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第5話 ダンジョンへ①

「ダンジョンですか?」


「悩んでいるようだったので」


 俺は少し悩むと返事をした。


「ありがとう、同行させてくれ」


 俺はそう答えた。


「分かった、まずは情報交換しようか」


 剣を持った彼女はそう言うと、ギルドホールにある食事スペースの机に向かい、俺たちは椅子に腰をかけた。


「まずは俺から、職業クラス、侍のシンです、よろしく」


「私はこのパーティーの、リーダーで職業クラス、剣士のミスリアだ、よろしく」


 先ほど話しかけて来た剣士のミスリアは、簡単に自己紹介をすると、隣の魔法の杖を持った彼女が自己紹介を始めた。


「魔法使いのイシス」


 魔法使いのイシスは面倒くさそうにそう言い、さらに隣にいた狼の耳と尻尾を持った彼女は元気に話し始めた。


「私は、職業クラス、斥候のユエリアよろしく〜」


 ユエリアが話し終わると、リーダーのミスリアは真面目な顔で、これから向かうダンジョンについて詳しい話を始めた。


「今回向かうダンジョンは危険度Sのダンジョンだ」

 

 危険度とは世界中にある冒険者ギルドが、その土地や国にあるダンジョンを危険の度合いに応じてランク付けしたものである。


 そして冒険者ギルドの仕事は、新しく出現したダンジョンの調査、ランク別に分類されたダンジョン内の魔物の討伐、その他にもクエスト依頼による魔物討伐や護衛、街の些細なクエストなどが仕事だ。


 冒険者ギルドランクは上からS、A、B、C、D、Eとありクエストやダンジョン探索をする事によって冒険者ランクが上がる。そしてより強い魔物討伐や高難易度クエストが受けられる様になるのが冒険者ギルドのシステムだ。


「このダンジョンは危険度Sなせいで、ダンジョンに入れるパーティーが少なく、強い魔物が溢れてくる危険性がある」「それを阻止する為、このダンジョンに潜るわけだが」


 そう魔物が溢れる、この現象はダンジョン内に魔物が溜まりすぎると、ダンジョンの外に魔物が出てくる、この現象をスタンピードと呼ぶ。スタンピードが起こると人の生活圏に魔物が出てくる為、多数の被害がでる。これを阻止するのが冒険者ギルドの仕事の1つだ。


「このダンジョンは少し危険で、皇都の近くにあるから、討伐した量に応じて国からの報酬が出る」「私たちは安全確保のため人手が欲しい」「一層でシンの強さを見てから次の層に進むか、戻るか決めるが…」

 

 俺は少し考える表情をすると、口を開いた。

 

「なるほど、俺が強ければ目当てのドラゴンの素材が手に入ると言うわけか……」


「そう言いう事だ」


「なるほど報酬だが、ドラゴンの素材が丸々、手にはいるならその他の素材はそちらの取り分で構わない」


「わかった」「ただし、次の層に進めない場合、シンが戦闘に参加して討伐した魔物の報酬を分配すると言うことでいいか?」

 

「それで構わない」


「イシスとユエリアもそれでいいか?」


「リーダーがそれでいいなら」


「それでいいよ」

 

 その後ミスリアはパンと手を叩いて真面目な顔から変わり笑顔で言った。


「よし、真面目な話はここまでにして、お互いの能力に付いて簡単に話そうか、その方が連携も取れる」


 俺はふっと笑い言った。


「よし、まずは俺から、武器は刀、魔法は火魔法、闇魔法、回復魔法の3つが使える」


 シンが言い終えると、ミスリアが「次は私ですね」と言い話し始めた。


「私の武器は剣で魔法は火魔法、風魔法だ」「次はイシス」

 

「え〜」


 イシスはそう言ってため息をすると、嫌そうに話し始めた。


「武器は魔法の杖、魔法は水魔法、土魔法、雷魔法、結界魔法」


「最後は私だね」


 ユエリアはそう言うと元気よく話し始めた。

 

「武器は短剣だよ」 「魔法は闇魔法しか使え無いけど、その分、罠探知とか探索に向いてるスキルを持ってるよ」


 ミスリアは少し考えなが言った。


「シンは侍との事だが、私といっしょに前衛でいいか?」


「それでかまわない」


「では、お昼の鐘が鳴った時に、ここに集合でいいですか?」


「了解」


 俺がそう言うと、ミスリアたち三人はダンジョンに行く準備をする為にギルドから出ていった。一方で準備が出来ていた俺は一人でその場に待っていた。しばらくが立ちお昼の鐘が鳴ると、丁度、ミスリアたち三人が戻ってきた。


