表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者物語  作者: 野川真実
23/62

第23話 双子の幼子

大型動物衝突による乗り物の損傷は激く、著しく速度が落ちていた。

幸運な事に、もうすぐ街に着く。

近くに川があるのを見止め、一行は街へ着く前に昼食をとる事にした。


マリンと武闘家(男)が水を汲みに行くと、そこで不思議な光景を目にする。

街から離れた川の畔に、幼い子供がふたり・・・。

髪の長さ位しか違いがない、双子の女の子。


通常なら、魔物の変化と疑うのが定石だ。

しかしマリンには、人間と魔物の違いがはっきりと判っていた。

怯える双子に、マリンは微笑んで手を差し伸べる。


双子は、髪の長い方がミキ、短い方をミクと名乗った。

ミキの方が大人びており、ミクはミキの陰に隠れるようにしていた。

双子は、旅の一団とはぐれたと言う。

幼い子供を置き去りには出来ず、マリンと武闘家(男)は仲間の元へ連れて行く事にした。



帰りが遅いマリン達を心配して、戦士(男)が迎えに行こうとしていた時、ふたりが戻ってきた。

マリンと手を繋いでいる双子の姿を見た瞬間、勇者は顔色を変える。

その変化を武闘家(男)は見逃さなかった。


しかしそれよりも早く、朔夜を見てミキが豹変した。

「お前が朔夜か。なら、隣にいるのは”勇者”だな!」

その瞬間、武闘家(男)が持っていた桶から水が飛び出し、水の縄で一行を捕らえていった。

目を疑った。

勇者以外に、こんな事が出来る者など見た事がなかった。


「・・・特殊能力者か。」

ふいを突かれ、水に囚われた朔夜が口惜しそうに吐き捨てた。

ミキは子供とは思えぬ邪悪な笑みを以って、それに答えた。





(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