現場デビュー!!
今日もひたすら練習です。
揺れの制御が苦手な理由が判明します。
エンジン、ほぼアイドリング状態で操作してたんです。
バス→トラックと転職してきて
運転技術の根幹に叩き込まれるのが
「省エネ運転なんですよ。」
会社としては燃費を少しでも良くして
消費燃料を抑えたいからです。
いわゆる経費削減です。
クレーンって据えてしまえばその場から動かないじゃないですか。
動かないのにアクセルを踏むって
最初ものすごい抵抗感があったんですよ。
ではクレーン作業でアクセルを踏んだらどうなるのか?
そもそもクレーンは油圧の力で動いています。
油圧を作り出してるのが油圧ポンプです。
アクセルを踏むと油圧ポンプの出力が上がります。
出力が上がるとクレーンの動作が早くなります。
動作が早くなると吊荷の揺れに対して余裕を持ってアプローチできるようになります。
そうすると揺れをとめやすい。
吊荷の揺れにはアクセルがブレーキなんです。
何か表現が変ですね。(笑)
さて、クレーン操作の練習ばかりでもいけません。
入社から2ヶ月あたりで
ちらほらと現場に出るようになります。
もちろん簡単な現場です。
朝、車庫からラフターに乗り換えて現場へ出庫するわけですが、
12トンラフターを初めて公道で走った時の感想。
乗り心地最悪!!
足回りが板バネで上下にめっちゃ揺れるわ、
車体は常にガタガタとうるさいわ、
ステアリングも常に微調整しないとまっすぐ走らない。
あと、ラフターってオートマなんですよ。
しかも3速しかない。
平坦な道でアクセルをベタ踏みして
出せる最高速度が約50キロ。
下り坂とかで惰性がついて60キロ出すと
「エンジン壊れるよー!」
って意味の警告音がピーピー鳴り始めます。
下り坂もフットブレーキ多用しすぎると
重量重たいのにブレーキは前後で4つしかないから
すぐに熱を持ってブレーキが効きにくくなります。
最悪効かなくなることも。
ちゃんとエンジンブレーキと排気ブレーキを使いましょう。
逆に上り坂はアクセルベタ踏みで
エンジンめっちゃ唸ってるけど
速度は30キロしか出なかったりします。
12トンラフターの燃費、
多分リッター2キロぐらいですね。
うん。軽油垂れ流し(笑)
さて。現場の話ですが、
ラフターは必要な時だけ呼ばれるスポットという扱いが多いです。
大きな現場であれば毎日一緒に働いている人たちのコミュニティに入っていく必要があります。
例えるなら小学校の転校生状態ですね。
担任の先生的な現場監督や、
学級委員的な職長さんがいるので
最小限この2人とは打合せの必要があります。
これに関しては人見知りとかだったら大変なんだろうなぁー。
とか考えたことがあります。
現場に入ってまず挨拶。
そして確認するのは作業内容。
1今日は何を吊るのか?
2どこからどこへ吊って持っていくのか?
3吊る物の重さはどれぐらいか?
4どのあたりに据えたら良いか?
ですかね。
この4つ、ひとつずつ解説していきましょうか。
1今日は何を吊るのか?
基本的にその日現場に入るまで何をするのか知らされません。
会社からも。
希に指示書に「機械吊り」とか書いてあったりする程度。
2どこからどこへ持っていくのか
「9時にトラックが機械を積んで入ってくるから、
荷台からここへ吊って持っていきたい。」
と言ったところでしょうか。
3吊る物の重さはどれぐらいか?
例えば機械を吊る場合、仕様書や計画表で重量が記載されていたりします。
誰も正確な重さは分からないので
「1トンぐらい」
みたいな教えてくれかたになります。
ちなみに私の経験上
1トンぐらいと教えられて1トン以下だった試しがほぼありません。
必ず1.5トンあります。(笑)
ひどい時は2トンありました。
倍やんけ。嘘つき!!
4どのあたりに据えたら良いか?
クレーンオペの最初の腕の見せ所です。
狭い現場ヤード内ではいかにアウトリガーが全部出せるかを考えて
全部出せないならどうやれば少しでも
例え1cmでも多く出せるか
を考えて据えます。
周囲の作業員さんの動線を塞いで
「邪魔やなぁ!」
と思われようと現場内ではクレーンファーストで
ベストポジションを陣取ります。
据え方に問題がある場合事前に監督さんから
指示が入ったりします。
監督「ここ、ちょっと人が通れるように少し開けといてくれない?」とか。
作業計画とクレーンの能力表を確認しながら
ベストな位置でクレーンを据えます。
最初の頃はクレーンを据えて少し作業してから
(据える位置、あぁしてたらもっと良かったなー。作業が楽にできたなー。)
という後悔がたくさんありました。
作業ができないわけではないから問題はないのですが。
こういう経験を踏まえて一人前のクレーンオペレーターに成長していくわけですが、
では、一人前のクレーンオペレーターになるための期間はどれぐらいか?
約2年ですね。1年では無理だと思います。
少なくとも私の場合。
2年でありとあらゆる現場を経験して、
現場ごとに臨機応変に対応できるようになると思います。
経験値ってとても大事だと知った最初の2年でしたねー。