「すまない、またせたね」


「いや、問題無い」


 俺がそう言うと、俺とミスリア達はギルドから出て厩舎に向かった。


「移動には馬を乗るが、シンはどうする」


「いや、俺は馬には乗れ無いから、馬のゴーレムに乗る」


「そうか」


 ミスリアがそう言うと、イシスは嫌そうに言った。


「遅くならないでよ」


「大丈夫、それなりにスピードは出るから問題無い」


 俺はそう言うと、アイテムボックスから馬のゴーレムを出して跨った。俺とミスリア達は西門を出ると、北西へ向かった。

 

 俺とミスリア達は一時間程度で目的の危険度Sのダンジョンに到着した。ミスリア達はダンジョンのそばに馬を停めておくと、俺は馬のゴーレムをアイテムボックスにしまった。俺とミスリア達がついたそのダンジョンは3メートルくらいある洞窟だった。


 ダンジョンによっては遺跡のような物など、ダンジョンの形は様々だ。


 俺とミスリア達ダンジョンの中に入ると洞窟はす少しうす暗かった。しばらくすると俺とミスリア達は気配感知に反応があり奥からムキムキの3メートルくらいあるオークが、骨で出来た大剣を持って、こちらに歩いてきた、ムキムキのオークはまだこちらに気づいていない様子だった。

 俺はそのムキムキのオークを鑑定をした。


 

 バトルハイオーク

 性別:オス

 種族:オーク

 スキル

 大剣術Lv7

 肉体防御Lv7

 身体強化Lv4

 魔力感知Lv2



 「なかなか強いな…」「こいつは俺が倒す」


 前に出て、刀を抜くと同時に敵を睨む。


「では任せた。見せてもらおう、その実力のほどを」


 ミスリアがそう言うや否や、俺は刀に魔力を流し込む。黒い炎が刀身を包むと、俺は気配遮断を使いながらバトルハイオークに向かって猛然と突進する。一瞬で距離を詰めた。


「ふっ」


 俺はバトルハイオークの左足を切り裂いた。バランスを崩したバトルハイオークは地面に倒れ込み、雄叫びを上げた。


「フゴァァ!」


 起き上がろうとするバトルハイオークの首を一瞬で飛ばし、血飛沫を浴びた刀を一閃で振るって血を払う。


「さすがだ、なかなかの腕前だ。しかし、この雄叫びで他の魔物が集まってくる」


「だな。こいつは俺のアイテムボックスに入れる」


 俺は急いでバトルハイオークの死体をアイテムボックスにしまい込んだ。


「アイテムボックスが使えるとは、珍しいな…」「と、そんなことを言っている場合ではないな」


 ミスリアが指差した先に、2メートルほどのゴブリンが数匹駆け寄ってくるのが見えた。


バトルソードホブゴブリン

性別: オス

種族: ゴブリン

剣術Lv7

盾術Lv6


バトルアーチャーホブゴブリン

性別: オス

種族:ゴブリン

弓術Lv7

魔力操作Lv4

風魔法Lv5


「剣持ち四、弓持ち三」「イシス、弓持ちを頼む。」


「了解」


「ユエリア、気配を消して、倒せ」


「うん、分かった」


「私とシンは前に出て剣持ちを相手する」


「了解」


 俺が指示を出すと、ミスリアと俺は一斉にバトルソードホブゴブリンへ向かって突進した。イシスは杖を構え、岩の槍を三本作り出してバトルアーチャーホブゴブリンに向かって放った。


「土魔法 ロックランス!」


 三本の岩の槍は見事に弓を構えるバトルアーチャーホブゴブリンの胸に命中した。


「俺は右を倒す。」


「では私は左を。」


 俺とミスリアはそう言うと、闇魔法で地面から黒い鎖を作り出し、バトルソードホブゴブリンを拘束した。


「闇魔法 シャドウバインド!」


「ギシャャ!」


 もがきながら雄叫びを上げるバトルソードホブゴブリンに、俺は再び刀に魔力を注ぎ込み、黒い炎を纏わせた。刀でバトルソードホブゴブリンの胴体を真っ二つにし、ミスリアは身体強化を施した一撃で別のホブゴブリンを一刀両断した。


 気配を消して潜んでいたユエリアは、短剣で残りのホブゴブリンの首を飛ばした。


「よし、討伐完了だ。」


 刀の血を払って鞘に戻し、息を整える。


「初めてにしては、よく連携が取れていたな。」


 ミスリアがそう言うと、俺はゴブリンの魔石と討伐証明部位である右耳を回収した。


 「ダンジョンの入口近くだからこんなものだが」「この先、奥に行くにつれて強くなる気を引き締めて行くぞ」


 俺たちは再び一階層の探索を開始した。

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