プロローグ
初投稿になりますので特に期待はしないでください。
暇つぶし程度に読んで頂けたら有難いです。
もしも一つだけ願いが叶うとしたら何を願うだろう?永遠の命?飢えることのない生活?巨万の富?絶対的な力?いや、悩むことはないだろう
「願いは決まりましたか?」目の前の男の問いかけに
「はい」と答えて続けざまに
「本当に何でも叶えることができるのでしょうか?」と尋ねた。
「はい、基本的には…あ!ただし、条件をつけることはありますよ」と思い出したかのように男は付け加えた。
「一つはこの願いの事を他言しないこと、ただし、例外として自分ととても親しい人物一人にだけは打ち明けることは許されます。まぁ、こんな話信じるかどうかわかりませんけど、決まりなので」
一つ目の条件を聞いて少し安心したが、すぐにある一つの疑問が頭に浮かんだ。
「もしこの約束を破った場合はどうなるんですか?」
男の顔から笑みが消え、少し間を置いてから神妙な面持ちでゆっくりと口を開いた。
「破った場合には残念ですが罰を受けて頂くことになります。」
「その…罰とは何ですか?」恐る恐る尋ねた。
「いえ、破った条件の内容や状況によって変わりますので、一概には言えません。ですが生易しいものではないことは覚悟しておいてください。」
その言葉を受け緊張が走った。
男は少し悲しそうな顔をしながら
「私も本当は罰を与えるのは気が引けるのですがこうでもしないと人間の欲望というものは抑えることはできそうにないので…人の心というのは変化しやすいものなので…」
どこかさみしそうに遠い目をしてそんなことを言った男の言葉に少し息苦しくなるのを感じ、頭の中にある人物の影が走った。
「では、話を元に戻しますね。二つ目の条件は、非人道的な願いや、それにつながる願い、大多数の生き物に影響を与える願いは叶えることはできません。」
「まぁ、この条件はあなたには関係ないかもしれませんが、念のために」
その条件を聞くや否や一つの質問を投げかけた。
「大多数ではなく個体に対して影響するもので願い自体は非人道的なものではないとしたら…願いは叶えて頂けますか?」
その言葉を聞いた男は少し俯き
「基本的には可能ですが…いやはや、あなたからそのような言葉が飛び出すとは私もさすがにショックを隠せません。」
そううなだれる男に対してすぐに
「例えばの話ですよ」とすぐに弁明を入れた。
その言葉を聞き、安心したように笑みを取り戻した男が
「では、そろそろ聞かせて頂いてもよろしいですか?あなたの願い…」
と言ってきたのでかねてからずっと心の中にあった願いを打ち明けたのだった。
「僕は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」