表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タイムトラベラースバル〜ラプラスの悪魔〜  作者: 五嶋 月
【第1章】 2006年編
6/24

【第5話】 『暗号』

「え、奈美か、?」


7月20日23時55分頃、昴流曰く、奈美によく似た人が、暗い中、硬いコンクリートの道路の上で血を流して倒れていたらしい。


それに気付いた仕事帰りの1人の男性が、大声で呼びかけ、それに対して来たのが昴流だった。


この事か、と昴流はラプラスが言っていた事件だとすぐに察した。


「奈美なわけないもんな、ただの似ている人か。」


目は閉じてしまっているが、くっきりとしていて、高いその鼻。化粧もしていないのに、赤いくちびる。

さらに、透き通った白い肌。


何をとっても奈美に似ているような気がしてたまらなかった。


しかし、そんなことを考えている暇などなかった。


「誰か、すぐに救急車を呼んでください。」


そう昴流は呼びかけ、周りを捜索しだした。

なにか手がかりとなるものを探したのだ。


そしたら、死体とは、ほんの数十m離れた場所で犯人と思われる人物の置き手紙のようなものが置いてあった。


ちなみに、置き手紙があった場所は、ギリギリ石倉市である。


恐る恐る昴流は、その2つ折りの紙を開いた。


[きわひぬむかふ、もるくめ へをらけ。

家がない。二宮市に戻れ。]


小さな紙に、2行に渡って暗号のようなものが書かれてあった。


「やっぱり暗号か。何書いてあるかさっぱりだな。」


昴流はため息と同時にそう言った。お先真っ暗かのような表情をしていた。


「恐らく家がないっていうのも、二宮市に戻れっていうのも何か示しているんだろうな。」


昴流は、1人立ち尽くしたまま、暗号は何なのか考えていた。


もちろんこの時、警察やら探偵やらにこの暗号を渡して、解いて貰うことだって出来た。

でも、それはなにか違う気がした。

ラプラスも、自分を頼って、この任務を与えてきたのだと、昴流は感じていた。


そんな時だ。

その紙の右下にさらに何か書いてあるのを昴流は見つけた。


[17年後にまた会おう。]


昴流は、目をまん丸にさせた。

衝撃が走った。

やはりラプラスが言っていた同一犯というのは、本当のようだ。


暗号とは関係ないと思った昴流は、21日になったくらいの頃、ひたすら解読を続けた。


しかし、疲れもあってか、近くの公園のベンチに移動した直後、彼が朝の9時頃まで目を覚ますことはなかった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