【第20話】 『2030』
「俺が奈美と結婚出来ない?」
昴流の表情は絶望の2文字で溢れかえっていた。
「そういうことだ。お前は将来別の女と結婚することになる。」
ラプラスはそんな昴流の表情などお構いなしに受け答える。
「な、なんでだよ。今俺らは付き合ってるんだぜ?
このまま結婚とは行かねぇのかよ。俺らは別れるのか?」
「簡単に言ってしまえばそうだな。
ただ、お前が別の女と結婚してからもお前と村上くんは幼馴染の友達として生きていくことになる。」
「そんなの嫌だよ。奈美と暮らしたい。奈美と生きていきたい。奈美と幸せな家庭を築いていきたい。奈美との子どもだって育てていきたい。」
昴流は俯きながらそう言っていた。
「なんでお前が別の女と結婚するか教えてやろうか?」
ラプラスは別の話を切り出す。
「それは聞いた方がいいのか?」
「まあ。全部お前次第な所はあるが、聞いておいて損にはならないような気はするがな。」
この時昴流は15秒ほど固まっていた。そして15秒後に、
「よし、分かった。その話を聞こう。」
聞くことを決断した。
「じゃあ要望の通り話そう。
まずその女の名前を教えてやろう。『山井 虹音』だ。どこか聞き覚えないか?」
「やまいななね…?山井、虹音…?え?
山井虹音なんて、確か俺の学校にいたような気がするぞ?俺同じ学校のやつと結婚するのか?」
「もちろんそれも驚くだろうが、何か気になることはないか?」
「え?ただの同級生だろ?」
「君は相変わらず察しが悪いね。この前君が捕まえた犯人の名前は山井だろ?そしてそいつの娘でもあるんだよ。要するに、同じ学校で犯人の娘と結婚することになる。」
「え、どういうことだ?なんでそんなことに?」
昴流の表情は一気に曇天の表情へと変わった。
「簡単に言えば、お前が山井を捕まえたことによる山井の復讐みたいなものだ。」
「は?そんなのおかしすぎるだろ。」
昴流の口調と表情から怒りが滲み出ていた。
「お前が山井を捕まえて刑務所に入れられた後、山井はお前が自分の娘と同じ高校に通っていることを知る。そして面会などを通じて、娘にお前を紹介していった。
そして虹音はお前にどんどんアタックをしかける。
そして釈放された2030年に山井の野望通りお前は山井虹音と結婚することになる。」
「何とかしてそれを止めろってことか?」
「まあ。そうかもしれないな。
明日の昼頃また連絡するから、2030年に行ってきてもらうぞ。」
「はぁ。」
大きくため息をついた昴流であった。




