十一日目:公国までの道のり
評価、ブクマ待っていますm(._.)m
微妙な終わり方にあえてしています。
俺はエルドア公国目指して道を進んでいた。ギュンター王国からは、歩いて約一週間程度かかるらしい。まぁ道中は舗装されているらしいので、安心は出来るのだが、何せこの世界だと、魔物がいるわけだ。結論油断は出来なかった。
「ふう…… 結構歩いたな。」
「そうですね。ですがまだまだですよ?」
「すまんな……交通手段が徒歩で。」
そう、この世界だと、馬車などに乗る事は出来るのだ。しかし、馬車はギュンター王国内から出ている為、俺は使えなかったのだ。え、何でって? そりゃあ俺が、王国内の店とかに入れなくなってるからだ。勿論、王からの冤罪でね。
「いえ、気にしないでください。私なんて、ルークさんに助けて頂けなければ、あの牢獄で死んでいたでしょうし……」
うむ……重いな。そこまでの事をしたか俺? ヒールかけて外に出した…… 意外と感謝されて普通? うーん……良くわからん。前の世界じゃ、そんなことは無かったからなぁ……
因みに前の世界では俺は三人兄妹の末っ子だ。長男は自衛官、長女は弁護士とエリートである。両親も、警察官と看護師なのだ。結論、俺は家族全体で言うと落ちこぼれなので、親に勘当に等しい家からの追放を言われ、一人暮らしをしていた。なので、家族は感謝されても当然かも知れないが、俺はそんなことは無かったのだ。なので、結構感謝されると嬉しかったりする。
とまあ、この世界ではどーでも良いことを考えていると、俺らのちょっと先に、何やら馬車が見えた。
「ん……?何であんな所に馬車が?」
「さぁ……行ってみましょうか。」
と言って、ルミアと一緒に馬車がかなり見える位置に行ってみると、何やら変な服を着た連中が、馬車を囲んでいた。
「おい、こいつらから、金目の物を奪え!抵抗するなら男は殺して、女は奴隷にでもしてやる!」
なんか物騒だなおい。約10人はいるかな。まぁいわゆる盗賊と言う奴かな?と、俺が思っていると、奴らの一人がこっちに気付いて、
「兄貴ぃ!また誰かきやしたぜ!どうしやすか?」
「ああん?男は殺せ。女なら連れてこい!って良い女じゃねえか。よし!あの男を殺してあの女は俺のものにしてやる!やっちまえ!」
えー、マジかよ……これ、戦わないとダメなやつじゃね? めんどいなー、てか戦うの?俺、なんも出来ねえよ? 戦ったこと無いもん。 と、思っていても、賊達はこっちに来るので、仕方なく、魔法を唱えて応戦する事にした。
とは言っても、魔法の打ち方なんて知らないので、前みたいに、適当に詠唱っぽいのを言ってみた。
「破ぜろ!《エクスプロージョン!》」
何となく言ってみたかった魔法を詠唱したところ、敵が来た所が、急に爆発した。そして、敵は戦意喪失したのか良くわからないけれど、気を失ったり、こっちをみて震えたりしていた。 おお、成功か。じゃあ、ひょっとして、言ってみたら何でも行ける? と、考えていたら、
「バ、バカな……6段階目を無詠唱だと……」
「ん?6段階?何それ?」
「この世界では魔法は13段階まであります。ですが、実際に普通の人が使えるのは7までと言われております。理由としては、それ以上の8、10、12、13段階は禁忌とされているからです。」
と、ルミアが解説をくれた。てか詳しいな。え、じゃあ敵さん吹っ飛んだけど大丈夫かな…… 6段階目ってまぁまぁ危なくね?
「えーっと……後はあんただけなんだが、まだやるか?」
と、賊で兄貴と呼ばれてた奴にやや脅し気味に言うと、
「へ、へへ、何かのハッタリだろ? お前みたいな平凡野郎が6段階目を出せる訳がねえ。俺は透視持ちだからな。ステータスなんざ簡単に見れるんだよ。」
そう、こいつが言っている事は、恐らく事実だろう。 この世界には、透視と言う、王女のスキルの劣化版があるのだ。 透視は別に、忌み嫌われている訳ではなく、大抵の人が取得はしているそうだ。て言うかそうらしい。 この前、王女からそれを聞いた。
だが、奴が見ているのは、残念ながら、隠蔽で隠したステータスだ。なので、全ステータスが、千前後になっているだろう。 なので、ハッタリでも何でもなく、事実なのだ。
「……ならやるか?俺は良いぞ? ってかさっさと先に行きたいんだよ!」
「なら、剣でやってやらぁっ!!」
と言うや否や、賊のトップは、俺に両手剣で斬りかかって来た。
俺はとりあえず、左手でナイフを持って、それに応戦した。
ナイフと言っても、小さくはない。ただ、俺は片腕がないので、シンプルで扱いやすいナイフを王から貰っていた。
「バかなぁ、何故ナイフなんぞで止められる……」
「さあね、筋力無いんじゃない?」
と、挑発した所、怒ったのかかなりめちゃくちゃに剣を縦に横にと振り回して来た。 俺は冷静にそれをかわしたり、受け流したりして、何とかしのいで、反撃に出る。
ナイフを奴の腕目掛けて振るが、奴も中々やるようで、左に避けて、また剣で俺のがら空きになった左手を狙う。が、そうはさせない。剣をしっかり見て、ナイフで受けきり、またそれを振りかぶる。
そんなのが何分続いただろうか。奴がバランスを崩したそのチャンスに、俺は持っていたナイフを奴に投げ、もう一本ナイフを出して奴を斬った。 そう、俺は初めて人を斬ったのだ。気分はあまり良くない。斬った感触が手に残り、少し吐きそうになった。
「ぐっ、殺せ……」
「断る。お前には出頭して貰う。死ぬくらいなら、牢にでも入ってろ。」
「……てめえ、一体何者だよ……」
「ん?俺か? 俺はなぁ…………勇者のクラスメイトだよ。」
読んで頂きありがとうございます。