第1話 お仕事は大変ですー。もう田舎に帰りたいですー。(泣きそうになりながら)
田舎からやってきた働きものの種族ぽろの姉妹の大陸で一番大きな街でのお仕事生活
お仕事は大変ですー。もう田舎に帰りたいですー。(泣きそうになりながら)
働きものの種族 ぽろ 幼くして一人暮らしする習性のある種族。体は丈夫で体力もある。よく働く。よく泣く。よく笑う。動物のみみとしっぽがある。
ぽろのお姉ちゃん まじめで頑張り屋さんの妹思いのおとなしい子。ちょっとだけ今の自分よりも背伸びをする癖がある。本が好き。
ぽろの妹 お姉ちゃんをお姉たまと呼ぶ。明るくて元気で優しいいい子。よく泣いて、よく食べて、よく笑う。
その大きな街を大きな古い煉瓦造りの門の前に立って、はじめて見たとき、ぽろの姉妹は空を見上げて、その場所から動くことができなくなってしまった。(早く手続きをしろって門の役人さんから怒られた)
それくらいびっくりした。
空まで届きそうなくらいの建物の大きさや、数や、人の多さや、騒がしさ、言葉の多さや、色の多さや、初めて見るものばっかりの物の多さ、そんなものに圧倒されてしまったのだった。(なんだか門にある天使たちのからくり時計の針まで忙しそうにみえて、いつもよりも早く動いているみたいに思えた)
大きな川の流れのように流れ続ける人々の歩く邪魔にならないようにぽろの姉妹は大きな道の端っこにあるベンチに座って少しの間、大きな街を見ながらぼんやりとしていた。
でもだんだんと姉妹の顔は笑顔になっていった。
ようやく、ずっと憧れていた大陸で一番大きな街に本当にやってきたのだと言うわくわくするような喜びの感情が湧いてきたのだった。
「がんばろうね! お姉たま!」
「うん。がんばってお仕事しよう」
そう言って大きな荷物を持ったぽろの姉妹はお互いの顔を見て、にっこりと(動物のしっぽをぶんぶんとふりながら)幸せそうな顔で笑い合った。




