第17話 学園都市の散策
間違った文章の修正を致しました。
申し訳ないです。
それは、アナスタシア様と俺達が学園都市に到着して翌日の朝の事、俺達は学園都市にあるベルファルス帝国大使館の敷地内の屋敷に居た。
俺は朝食の仕度をしていると、何やらダイニングルームの方で何やらアナスタシア様とエルザの言い争う声が聞こえた。
「エルザどうしてだめなのですか」
「この時期の学園都市は人も多く私とシンの二人だけの護衛では、姫様を守れません」「ですから、学園都市を散策することを許可できないのです」
俺は朝食のしたくをしながら聞いていたが、エルザの言う事はもっともだ、この時期、トウリス学園の入学者が大勢集まり、学園都市はとても賑わう。貴族向けの宿泊施設も満室になるほどだ。また、平民などが通うトウリス第二学園の入学希望者も多く学園都市に訪れる。だがトウリス第二学園に通う者の殆どが商家の娘や息子などだ。そのため入学者、入学希望者、をターゲットにした商売目的の商人たちが学園都市に集まり、賑やかになる一方で、犯罪行為が増加し、危険な状況を招くことも少なくない。一国の姫が護衛二人だけで街を散策するのは危険だ。
(今回はエルザに同意だな)
俺はそんな事を考えつつ料理を乗せたワゴンをダイニングルームへ運び、料理をアナスタシア様の前に並べた。アナスタシア様は不機嫌そうにしていた。そしてアナスタシア様は俺に可愛い顔をして訴えかけてきた。
「ねえシン、街の中見て回ってもいいでしょ」
(うっ、可愛い)
アナスタシア様の、その可愛さにそっぽを向いてぐっと、こらえた。
「駄目です」
アナスタシア様は頬を膨らませて不機嫌そうにした。その後も食事中、終始無言だった。朝食を終えると俺はアナスタシア様に今日の予定を尋ねた。
「今日のご予定は」
「部屋で本読んでる」「一人にさせて……」
アナスタシア様はしょんぼりと部屋へ入っていった。それを見届けた俺は、後ろめたさを感じながら部屋を後にする。しかしアナスタシア様は部屋に入るや否や、お忍び用に用意していた服に着替え、水色のローブを身にまとった。そして、アルフォンス様とイレイナ様から贈られた髪飾りをつけると、バルコニーへ出る。彼女は氷魔法を駆使して足場を作り、静かに屋敷を抜け出した。
「ごめんなさい、エルザ、シン」
アナスタシアはそう言ってローブのフードを目深に被り大通りへ向かった。
「わあ~~」「すごい」
アナスタシアは沢山の屋台と、剣を腰に下げた人や背が低くヒゲを生やしたおじいさん、小さい子供たちなど大勢の人で賑わっている大通りの光景に驚いた。
アナスタシアは、目の前に広がる賑やかな大通りの光景に思わず息を飲んだ。屋台が所狭しと並び、そのどれもが鮮やかな布や香ばしい匂いで彩られている。剣を腰に下げ、風格を漂わせる冒険者たち。背の低いヒゲをたくわえた人や、笑顔で走り回る小さな子どもたちの姿。通り全体が活気づいていた。
初めて目にする皇都とも違う人々の熱気に、アナスタシアは心の奥底から驚きと新鮮な感覚を覚える。アナスタシアは心を躍らせながら、武器を売る屋台や、年代物の壺や道具が並ぶ屋台を興味深そうに見て回った。そのどれもが彼女の目には新鮮で魅力的に映る。やがて、甘い香りに誘われて歩みを進めた彼女は、ふるふると揺れながら両面に薄い焼き目をつけられた、見た目も愛らしい焼き菓子にたどり着いた。アナスタシアは気になり屋台のお兄さんに尋ねた。
「美味しそうですね」「何と言う食べ物なんですか?」
屋台のお兄さん笑顔で答えた。
「風の雲と言う焼き菓子でふわふわで甘い焼き菓子ですよ」
アナスタシアはその美味しそうな焼き菓子が食べたくなり、屋台のお兄さんに値段を尋ねた。
「1ついくらですか?」
「砂糖を使っているんで、銅貨三枚ですね」
アナスタシアは腰に付けているマジックバッグからお金の入っている小袋を取り出すと、その中から銀貨一枚を取り出し、屋台のお兄さんに銀貨を渡して言った。
「3つください」
「あいよ」
屋台のお兄さんはそう言って包み紙にくるまれた風の雲を3つと銅貨1枚をアナスタシアに渡した。アナスタシアは2つをマジックバッグにしまうと、もう1つの風の雲の包み紙を開けて食べた。
「ふんわりとして、美味しい」
アナスタシアが口に入れたその瞬間、口の中には驚くほど軽やかな食感が広がる。歯を使う必要はなく、舌に触れるだけでスッと溶け、ほんのり温かみのある甘さが広がり、雲のようなふわふふわとした食感にアナスタシアはとても美味しいと感じた。
「お兄さん美味しいです」
「ありがとよ」
屋台のお兄さんは笑顏でそう言った。
アナスタシアは風の雲のその美味しさに夢中になり、あっという間に食べ終えてしまった。満足そうに微笑みながらその場を立ち去ろうとしたとき、不意に背後から声をかけられる。振り返ると、赤いリボンで結ばれたポニーテールを揺らしながら、和服に身を包んだ少女が立っていた。腰には大小二本の刀が携えられ、その姿にはどこか凛とした雰囲気が漂っている。
