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三日目: クラスメイト達との別れ?

 「では、皆様の能力を見させてもらいます。」

「能力ってどういうものなのですか?」とムトが聞いた。


「この国は冒険者がたくさんいます、皆様もそれと同様に冒険者として生活して頂きますが、その時に役割があるのです、戦士、騎士、アーチャー、魔術師、ヒーラーの5つです、私はその適性を見ることが出来て、皆様の能力値も見れます。」


 俺は全くゲーム内で聞いた事とおんなじだなぁと思った。

 能力値で所謂ジョブが別れて、大体騎士は優秀な奴等がなっていたからムトは騎士だろうなぁと思っていた。


「ですがこの国の一般市民は能力値が低いので冒険者にはなれず、農夫、鍛冶師、商人などの役割となっています。皆様は…恐らく適性がおありですので大丈夫だとは思います。」


「では、始めます。まずはムト様からですね。」

 そういって王女が皆の能力値を見た物をカードに入力して書いたのを渡されていった。


 《ムト:レベル25、体力2500、攻撃力3850、魔力1500、スキル、心眼S、魔力耐性A、ジョブ:騎士》


 《ミウ:レベル23、体力2010、攻撃力1840、魔力4800、スキル、回復能力向上A、薬作りA、治癒魔法S、ジョブ:ヒーラー》


 《ユウ:レベル22、体力2300、攻撃力4000、魔力2030、スキル、根性A、攻撃力上昇A、ジョブ:戦士》


 ―――――――――――――――――――――――――――――


 とまぁ、順調に俺以外皆の能力計測が終わった。

「さて、最後はソラ様ですか、申し訳ないのですが、あなた様からはあまり能力値が高いようには思えないのです。」と申し訳無さそうに言った。


 俺は、「まぁ、そうでしょうよ。俺皆と違って優秀では無いですからね、まぁ農夫なら農夫でいいんですけどね、自由に出来ますから。」と半ばヤケになって言った。


「と、とりあえず見させてもらいますね。…………こ、これは……」

 と、王女が何故か俺の顔を畏怖したような顔で見てきた。俺は王女からカードを受け取ってそれを見たところ……


 《ソラ:レベル0、体力1000、攻撃力250、魔力380、スキル、言語理解SS、隠蔽S》


「何だこりゃ?能力値低っ、てかレベル0? ってスキル……隠蔽S? 何だこれ?」

 皆が俺をみて「はぁぁぁぁぁぁ⁉」と騒いだのは言うまでも無い。だって能力値は低いし、おまけに体力とレベル無かったからね。


 ―――――――――――――――――――――――――――――


 皆が落ち着いた頃に王女が俺に「ソラ様、一応確認ですが、貴方のスキルに隠蔽はありますよね?」と聞いてきたので、


「はぁ、ありますけど?ひょっとして何か問題でも?」と聞き返した。当たり前だ、俺は良くわからないがどうやら危険と判断されるようなスキルの隠蔽を持っているらしい、しかもSだ。


この世界ではスキルが、《G→F→E→D→C→B→A→S→SS》となっていてSSが最高レートで、SS所持者は殆どいないそうだ。


「実は、隠蔽と言うスキルはこの国では私の能力理解よりも忌み嫌われるスキルなのです。」

 どうやら隠蔽とやらは犯罪者や魔族が持っているスキルらしく、王女の能力理解よりも忌み嫌われているらしい。俺ってとことん嫌や役割だねぇ…と思いながら王女にまた質問した。


「てことは俺やばいの? どうなっちゃう?」

「本来ならば死罪や収監ですが、あなた様は異世界から来た勇者扱いですので、監獄に永久収容になるかと……」


「なら早めに監獄に収容してくれよ?その方が身のためだろ?」

 俺は自ら監獄へと入ることを考えた。何故なら、これ以上王女やクラスメイト達に迷惑はかけれないからだ。もし一緒にいて皆が嫌われたりでもしたら俺は嫌だ。最悪の場合、それで皆まで捕まって拷問を受けたり、殺されたりするのは避けたい。


さらに、王女にも迷惑がかかる、もし忌み嫌われるスキル持ちを召喚したとなれば既に忌み嫌われるスキル持ちなのに、二人目まで一緒となれば、皇女にも冤罪がかけられるかも知れないからだ。 何で落ちこぼれでこんなに考えれるのかって? 簡単な話、ゲームなどであったからだ。


「俺はどうなっても良いよ、拷問でも何だろうと我慢するよ、だから早く……」

「ふっざけんなよっソラぁっ!」ムトが俺を殴り倒した。


「お前、帰れなくても良いのか? 出られなくなるかも知れないんだぞ? そうすればお前は元の世界に戻れないし、罪人扱いだぞ?それでも良いって言うのかっ?」


「あぁ、良いさ……どうせ俺はバカだからな、向こうに戻ったところで俺は落ちこぼれだ。しかも親も心配しねぇよ、多分落ちこぼれた息子がいなくなって清々するんじゃねぇか?自由になったってな。だったらこっちで罪人になってでも生きてやるさ、お前らと俺は違うんだよ。」


