを挟むように一に立ち、解除魔術を展開し始める。



空中に魔法陣を複数描いていく。そして裕とシェーレが描いた魔法陣が同じ数になると二人同時に唱える



『封を解く光よ、呪文を解き明かし、封印を解除せよ』



解除魔術が発動し、コアにかかっていた封印魔術を解いていく。



すると解け始めると封印がはがれた所からマナが勢いよくマナが溢れ出す。



アマテラスが吸い過ぎないように調整しながら溢れ出るマナを吸いとる。




封印が解かれるにつれてコアの下からどんどん緑が広がっていく。



「よし、シェーレはもう魔術を止めて構わないよ」



冷や汗を垂らしながら魔術を使っていたシェーレが魔術を止める。




そして封印が完全に解けると解除魔術が魔法陣とともに打ち消える。



「よし、これで大丈夫だな....」



そう言ったとたん真上へと柱のようにマナが放出される。



そこにいた5人全員が驚きの表情をして上を見上げる。



「一体何が起こったのじゃ...マナの調整は完璧だったはず...」



そして今もなお放出されるマナの中から一つの影が姿を現す。




【グルルルルルガアアアアアアアアア!!!】

最後までありがとうございます!

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