表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者物語  作者: 野川真実
51/62

第51話 封印

”精霊の曲”で魔王と共に一度浄化された”闇の石”は、まるで燻るような波動を出していた。

勇者は掴めるほど近くまで来ると、”闇の石”に両手を添えて、流れるような詠唱を始めた。


いつもの古代魔法の詠唱ではない。

もっと、別次元の・・・。

そう、それは遥か遠い過去より刻まれた、精霊由縁の”封印の呪文”。



”封印の呪文”に呼応するように、”闇の石”が牙を剥いた。

既に浄化がされているとは思えぬ威力。

鎌鼬のような真空の刃を含んだ強風が吹き荒れ、一撃で精神を崩壊させるような闇の波動が勇者を襲った。

勇者の姿は漆黒の暗闇に呑まれ、仲間達からは見えなくなる。


こんなに近くにいるのに、何も出来ない。

マリンは震える手で、勇者から預かった”精霊の竪琴”を握り締めた。

「お願い・・・無事でいて・・・!」



皮膚を裂かれ深手を負っても、どんなに精神攻撃を受けても、命を抉り取られても、勇者は詠唱を止めなかった。


誰かの笑顔が、勇者の脳裏に浮かぶ。

「今こそ、”闇の石”の封印を!」





(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