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さみしい笑顔

作者: 秋葉竹



 


リストカットをしたこともないのが

恥ずかしいと彼女は泣く


眠ればすべてを忘れてしまえる

敏感な心が折れちまってるんだと

彼女は照れながら笑う


いろいろやって来たけれど

心の小川の上流で笑えたのは

ダウンタウンの漫才を

初めてテレビでみたときくらい


陽気になる薬のおかげで

いろいろあって楽しいけどね

なにをするべきかがわからないままだなんて

なんて優しいミステリアスな嘘なんだと想う



なににも耐えられない無力な弱さを

保ちつづけられることだけが

いつもヘラヘラ笑っていられる

秘密の魔法さ

あなたにだけ教えてあげる秘密だよ?


どこにもいない人を探して

夜の砂浜を月あかりを頼りに歩く

闇ばかりをふみしめつづけながら


あたしは勇気よりも偉大な心を知らないかな


泣いてたのはじつはあたしのほう


リストカットをしたこともないのが

恥ずかしいと泣く彼女は

下を向いて舌を出して世界を小馬鹿にしてる

その気持ちがあまりに痛くて

嘘みたいにあたしの心が痛くて苦しくて


そんな嘘みたいなことホントにあるんだな


彼女の名前を口の中で呟きながら

泣いていたのはじつはあたしのほう







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