「そこの方、すまないが冒険者ギルドはどちらだろうか?」
「すみません、私はこの学園都市に来たばかりでわからなくて」
「そうですか……」
和服の彼女が少し困った顔でそう言うと、その話を聞いていた屋台のお兄さんが道を教えてくれた。
「そこの嬢ちゃん、冒険者ギルドはこの大通りをまっすぐ行って時計塔がある広場を右に行ってしばらく歩くとあるぞ」
「屋台の店主さんありがとう」
和服の彼女はお礼を言って立ち去ろうとすると、アナスタシアが和服の彼女に話しかけた。
「すみません、私もついて行ってもよろしいですか?」「冒険者ギルドで冒険者登録したくて」
「構わない、一緒に行こう」
和服の彼女はにこやかに答え、二人は冒険者ギルドの方へ歩きだした。歩いている途中、彼女の珍しい格好にアナスタシアはチラチラ横目で見ていると、見られている事に気づいた彼女はアナスタシアに尋ねた。
「先ほどから私の方を見るが、どうかしたのだろうか」
「す、すみません」「あなたの格好が珍しくてつい」
「そうか、道行く人に見られているのは、そう言うことか……」「この地方ではこの格好は珍しいのだな」
和服の彼女がそう言うとアナスタシアは話したそうに和服の彼女を見ていた。
「そう言えば、冒険者登録をすると言っていたな」
「はい、初めてなので」
「そうか、新人か……」
和服の彼女は小声でそう呟き、少し考えた後アナスタシアを見て言った。
「もしよければ、冒険者についていろいろ教えるが……」
和服の彼女がそう言うとアナスタシアは、ぱあっと明るくなり嬉しそうに笑顔で言った。
「いいのですか、ありがとうございます」
二人はそんな会話をしながら冒険者ギルドへ向かうと、冒険者ギルドの中も大勢の人で賑わっていて、殴り合いの喧嘩をしている人も昼間に酒を飲んで酔い潰れている人もいた。
「騒がしいのはどこのギルドでも同じだな」
和服の彼女はそう言ってギルドの受付カウンターへ真っ直ぐに向かい、アナスタシアもギルド内の様子に少しびっくりしながらも和服の彼女の後を付いて行った。二人が受付カウンターに着くと受付嬢が話しかけて来た。
「本日はどの様なご要件でしょうか」
「隣の人の冒険者登録と、一緒に何かクエストを受けようかと思ってな」
「冒険者登録ですね」
受付嬢はそう言ってアナスタシアに冒険者ギルドの説明を始めた。
「なるほど、見習いから街のクエストを沢山こなしてから正式登録ですね」
「はい、ですが身分を証明出来る物があれば正式登録でEランクから始められます。」
受付嬢はそう言って登録用紙とペンを取り出し、アナスタシアの前に置いた。
「これって身分の証明になりますか?」
アナスタシアそう言ってマジックバッグをゴソゴソ探し始め、皇家の紋章が入ったロケットペンダントを取り出し受付嬢へ見せた。アナスタシアがロケットペンダントを持っていると紋章がキラキラと光り出した。
(この紋章と輝きは!?)
「すみません」「少々お待ちください」
受付嬢は冷静にそう言ってカウンターを離れたが、内心物凄く驚いていた。
「どうしたんでしょう」
何も気づかないアナスタシアはそう言って登録用紙に名前や出身地、使用武器、魔法の属性などを書き始めた。そう、名前をフルネームで書いているのだ、その間、和服の彼女はこの近くに出現する魔物の資料を受付嬢から借りてアナスタシアの隣で読んでいた。
「こちらの方です」
受付嬢はそう言って髭のはやした老人を連れて来た。老人はアナスタシアをじっと見つめた。
「なんでしょうか?」
アナスタシアはじっと見つめる老人にそう言うと、老人はニッコリして答えた。
「問題なし、冒険者ランクEからじゃな」
受付嬢は目を丸くした。
「ですが、ギルド長いくらなんでも」
受付嬢が言いかけたのを止めると、老人は受付嬢に登録処理をするように指示をすると、受付嬢は登録処理を始めた。そして、老人は和服の彼女に手招きして付いて来るよう促した。
「呼ばれたから少し行って来る」
「分かりました」「私はこの辺りで待っています」
アナスタシアにそう言って和服の彼女は老人に付いて行き別室へ向かった。受付嬢はアナスタシアの書いた登録用紙を見ながら何やら魔道具に登録用紙の内容を打ち込み始めた。
「この球体に触れてください」
「わかりました」
アナスタシアがそう言って球体に触れると球体の中からカードが出てきた。
「これが冒険者ギルドカードです」「紛失すると再発行にお金がかかるので気を付けてくださいね」
受付嬢はそう言ってアナスタシアにギルドカードを渡した。
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