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タイムトラベラースバル〜ラプラスの悪魔〜  作者: 五嶋 月
【第1章】 2006年編
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【第3話】 『奈美を救え』

「そいえば、ラプラスの奴、愛する人の名前がどうとか言ってたな。」


そう言って、昴流は、ラプラスに貰った正方形型のスマートフォンのようなものを取り出して、手に持った。


「てか、ここホントに路地裏か?

さっきよりめっちゃ明るいぞ。でも、この家ってあそこにもあったよな。」


場所は2023年の路地裏と全く一緒。

しかし17年前とまでなればまるで別の街かのような見た目をしている。

そんな路地裏と言うよりかは、住宅街で昴流は愛する人の名前とは何なのか考えていた。



「愛する人か。やっぱり奈美なのか。本当に奈美なのか。いや、奈美に違いない。俺の愛する人は奈美しかいない。」


人がいない夜の住宅街とはいえ、1人で女の子の名前を連呼するのは傍から見たら、異様である。



「奈美って入力するしかないか。」


昴流は、奈美以外考えられなかった。

そして、昴流は、その正方形型の機械に電源を入れた。


[愛する人の名前を入力してください。]


その液晶から、そう文字が出てきた。

それと同時にスマートフォンのフリック入力のような画面も表示された。


[村上奈美]


昴流は、心に決め、かたい表情でそう入力した。

まだ付き合ってないとはいえ、両想いはほぼ確定しているようなものだ。

昴流はそう入力するしかなかった。


[その人がいる年代と日付を入力してください。]


次は数字と一緒に、そう表示された。



「待てよ、あの日を入力したいんだが、7月20日か、7月21日か忘れてしまったじゃねぇか。どうするか。21な気がする。21にしよう。」


本当は7月20日である。

この時、昴流は1日ズレた日付を入力したのだ。


[2023.07.21]


昴流は入力した。


[申し訳ありません。2023.07.21にその人物は存在しておりません。]


昴流は衝撃を受けた。

機械の故障を疑ったが、すぐ昴流は自分がいなくなったのが7月20日だと気づき、すぐ入力した。


[2023.07.20]


[わかりました。2023.07.20 村上奈美さんにおかけ致します。]


そう文字が出た直後、電話マークが出てきて、発信音が流れだした。


この時、20時頃だっただろうか。

昴流は夜の住宅街の中、街灯の下で奈美に電話をかけた。


しかし、奈美と電話が出来るという喜びよりも、この翌日、奈美がいないのかという疑いつつも、恐怖でしかなかった。


ただ奈美にはそれを伝えることがどうしても出来なかった。


[申し訳ありません。繋がりませんでした。]


そう表示された。

奈美は確かにいつも20時頃に夜ご飯を食べていた。

昴流はまた後で掛け直すことにした。


そう思った時だった。


[ラプラス様より着信がありました。]


あのラプラスからこの機械に電話をかけてきたのだ。

なんのことかと思い、すぐ電話に出た。


[ガチャ]


「もしもし、藤田だけど。ラプラスか?」


奈美のことが頭から離れず、少し震えたような声でそう言った。


「正しくそうだ。どうやら衝撃の事実をもう知ってしまったようだね、藤田くん。」


「あれってどういうことなんだよ。

2023年の明日にはもう奈美はいないってことなのか。」


「おー、察しがいいね、藤田くん。

さすが、僕が認めた男だ。あなたの愛する人は明日にはもう居ない。明日の、夜頃亡くなる。」


「!?、どういうことだよ、ラプラス!」


「そういうことだよ、藤田くん。くれぐれもこの事は奈美くんには、伝えてはいけないよ。

2006年にいることも、明日奈美くんが亡くなることもね。」


「わ、分かった。俺はどうすればいいんだ。」


「君がいる2006年7月20日、その日に凶悪な殺人事件が起きるんだ。その犯人こそが、今回奈美くんを、殺す犯人でもあるのだよ。だからそいつを始末してくれ。」


「その犯人は誰なんだよ。」


「それがね。私でも分からないんだよ。

同一犯ということくらいしか情報がないからね。藤田くん、本当に奈美くんのことを愛しているのなら、今からやることはわかっているよね。」


「もちろんだ。絶対に捕まえて、奈美を取り返す。」


「期待していますよ。藤田昴流くん。」



涙が出そうになった昴流だったが、見当もつかない中すぐに行動を起こした、昴流だった。


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