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十日目:初めて外へ

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 俺こと遠藤蒼空は、学校の授業中にクラスメイト達と一緒に、異世界へと召喚された。そして言われた事が、勇者になってくれ…… だった。


  正直訳がわからんし、なれと言われても、じゃあどうやって?って話だった。 俺達が元の世界に帰る為には、何処かの洞窟にあるらしい宝が無いと、帰れないらしく、俺達にあった選択肢は勇者になると言うことだけだった。


  だが、王女の能力で、皆のステータスを見ていた所、俺にはこの国で忌み嫌われている隠蔽があったのだ。しかもランク的には二番目のSだった。その結果、俺は皆と別れる事を決心して、牢獄に入ることになった。ムトからは反発されたが、皆が巻き込まれるぐらいなら、自分一人が、と言う悪知恵が働いた。


  俺は皆と比べるとバカだ。考えも何も無く、ただ直感を信じて今までやってきた。けども、今回だけは違った。ただ、皆に迷惑をかけないようにと、それだけを考えて至った結論だったのだ。


 正直、それは正解だったと思う。結果、俺は拷問を受けて、殺された。今生きているのは、天界とやらにいるゼウスのお陰だ。生き返ったは良いが、俺は髪の色が変わり、目と腕が片方無くなった。こんな思いは、絶対にあいつらにはさせたくない。それに加えて、城を抜けた後に、騎士を冒涜してしまった。騎士は騎士なりに信念があってやっている。俺はそれを真っ二つにしたようなものだ。


  まぁ、それだけなら良かったんだよ…………

 牢獄にまた戻って、判決を言われると、拷問官殺しと、王女誘拐まで付け加えられていた。 確かに、拷問野郎は俺が殺したが、あいつが悪いと普通なら思う。けども、王や騎士達はそれは信じない。 まぁ罪人の言葉を信じる物好きなんて、いるわけ無いんだけどね…… あと王女に関しては、全くもって冤罪である。 王女が連れて行ってって言ったんだもん。 その王女は部屋から出てこないらしいし。


  結局、国外永久追放と名前の剥奪、俺に関する記憶の消去と言う判決に至った。まぁ別にこの国に何か未練でもあるのかと聞かれれば、そうではない。ただ、ムト達と会えなくなる可能性が高くなってしまったので、あいつらが元の世界に帰っても、俺だけが残ってしまうと言うことが、頭の中に思い浮かんだ。


「ふう……」


「ルークさん?どうかしましたか?」


「いや、今までにあった事を思い浮かべていただけさ。」


「そう言えば、ルークさんのこれまでを知りませんね。 私も知りたいのですが……?」


「うん……まぁ、話す時が来たらね。」

  と、何となくぼやかして答えておいた。教えても何も特別な事は無いからね。むしろ、嫌気が差してきて、俺から離れるかも知れないしな。


 と、そんな話をしている間に、城の城門まで来ていた。


  「……さてと、これからどうするかねぇ……」

  まぁ追放されるとは思っていなかったので、ノープランと言っても過言ではなかった。


「ルミア、どうする?ここからどっかに行かなきゃなんだが、何処か行きたい所とかある?」


「そうですね……では、このギュンター王国から、東の方にあるエルドア公国にでも行きましょうか?」


「ふむ……良くわからんけど、ルミアがそこに行きたいなら、それで良いぞ。俺もとりあえずギルドとかに加入はしときたいし。」


「では、そちらに行きましょうか。」


  とりあえず、この辺りの事は全く知らないので、その辺はルミアに任せることにした。と、行く先も決まって、さあ、行こうとしたら、


  「ソラ様っ!」

  と、聞き慣れた声が後ろからした。てか、あまり俺的には会いたく無かったんだよなぁ……


「ん……? 何だ、王女か。どうした?」


「どうしたではありませんよ! 何故一言も言わずに行ってしまわれるのですか!?」

 

 怒られたよ。まぁ当然だわな。あの宿に置いていって、しかも、何も言わず、去ろうとしたんだから。 まぁ何も言えなかったが正しいんだけどね……


「いやさ、王からお前が、部屋から出てこないって聞いたし?それに会ったところで、何をすれば良いかわかんねえじゃん?だったらそのまま去るべきかなぁ……って。」


「自分勝手に決めないで下さい!私は貴方の事が心配なのですよ!?」


「心配してくれるのは、有難いけどよ、王女、俺は世間的にはあんたを誘拐した奴だぜ? そんな奴を、お前の所まで連れて行ってくれると思うか?」


「で、ですが……」


「あとな、俺はもうすぐソラでは無くなるし、お前の記憶からも消えるだろうよ。てことで、さよならだ。」


  「お待ち下さい!ならば……せめて私との約束を果たしてから、行ってください!」


  「あぁ、名前か。 そうだな……ローザでどうだ?」

  俺は何故か花のバラが頭に浮かんだので、そこからとってみた。

 

「ローザ……ですか。ふふっ、では、これから私はローザです。では、さようなら、ソラ様。」


「あぁ、戻ってこれないだろうからな。ムト達には旅に出たって伝えておいてくれ。じゃあな。」


  そう言って、俺は城を出て、街からも出た。俺は所持金で、食料やテント、地図などを購入しておいた。こう考えると、今までずっとこのギュンター王国内に居たんだなぁ…… と考えていると、王国からも出て、外の道へと出た。 これが最初に召喚された時を除いて俺にとって初めての外になる。 緊張と言うよりは少し楽しみなのだ。 今の俺がどこまでやれるのかを、確かめてみたかったのだ。 とりあえず頑張るぞーと、一人意気込んでその隣にルミアを連れて、東にあるエルドア公国目指して出発した。


読んで頂きありがとうございます。

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