十五日目:再会
遅くなり申し訳ありませんでした。
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俺はセフィさんと一緒にギルドを出て、ついていくことになった。これでムト達にまた会うのかと思うと、少し気が重いのだが、まぁ向こうは気付かないと思う。何故なら、髪の色とかが変わってしまったからだ。
「ところで、貴方はどうして牢獄に入っていたのかしら?能力だけでそうはならないわよね……?」
と、考えていたら、セフィさんから質問が来た。
俺は王女ことローザの方を見て、話しても良いかの確認をした。頷いてくれたので、俺は経緯を話した。
「実は……」
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「なるほど……そう言う理由でしたか。」
俺は話せる限りを話した。すぐには信じ難いだろうが、事実だ。俺は隠蔽を持っている。しかもSでだ。
「まぁ今となっては別にどうでも良いんですよね、牢獄に入っていなかったら、俺はルミアと出会えていませんでしたから。」
と、ルミアの方をちらっと見て言った。
「あら、その方も牢獄に……?」
「ええ、理由までは知りませんが……」
と、話していると、何やら町の中の店前で、騒がしくなっていた。
「ん……?あれは……」
良く見てみると、そこにはクラスメイトの美羽と、その親友の鏡花がいた。近くに行ってみると、
「ですから、あなた達と一緒になんて行きません!ほっといて下さい!」
「良いじゃんか、一緒に楽しい所行こうぜ~」
……頭が痛くなってきた。と言うか驚いていた。この世界でも、ナンパってあるんだね。さて、どうするか……
「ルークさん、何とかなりませんか?」
と、考えていたら、セフィさんやローザ、ルミアまでもが、声をシンクロさせて、俺に言ってきた。
「……俺?」
「お願いです、あなたなら何とか出来るでしょう?」
「まあね……」
「ならお願いします!」
「……はぁ、わかったよ。けど、条件がある。」
俺は条件を話した。俺がソラだと言うことは言わない、ついでに、王女の護衛ということにする。の二つだ。
「わかりました。では、よろしくお願いします。」
とりあえず俺は、美羽と鏡花の近くへ行ってみることにした。すると、ナンパしていた男3人が俺に気付いたらしく、
「あぁ?何だお前?」
「邪魔すんのか~?」
「邪魔してんじゃねえよ、てめえからやるぞ?」
とまで言われたので、
「困ってる女の子二人に男子三人ねぇ……どうなの?」
といって、ある魔法を呟いた。
「《グラビティ》」
これは俺が考えた重力魔法だ。と言うか、ゲームで俺が好きで使っていた技の一つだ。
けども、これに似た魔法はこっちにもあるらしい。何せ、俺は試しに唱えたら出てくるので、正直セコいと自分でも思ってる。すると、ナンパ三人組は、
「ぐわっ、な、何だこれ……」
「か、体が……」
「動かねぇ……」
見事なまでに地面にめり込んでいた。
それを見たセフィさんが、男達を連行するよう指示して、ローザは女子2人の方へと行き、ルミアが俺の所にとてとてと来た。
「さすがですね……しかし、これはまたオリジナルですか?」
「うん、と言うより、想像したのを唱えたら出てきたんだよ。」
「また……そんな常識外れなこと出来るのは、ルークさんだけですからね?」
「わかってるよ、それより、あの二人は……」
俺は二人のほうを見た。ローザが行っていたので、ケガをしていても大丈夫だろうけど……と考えていたら、
「あ、あの、助けて頂きありがとうございました!」
と二人がこっちを見て言った。
「ケガはないですか?」
「はい、大丈夫です、ところで……あなたは?」
「私は、そこにおられます王女様の護衛ですよ。ご無事で何よりです、お二方。」
取りあえず、王女たちに言っておいた条件の、護衛と言う形にしておいた。気づくか気づかないかは別にして、そう言うことにしておきたかった。
「と言うことは……あなたがムト君を治してくれるの?」
「……はい? 私では無く、王女様が治されるのでは?」
「それが……」
「……なるほど、そう言うことでしたか。」
結論から言うと、ムトは王女の治療では治らなかったらしい。初めて知ったが、王女は何回も治療に来ていたそうだ。
「あなたが治癒魔法が得意だって、王女様が言ってたの。それで……どうですか?治して貰えますか……?」
と、鏡花が言ってきた。俺は鏡花のことはあまり良く知らない、けども、ムトと仲が良かったことだけはわかっていた。なので、
「……わかりました。この私で良ければ、最善を尽くさせて頂きます。」と答えた。と言うか、俺治療魔法得意だっけ……?いつの間にローザは俺のことを言ってたんだ?
「あ、ありがとうございます!では、さっそく案内しますね!」
と、少し気分が良くなったのか、鏡花は嬉しそうにそう言った。
俺はルミアを連れて、鏡花の案内で行くことになった。セフィさんは、手続きがあるとかで、後から行くと言って、三人組と一緒に何処かへ行ってしまった。一応、護衛と言うことなので、王女の後ろをついて行った。
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《美羽視点》
私は少し考え事をしていた。え、何のことかですって?ギュンターで牢獄に入ったソラ君の事だ。彼は日本ではクラス内の落ちこぼれだった。そんな彼が、森林では私たちが分からなかった言葉を話せて、能力値の測定の時には、嫌われているスキル持ちに加えて、能力値も低かった。なので、私たちを巻き込まないようにと、自らを犠牲にしたのだ。自己犠牲にも程がある。
結果、彼は牢獄に入り、その後の詳細は分かっていない。そんな事を考えていたら、道で男達に絡まれた。一緒に鏡花もいたからだろうか、日本のナンパと同じ手段だった。嫌がっても、しつこく来たし、何より背が高くて筋肉質。少し怖くて震えていた。すると、
《グラビティ》
魔法が聞こえたのだ。そっちの方を見てみると、男の人がいた。片目片腕の白髪の人だ。あの人が助けてくれたのかな? と言うより、片目片腕ってどういうこと!?
「ミウさん、キョウカさん、お怪我はありませんか?」
「王女様!大丈夫です、私も美羽も無事ですよ!」
と声が聞こえたので、安心して、力が抜けて行った。
助けてくれた人を見ると、何処かで見たような雰囲気がした。
「……ソラ君?いや、まさかそんな訳無いよね。」
私はそう呟きながら、鏡花達について行った。
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