2、説明
“トゥルルル トゥルルル”
うるさいな~…。俺は電話に出た。
【おっはようございま~~~~~す!!!】
テンションのめっちゃ高い声がスマホから聴こえる。
「誰だよ~…。」
眠いときに電話しやがって。
【小村で~~~~~ス!!!!】
…何で電話番号知ってやがる!!!!!
「家の電話番号しか教えた覚えないが…」
【あれあれ?そうでしたっけ】
「そうだよ!!ってかなんで知ってる?なんのようだ!!」
俺は怒りたくなってきた。もう怒っているが…。
【契約のご説明です!!それで貴方の家の前に居るんですが…】
…ストーカーか!!!おいこら!!
【ドア開けてもらっていいですか?これ以上ここに居ると通報されそうなので。】
「そのまま通報されろ。お前の場合捕まっても罪に問われる心配ないんだろ。」
俺は電話に皮肉を言う。
【でも、そんなことすると上司がうるさいんですよ。」
“上司”俺はこの単語が嫌いだ。いつも知っていたくせに、あいつらはなにもしなっかた。すべてを把握していたのに、あいつらは誰一人として、手を差し伸べようともしなかった。デモ、手を差し伸べたから、ああなったのか。俺は、助けられなかった、同じ上司として。人間として未熟だった。
【早く開けてくださ~~~い!!】
小村の声で我に帰る。しょうがない…。開けるとするか。
“ガン” え?
「いたっ!!」
開けることで小村に当たったのだった。
「それ押すドアだったですか。引くんじゃなくて??」
「…ぷ。」
笑ってしまった。バカなのだろうか?
「笑うなんて失礼ですね。僕はこれでも公務員です。ニートの貴方に笑われる筋合いなんてありませんよ。」
「誰がニートだ!!俺はバイトしているんだぞ!!フリーターと…」
小村が人差指を口にあて、左手で指を指した。
(あの人ニートだったんですね奥さん。)
(ええ、そうなんですの…)
「いいですね~人気者は。」
このやろおおおおお!!
「契約の説明を致します。」
「さっさとすませてください。」
俺は心から泣きたい…。
「まず契約に当たっての必要事項です。最初にも言いましたが、このことをもし他言した場合ですが、最悪の場合死んでいただきます。話を聞いた方と一緒にね。」
なんですとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
俺の人生が!!!!!
「尚、その場合ですと、家族に大金が支払われますから、ご家族は納得させます。なのでなんの心配もありません!!」
心配だああああ!!!
「次に、実験後はいい結果をのこして頂くとこの仕事を特別に国家公務員として働き口を作ります。」
まじですか!!やったぜえ!!
「しかし、もしもいい結果が残せない場合、記憶を消します。」
「っへ?」
「つまり、記憶がなくなるので3年間が無駄になるのです。いつの間にか三十路にになってました。っていうことです。」
平然な顔で何言ってるんだ。こいつ。
「なのでよい結果を出すことをお願いします。」
この笑みの裏に何があるのか教えてほしい…。