不思議な出会い・謎の少女
☆プロローグ☆
「ふわぁ…」
立ち入り禁止のビルの屋上でその少年、空崎一斗16歳 高校2年生は、おおあくびしながら寝っ転がり、まだ少し明るく、星の少ない夜空を見上げていた。
「はぁ・・・。なんか・・・ヒマだな・・・。面白い事起きねーかな・・・。」
ぼんやりと呟いていた時、近くから
「きゃああぁぁあぁぁあああぁ!」
と、叫び声が聞こえた。一斗はとっさに前後左右を見渡した。だが、叫び声の主らしい人はいなかった。
(下は地面だし、だとしたら・・・。)
「上!?」
はっと上を見上げた瞬間、何かが落ちてきた。俺の上に。
「ぐはぁっ!?」
その〈何か〉の一部が俺の横腹にクリーンヒットし、そのまま気を失った。
☆第1章☆
「・・・じょ・・・ですか・・お・・てく・・・・い・・」
(ん・・・なんだ?だれだ・・・?)
「大丈夫ですか!?起きて下さい!」
一斗はうすく目を開いた。倒れている俺のとなりに少女が座って心配そうに俺の顔を覗き込んでいる。
金髪でかなりの美少女だ。
「起きてくれません・・・。どうしましょう・・・。」
かなり心配そうだ。涙目だし。そろそろ起きたほうがいいか。まだ痛いけど、とりあえずこの人を安心させないと。
「まさか、人の上に落ちるなんて・・・。」
ておい。落ちてきたのお前かよ。前言撤回。もう少し心配させといたほうが…
「こうなったら、もう一度同じ衝撃を与えて・・・。」
「起きましたぁ!もう大丈夫です!」
おもわず飛び起きた。なぜなら少女が俺のカバンを高く持ち上げているから。そしてそのまま俺の横腹に叩きつけようとしているから。
「よかったぁ・・・。起きてくれましたぁ。」
わかったなら、カバンおろそうか。あぶないから。
「すいませんでした!まさか人の上に落ちるなんて…。」
「ああ、大丈夫ですよ。丈夫なほうですし。」
俺も人が落ちてくるなんて思わなかったけど。やっとカバンおろした少女を見て、ふと思う。
ここは5階だてのビルの屋上…ちなみに立ち入り禁止。ここより高いとこはまわりにはない。
「…おまえ、どこから落ちてきたんだ・・・?」
少女はさらりと言う。
「空からです。」
えっと・・・
「空からって、スカイダイビングとか・・・?」
少女はくすりと笑って答える。
「違いますよ。」
そして、はっきりと言った。
「私は星なんです。」
初投稿です。お手柔らかにお願いします。