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九日目:再スタート

1500pv達成しました。

驚きと同時に、感謝です。

  俺が牢獄に来てから、三日ぐらい経ったのだろうか。一日がどれくらいなのかが、全くわからないのだ。 何故なら、牢獄と言う名の地下室の用な所にいるので、ずっと真っ暗で、蝋燭で辛うじて灯りの変わりになっているぐらいなのだ。 食事もこれまで6回は来たが、一日何回かはわからないので、結局俺自身何もしていなかったのだ。


 そうしていると、監守が俺の牢の前に来て、

「おい、出ろ!判決の時間だ!」


 と言ってきたので、おそらく三日で合っていたのだろう。

  俺はとりあえずそれに従い、開いた扉から出た。


「ここから貴様は、そのまま王の間へ向かってもらう。抵抗はするなよ。」

  と、監守の後ろについて来ていた騎士の一人が、そう言った。


「はいはい、ってか逃げれねえけどな……」

 当然だ。だって手錠されてるんだもの。逃げた所で上手く走れないだろう。実際、ルミアを助けた時は外したが、そんなことしたら、即切られるだろう。 まぁバカでもそれくらいはわかる。

 俺は騎士に手錠につけられた縄を持たれ、そのまま約三日ぶりの地上へと出た。


 ―――――――――――――――――――――――――――――


 俺は城のどこかの部屋に連れて行かれて、暫く待機していた。

 どうやら王が用事があるらしく、先約を先に済ませておくようだ。 ってか今更だが、王女以外にも、王っていたのね……と思いながら待っていた。


 どうやら王は、王女の先代のようで、王女の補佐をずっとしていたそうだ。だが、王女が居なくなってしまったので、臨時で王に復帰していたらしい。


  何で知ってるかって? 俺を連れてきた騎士が教えてくれた! 愚痴のように俺に対して言ってきたのだ。 まぁ王女連れて行ったのは俺だしなー、と考えながら暫く待っていると、


「王の準備ができた! これからお前を王の間へ連行する!」

 と、勢い良く騎士の一人が言った。 そして俺は王の間へ連れて行かれた。


「これより、罪人ソラにの罪状を読み上げる!まず、王女誘拐に加え、拷問担当騎士の殺害、そして王国騎士団に対する冒涜。 何か言いたいことはあるか?」


「……王女誘拐は違いますね。俺は王女の許可はとりましたよ?」


「言い訳はよせ!貴様の様な者について行くはずが無かろう!」


「王女に確認はとったんですか……?」


「……あれ以来、王女は部屋から出てこん。貴様のせいだ! もうよい! お主に対する判決は決まった!」


「……無視か。」


「罪人ソラ、お主がやったことは、普通なら死罪に当たるが、王女の命により、それは禁じられた。よって、お主と言う存在を記憶から削除し、この王国に永久に立ち入る事を禁ずる!」


「なっ…… 記憶から削除……?」

 思ったより厳しい判決だった。てか記憶から削除て何よ?


「そうだ!ソラと言う存在を記憶から消去して、お主とは一切関わりが無くなるようにする!」


「……そうですか。 ならその刑は受けましょう。ですがこちらのお願いを聞いて頂いてもよろしいでしょうか?」


「ふむ…… まぁこの王国から追放するのだ、最後くらい良かろう。申してみよ。」


「ならお言葉に甘えまして……」


 ―――――――――――――――――――――――――――――


 結局、俺と言う存在は消されたようだ。ついでに、ソラと言う名前も消されたので、別の名前を名乗るようにと言われた。

 

 因みに、俺がお願いしたのは、約一年分の資金と装備だ。

 お金がなけりゃ何も出来ないので、そこはお願いしてみた。すると、思っていたより、あっさりと了承して貰えて、金貨500枚を貰えた。付け加えると、平民一人が一年暮らすのに必要なお金は、約金貨1枚であったらしい。


  さらに、それに加えて、ある程度の装備を貰えた。片手剣とナイフや、盾など、基本的な装備を王はくれた。まぁ金貨貰ったから、街の武器屋で買っても良かったのだが、王はそれを拒否したので、とりあえずの有り余りの装備から選んで頂いた。


  もう一つ、俺が貰ったものがある。それは…………


「あと、もう一つ欲しいのですが……」


「何だ、言ってみよ、どうせこの王国で過ごせる最後の日だ。なんでも言うが良い。」


「……でしたら、私がいた牢におりました女を連れて行きたいのですが…………」


「あの女か? ふむ……わしにとってあの女は厄介だったからの。引き取ってくれると言うのなら、むしろこっちから頼みたいわ。その分の資金は渡そう。」


「ありがとうございます。ですが……何故こんなにも、私のような罪人の要求が通るのでしょうか?」


「わしとて通したく無いわ。じゃがの、王女の命なのだ。お主の要求は必ず叶えろとな。」


「成る程……では、あの女の所に行きますので、罪人は失礼させて頂きますよ。 会うことも無いでしょうから、さようならです。」


 ―――――――――――――――――――――――――――――


 てな訳で、あの女ことルミアの牢まで行って、監守にルミアの手錠やらを外して貰った。


「おし、そんじゃ出るぞー」


「あ、あの、ソラさん?一体これはどういうことですか?」


「ん?いや、ただ単にお前もここから出れるってことだけど?」


「いやいや、私何もしてませんよ?判決さえも言われてませんし……」


「あー、もう、しゃーねーなー、俺が国外永久追放されることになったから、王にお願いしたの!欲しいもので何でも良いって言うから……」


「そ、それで私を……?」


「うん、あー、こんな事言うのは柄じゃ無いんだけど……俺と一緒に来い!」


 言い切っちゃったよ……どーしよ、これで断られたらマジ恥ずかしいんだが……


「…………はい、貴方について行きます。」


「えーっと……言っておいてなんだけど、本当に良いの?俺もうこの王国入れないよ?」


「構いません。もとより、私はこの王国出身ではありませんし。出られると言うのなら、ついて行かせてもらいます。よろしくお願いしますね?ソラさん?」


  オッケー貰えたよ。てか貰っちゃったよ。 良いって言ってくれたよ。ならそれで良いか。 あ、そだ。名前消されるんだ。それも言っとかないとな……


「えーっと、あと、追加なんだが、俺の名前も消されるらしく、また名前を考えないとダメなんだ……」


「あら、そうでしたか。なら……私がお付けしてもよろしいでしょうか?」


「ん……? まぁ良いけど……?」


  どうやらルミアに名前を付けて貰えるようだ。考えるのも面倒だし、ちょうど良かったのかな?


「では……ルークはいかがですか?」


「ルークか、良いな!よし、俺は今日、この時間からルークと名乗る!改めてよろしくな!ルミア!」


「はい、こちらこそ不束者ですが、よろしくお願いしますね、ルークさん!」


  と言う会話をして、俺達は牢獄から出た。

 まぁ、この王国からは追放されてしまったが、他の国に行って生活するのも悪く無いだろう。 と言うことで、俺は新たにルークと名乗り、ルミアと一緒に旅に出ることが決まった。

 

  名前も変わり、また一からスタートだ!と意気込みながら、俺達はこの国を後にしようと城を出ようとした。

読んで頂き、ありがとうございます。

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