無国時代 本編 一話
―――反オール民族連合地域
「我々は立ち上がらなければならない!すでにわれわれはそのための兵力を持っている」
台の上で高らかに演説している男がいる。民衆はその男に熱い視線を送りながら「そうだ!」や「その通りだ!」などという事を口々に叫んでいる。
「我々は今こそ死神の集団を倒し、自らのこの手で自由で平和が混在する光の国をつからなければいけない。そのためには君たちいや、あなた方の協力が必要なのだ!」
『おー!!!!』
・・・・・
男は台座から降り木で作られた簡素な建物の中に移動した。建物の中には小さな木の椅子とテーブルが置いてあり男は椅子に座りテーブルにあった酒に手を付けた。
「そろそろ奴等を倒してもいいころだろう」
男はつぶやいた。建物の中には男と男の側近アルメディしかいなかった。
「まぁ、そうなるでしょうね」
「奴等は我々をなめきっている。もちろん我々は弱かった。領土もなければ人口も少なかった。しかし我々はほかの民族に自分たちの知識を分け与えたことによって奴等よりも多い兵力を得た。もう奴等から逃げるだけではなく、この手で領土や自由、平和を手に入れなければならないのだ」
男は話を言い終えるとともに持っていた酒を一気に飲みほし容器を手の圧力だけで割った。
「落ち着いてくださいアルコス様。そんなに飲んでは体に毒です」
「飲まずには、いられんのだアルメディよ」
男の名はアルコス。ヴェスパニアン=アルコスだ。アルコスは、ヴェルストン民族の八代目族長で歴代族長の中で一番頭が優れておりそして彼は人一倍オール民族恨んでいたのだ。
というのも彼が婚約していた女性がいた民族をオール民族が壊滅させ女性もろとも殺してしまったのだ。アルコスはこれにひどく悲しみそしてオール民族に対して憎悪を抱いたのだ。
「いよいよ明日だな」
「そうですねぇ」
いよいよ明日彼が長年思い浮かべていた夢であるオール民族を倒す計画が実行されるのである。
彼は怒りの表情から一気に微笑みだした。
今日は月が明るいようだ。
翌日
まだ朝早く闇はまだ残っている。しかしその闇に対抗するかのようにアルコスが率いる反オール民族連合は炎を焚いている。
「皆の者、よく聞け!敵はいまそこあの地にいる。我々は今こそこの悲劇の時代を終結させなければならないのだ!戦え!自由のために!戦え!平和のために!」
勢いよく言った後彼は一度息を吸い込んだ。そして
「全軍!出撃!!!!」と叫んだ。
彼の叫び声とともに民族連合は、オール民族の支配する領土へと侵入した。当然のごとくオール民族の領土を守るオール民族の兵士がいたので民族連合の兵士たちはその兵士たちを倒した。しかし民族連合はけっして住民には手を出さなかった。
民族連合は着実にオール民族の領土を攻略していきついにオール民族の有力者たちがいるとされるアストフォンに着いた。
続く