「何がっ……違うって……言うんだよっ‼ お前も俺も同じ世界の人間でクラスメイトで親友だろうがっ?」一言一言殴りながら言ってきた。ムトの言っていることはもっともだ。


 俺は、「俺も向こうの世界の住人でクラスメイトで親友だけど、俺は落ちこぼれなんだよ……ムト… …そこが違うんだ。誰も俺の事なんて気にしないのさ。お前達は優秀だからいなくなったら心配する、だけど俺がいなくなったところで何も変わらないのさ。」


  「俺達が…気にするだろうがっ!? 何のための親友だ? 何のためのクラスメイトだ? 助け合うためだろうがっ⁉」「お前は俺を救ってくれた‼ こっちの世界でも俺達が言葉が通じなかったけどお前がいて俺達は……助かったんだよっ‼ なんでそれがわからない?」


「俺達はお前がいたからこそ今ここにいるっ‼ 俺たちにも…お前を助けさせろよっ‼」とおもいっきり叫びながら俺を殴って殴って殴って殴って殴って殴り続けた。


 ―――――――――――――――――――――――――――――


 ムトが俺を殴ってからしばらくした。ムトはやや涙ぐんだ顔をしていたがやがて落ち着いていつものムトになっていた。俺は自分なりに結論を考えていた。そして、


「王女、もう良いだろ? さっさと護衛騎士中に入れて俺を連行するように命じろよ? お前まで巻き添えにするつもりなんかねえし、こいつらを巻き添えにするつもりもない。俺だけでいいんだよ。さあ、早く命じろよ……」「………仕方ありませんね、衛兵、このソラと言う物は隠蔽持ちです、監獄へ連行しなさい‼しかし、死罪にすることは許しません‼これは王女としての命令ですっ‼」


「なっ⁉ おい、王女、どういうことだ‼ なんでだよっ…俺達はソラを救えないのか……?」

「残念ですが……本人の意志です、私は王女として命令を下したました。恨むなら私を恨みなさい……」


「んじゃ、お前達は頑張って向こうに帰れよー? 俺はもう会えないだろうし、まぁ今までありがとなー。特にムト、王女を恨むなよ?これは俺が親友のためを思ったまでだ。恨むなら俺をうらめー………」


 そういって俺は衛兵に連れられて王女の間から消えた。


 ―――――――――――――――――――――――――――――


 《ムト視点》

「くそっ、何でだよ……ソラっ…………俺は…お前に……何も、返せてないのに……」

「ムト……」ユウやミウ達がムトを慰めるような目をムトへと向けていた。


「では、皆様はこれよりギルドへと異動して頂きます、お金は既にカードと一緒に渡してありますので……」「ふざけんな‼王女、お前は良いかも知れないがムトはダメージを受けてるんだよ‼この状態で行けるわけねえだろが‼」


「では、皆様には昨日お部屋をそのまま使用して頂きます、本日はゆっくりとお休みくださいませ。ソラ様のことは私がいる限り殺させはしません。そこは保証します。」


「……わかった。皆、行くぞ。」と言って俺は異動した。正直ソラが何を考えているのかはわからない。だが俺達のことを考えての事なのだろう、あいつはバカなりに最善を考えてくれたのだろう。 俺達が自由に動ける方が帰るための方法に近づくと信じたのだろうと俺は思った。


「………ソラ、俺はお前を取り戻す。 向こうでもこっちでも借りた借りは必ず返す。待っていろ。」と俺は心に決めたのだ。そう、ソラを救って皆で帰ると言う目標を立てて。


 ―――――――――――――――――――――――――――――


 《王女視点》


「王女様……よろしかったのですか?あの者を監獄に入れて。」

「ええ、構いません。あの者が望んだのです。ならばそうするべきでしょう? もう下がっていいですよ。ご苦労様でした。後お付きも今日は下がってなさい。」と衛兵に言って部屋から下がらせた。


「…………ソラ様、本当にごめんなさいっ…… 皆様を悲しませてしまいました………… ですが……そうするしかないのです。 皆様が城を出て旅に出た後に私も……」と涙を流してはならないのだが、我慢するのが無理なのでこの時だけは泣いた。


 ―――――――――――――――――――――――――――――


「監獄って言ってもまぁさすがにベッドとトイレはあるんだなー、さすがは王女の命令だ、他の奴より厳重な警戒だけど部屋は普通だなぁ。」俺はそう思った。


 大抵ゲームとかの監獄ならトイレはあるけど臭いし、ベッド何てあるわけ無しの単なる藁敷いただけでめっちゃ暗い所とかを想像していたのだが、どうやら違うらしい。 王女命令だからなのかわりかしきれいな洗浄トイレに普通のベッドがある所に入れられた。(まぁ暗いけど……)


「さて、何しよっかな?つっても寝るしかねえけどさ。」

 俺は寝ることにした。明日になればあいつらはギルドへ行って冒険者としての生活が始まるだろうから俺としては心配事が1つ減るのだが…疑問があった。

「何で…ベッドが二人寝れる用の奴なんだろう……?」


 そう思いながら俺は意識が遠くなっていくのを感じた。



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