永遠のライバル
私にはライバルがいる。
何年も前から競いあっている、ライバルであり宿敵であり最大の親友。
昔から意識していた君に初めて話しかけられたのが、
「テストの順位で勝負しようぜ。負けた方が勝った方の言うことを一つだけ聞くっていう罰ゲーム付きで」
だった。私と君は、いつも真ん中に固まっている、普通の成績。勝負は五分五分だった。でも、回を重ねる毎に私たちはどんどん順位をあげ、卒業前最後の今回のテストでは、学年の一位と二位を独占した。
負けたのは私。いつものように、ゲーセンとかおやつを奢らされることだろうと財布の中身を想像していた時。
「僕をお前の彼氏にしてくれ。それがお願い」
「えっ……」
「いいかな」
「……うん、いいよ」
何故かこの日だけ校舎裏に呼び出されていたのだけれど、理由はこれだったのだろう。
と、私は今になって考える。その時は頭が真っ白で、驚きと嬉しさがごちゃごちゃしていて訳が分からなくなった。
私にはライバルがいる。
何年も前から競いあっている、ライバルであり宿敵であり、そして最愛の夫だ。