第一話 無国時代前編
時は紀元前二千年。このころになると人間たちは互いに組織を作りその組織同士互いに争いあっていた。
その中でも特出して強かった組織。いや、民族はオール民族という民族だった。オール民族はヴェスパニア大陸の中央にそれ以外の民族とはけた違いの領土を持っており、そしてこれまたほかの民族とはけた違いの人口を誇っていた。だからこそ周りの民族はオール民族のことを良く言うときは「神々の集合体」と。そして悪く言うときは「死神の集団」と言っていた。そんな中そのオール民族に対して人一倍敵意をむき出しにしていた民族がいた。その民族こそヴェルストン民族、ヴェスパニア王国を作った民族だった。彼らはオール民族ほどの領土もなければ人口もいない。ましてやこんな時代なのだから武力もほとんど同じだった。しかし彼らには一つだけほかの民族とは違うところがあった。彼らにはほかの民族とはけた違いの知識と知能があったのだ。
彼には文字があった。言語があった。文字を書くことも読むことも話すことも聞き取る事もすべてできた。だからこそ彼らはすばやく情報を伝達することや情報を保存することができた。だからこそ彼らはほかの民族よりも高度な作戦を立てることができたのだ。
しかしオール民族とは人口つまり兵力も違うのでその高度な作戦も使わずじまいだった。
一方オール民族それ以降も着実に力を強めていきそして力を武器にほかの民族たちを虐殺し領土を一方的に拡大していった。
だがしかしヴェルストン民族もそこまで馬鹿じゃなかった。彼らは自分たちの言語などをほかの民族たちに教えていった。しかし教えるときは自分たちの意見や考えを中心的に教え込んでいったので必然的にヴェルストン民族はほかの民族たちと協力ができるようになっていったのである。
そして事件は起こったのである。まずはそこから始めて行こう。