第4話 三つ目の顔、冒険者として
あれから数日が経ち、俺は冒険者の仕事をする為に皇都の城下街にある冒険者ギルドへ向かって歩いていた。市場には、色とりどりのテントが並びとても賑わっていた。
俺が冒険者ギルドに入ると、ギルドホールは言い争いしている奴や食事スペースで酒を飲んでいる奴などで賑わっていた。
「騒がしいな」「ま、いつもの事か……」
俺は独り言を呟くと、ギルドカウンターへ向かった。
「お久しぶりです」「アンナさん」
「お久しぶりですシンさん」
この人はアンナさん、皇都の冒険者ギルドの受付嬢、俺が冒険者をなりわいにしていたときの知り合い。そう俺は五年前までは冒険者を本業にやっていたのだ。
時は遡る、そうあれは五年前、クエストからの帰還途中の出来事。俺は箱庭世界で使っていた、作業用の馬型のゴーレムに乗っていた。
「今回のクエストも疲れた〜〜〜」
そう言って俺は深い息を吐いた。すると前方に馬車が止まっていて、騎士と盗賊が戦闘していて、盗賊あまりの数に騎士が苦戦しているのが見えた。
「盗賊か……」「仕方ない、死なれると目覚めも悪いし、助けるか」
そうして俺はゴーレムを走らせながら、闇魔法と炎魔法の混合魔法で黒い炎の矢を五本、俺の周りに作り出し、盗賊へ向けて放った。
「やれ、野郎ど……」
黒い炎の矢は盗賊に命中し、一瞬にして盗賊が黒焦げになった。
「騎士さん加勢します」
俺はそう言ってゴーレムから降りると。騎士は俺の格好を見て冒険者とわかった見たいだった。
「冒険者か、すまん、たすかる」
騎士がそう言い、俺は騎士に加勢すると、俺は刀に黒い炎を纏わせながら居合斬りで刀を横に振るい盗賊を斬ると、盗賊は剣でそれを防いだ。しかし俺の刀は黒い炎を纏っている為、盗賊の持っていた剣は溶けながら、盗賊ごと真っ二つに俺は斬った。
他の盗賊が応戦してきた。
「あいつは厄介だ、あいつから先にやっちまえ」
盗賊が短剣を振り上げると、俺は刀の柄で盗賊の腹を突いた。腹を突かれた盗賊は気絶した。他の盗賊たちが次々と襲いかかってくる中、俺は冷静に対処していった。黒い炎を纏った刀を振るうたびに、盗賊たちは恐怖に怯え、次々と倒れていく。
「クソが、退却だ!」
盗賊のリーダーが叫んだ。
盗賊たちは慌てて逃げ出し、戦場には静寂が戻った。騎士は息を整えながら、俺に感謝してきた。
「助かった、冒険者よ。君がいなければ、どうなっていたか…」
「気にするな。クエストの帰還途中に通りがかっただけだ」
騎士は微笑み、俺に手を差し出した。
「名前を聞いてもいいか?」
「俺はシン、冒険者ランクはBランク」
「おお〜」「どおりで強いわけだ」
騎士がそう言うと馬車の中からメイドが出てきた。そう、それがエルザだった。
「シン様、助けていただきありがとうございます」「体調がすぐれない主に変わり、感謝を申し上げます」
メイドのエルザはそう言って、俺に深々と頭を下げた。
「無事で良かったです」「ところで、体調がすぐれないと、言っていましたが、よければ俺が見ましょうか?」「こう見えても高位の回復魔法が使えますから。」
「お気持ちは嬉しいですが、生まれつきの病気でして」
エルザは警戒してか断ろうとしていたが、馬車の中から馬車に入れて、と苦しそうな声が聞こえた。エルザは俺を警戒しながら馬車に入れると、そこにはまだ幼いアナスタシア様が熱にうなされて横になっていた。
「詳しい事を聞かせてもらえますか?」
俺はエルザに、アナスタシア様の症状に付いて詳しく尋ねた。
「魔力に関する病気、くらいしか分からなくて」
俺はその事を聞いて直ぐにピンときた。魔力が異常に溜まりすぎて、身体が魔力を処理し切れない時になる症状に、似ていたからだ。俺はアナスタシア様に近づき手を握った。するとアナスタシア様の身体の中で、ものすごい量の魔力が身体の外に出ようとするのが、魔力感知で感じられた。
「なるほど、魔力回路がないせいで、魔力の器から行き場を失った魔力が身体の外に出ようとしてるのか」
俺はアナスタシア様の症状を把握すると、すぐに魔力操作で魔力の器から魔力を抜いた。するとアナスタシア様の顔色が少し良くなった。
「もうじき熱が下がるでしょう」
俺がそう言うと、アナスタシア様は横になりながら、まだ苦しそうしながらも笑顔で言った。
「ありがとうございます」
エルザもそれを見て少し笑った。しかしシンはアナスタシアを見ていて気づく事は無かった。その後、何やかんやありシンは皇城に招かれて、アナスタシアに仕える事になったのだった。
時は戻り、冒険者ギルドにて、受付嬢のアンナさんとの会話中だった。
「本日はどのような用件で?」
そう俺はとある目的の為にドラゴンの魔石の素材が欲しかった。
魔石とは魔物の体内にある石の事だ、すべての魔物に存在するものであり、魔石は魔物が魔法を使う為に必要なものである。魔物は人類のような魔力回路がなく、魔石から魔力操作を使って魔法を発動している、そのため魔物は魔力にとても敏感だ。しかし魔物の中にも例外がいて、ドラゴンなどには、魔力回路が備わっていて、魔物の魔法と人類の魔法の両方が使える。そして魔物が生れるには二種類の方法が存在する、繁殖で産まれる方法と魔力溜まりから生まれる方法がある。それが魔物の生まれる理由だ。
「ドラゴン討伐のクエストある?」
「ドラゴン討伐はSランクのクエストですので、Aランクのシンさんは受注できません」
俺は受付嬢に断られ唸っていると、後ろから三人の女性冒険者に声をかけられた。
「良かったら、私たちと、一緒に、ダンジョンに潜りませんか?」
ダンジョン、それは魔力溜まりから生まれる迷宮であり中には洞窟や自然豊かな階層など様々な階層がある、各階層には魔力で生まれた魔物がいて、階層が深くなるにつれて魔物は強くなる、それがダンジョン。
俺はそんなダンジョンに潜ろうとしていた。
名前:シン 上谷 真司<かみや しんじ>
性別:男
年齢:381歳
種族:??人間????
ユニークスキル:箱庭世界Lv5 ???
スキル
鑑定LvMax
アイテムボックスLvMax
変身LvMax
脳内記録LvMax
脳内記録転写LvMax
言語理解LvMax
魔力操作Lv9
魔力感知Lv8
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刀術Lv7
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火魔法Lv7
闇魔法Lv7
回復魔法Lv9
称号:第三皇女の執事 ????
第1話にイラストを乗せたので見てくれると嬉しいです