教習と現場の違い。
若かりし日になんやかんやあって取った
移動式クレーン免許。
約20年の年月を経て活躍するとは夢にも思ってなかったですが。(笑)
そんな移動式クレーンの教習所と現場の違いを書いてみたいと思います。
「移動式クレーン 実技試験」とYouTubeで検索すれば様子を動画で見ることもできますよ。
学科試験もYouTubeで検索すれば
解説とか過去問とかやってたりしますので
興味のある方は是非!
(私はYouTuberではありません。)
さて、まずは教習所の操作。
教習所では同時に2操作まで。
起伏とウィンチの2つですね。
つり荷を一定の高さにキープするためです。
巻きながら竿を倒したり
下げながら竿を起こしたり
旋回時は旋回のみの1操作です。
伸縮は使うことがないです。
そして、現場では。
基本、常に3操作です。
物を吊り、
ウィンチで吊り荷の高さを調整しながら
旋回しながら
竿を起伏させ
目的地まで物を最短で運びます。
時には狭い場所への差し込みだったりすると
さらに伸縮も加わり、
最大4操作を求められることもあります。
この場合はもちろんゆっくり慎重に。
4操作を求められる現場に当たった時は、
うわっ!めんどくさっ!!
って正直思ってます。(笑)
でも、無事に終了すると、
俺、よくできたなー。ちょっとやるやん?
って内心ドヤってたりもします。(笑)
あとは、玉掛の合図もついでに。
クレーンオペレーターは基本的に合図者の指示通りにレッカーを動かす仕事です。
厳しい現場では指示も無しに勝手に動かすだけで怒られます。
指示は手合図か無線を使ってか言葉のどちらかで行います。
フックや吊り荷が見えるなら手合図。
屋上などへの荷揚げで見えない時や、
玉掛さんが両手を使いたい時に
レッカーの無線で作業を行います。
旋回の指示は人差し指で回って欲しい方向を指差します。(左か右か)
言葉の場合は「レッカーから見て」の
右か左かを指示します。
合図者から見てではありません。
不慣れな合図者はよく左と右を間違えるので
「あれ?」っと思ったら動く前に聞きます。
吊人「ホントに右っすかー?」
玉掛「あ。ごめん左やったわー。」
合図者が思ってる方向と逆に急に動くと
危険が生じるからです。
そして起伏。
レッカーの竿は正式には「ブーム」
専門用語で「親」と言います。
ブームを起こす場合は親指を立てて拳を振ります。
分かりやすいジェスチャーとしては
goodマークを上下に振る動きです。
言葉で伝えるなら「親ゴー」「親、起こし」です。
逆にブームを倒す場合
親指を下向きにして上下に振ります。
分かりやすいジェスチャーとしては
ブーイングの時のやつですね。(笑)
言葉で伝えるなら「親スラー」「親、倒し」です。
そして吊り荷をかけるフック。
親フックとシングルトップ2つありますが、
どちらも「子」と呼びます。
フックが子でブームが親です。
フックを巻いて吊り荷を上げたい場合は
人差し指を上に上げくるくると回します。
言葉では「巻いて」「子、ゴー」です。
障害物が何も無いなら大きく腕で円を書き
「ゴーヘイ!!」(go a head)の略。
これで吊り荷を全速力で巻上げます。
吊り荷を下げる時は
掌を下に向けて上下に振ります。
赤ちゃんを寝かしつける時にお腹をポンポンする動きです。
言葉では「子スラー」「スラー」だけでも通じます。
着地が近くゆっくり降ろしたい時は
掌状態から人差し指だけにして上下に振ります。
さらにゆっくりして降ろす時は小指を使う人もいます。
子の操作のNGワードは
「上げ」と「下げ」の組み合わせです。
どちらも似た発音であるため聞き間違える原因になります。
「上げ」と「スラー」
「ゴー」と「下げ」
のように明確に判断できるなら上げと下げを使ってもOKです。
手合図を勘違いしている玉掛さんもたまにいて、
吊り荷を下げて欲しいのに
親指を下向きで拳を振る人がたまにいます。
ブームを倒してほしいんだな。
と操作をすると不思議そうな顔でこちらを睨んできて
二人で顔を合わせて二人とも頭の上に「??」が
浮かんでたりする時があります。
そして、最も大切な合図が
「ストップ!」
レッカーの全ての動きを停止させます。
ジェスチャーはオペレーターに向けてグーを出します。
もしくは手をひらひらと振りましょう。
バイバイの要領で。
オペレーターが吊り荷やフックが見えない時に
「子スラー」
と指示を出すと
原則「ストップ!」
と言われるまで下げ続けます。
オペレーターが「何かおかしいな??」と
勝手に止める事もありますが、
基本的に「ストップ」がかかるまで止めません。
安全第一!合図は正確に!!
これであなたも今日から合図者になれるかも!
レッカーには親と子がありますが、
実は孫もいます。
レッカーの竿の左側に「ジブ」という
親の先に取付けられる延長のアタッチメントが付いています。
現場で職人さんに
「孫出してー。」
と言われるのですが、
これはブームの先にジブを取り付けて。
という意味です。
孫の中にはさらに延長できる竿が格納されていて、
それを「ひ孫」
70トンクラスになるともう1本だせるので
「やしゃ子」
まであります。
ジブの取付、格納は面倒なんですが、
出すたび、格納するたび
こんなん、誰が考えたんやろう??
と思わず感心してしまいます。
これもYouTubeで「ラフター孫出し」で動画で見ることができますので
興味関心のある方は是非見てみてください。
本当によくできてるんですよ!
(YouTubeのまわし者でもありません。)
今回は妙にYouTubeという表記が多かったと思います。
ラフタークレーンに興味を持っていただけたのであれば
是非ともYouTubeで
「ラフタークレーン」
で検索してヒットする動画を見てみてください。
何も知らなかった頃より、
現場で今クレーンがどのように動いているのか
分かるかもしれませんよ?
フックや吊り荷が見えないのに。
そして、それが分かると動画が3倍は楽しく見れるかも?
(諸説あり)