【第16話】 『timers②』
━━━ここは、『timers』本拠地...
「ボス、藤田はやはり中々な男ですよ。」
「そうか、ラプラス。やはりお前に任せて良かったよ。」
ラプラスとボスと思われる人物がtimers本拠地で、話している。ボスは大きな椅子に座っていた。
「それにしても、ボス。なぜあんなただの高校生を、タイムトラベラーとして扱ったのでしょうか。」
「アイツにはな、村上奈美という女がいる...!」
「それがどうかしたんですか?」
「まあ、お前はまだ知る必要はない。
あの二人は、我らが『timers』の最重要人物なのだよ。」
「ほぉ。分かりましたよ、ボス。」
「フッ。藤田昴流と村上奈美はいずれ俺たち『timers』によって上手いように扱われることになるだろう。
何故ならこっちには30人もの仲間がいる...!」
「そうでしたね。No.2としてこれからもあなたのそばにいますから。」
キー
ドアが開いた音がした。
「お久しぶりです、ボス。」
こちらも全身真っ黒の男だ。
「おー。No.6の『エピメデス』君ではないか。」
「いやー、ラプラスさんが帰ってきたと聞いて、思わず駆けつけちゃいましたよ。」
「久しぶりだな、エピメデス。元気にしてたか?どうだった?2030年は。」
「ラプラスさん...。2030年は、凄いですよ。なんか未来って今と違って、可愛い子が多いんですよ。」
ニヤニヤしながらエピメデスは話す。
「エピメデスよ。藤田昴流という男を知っているか?」
「誰です?日本人ですか?」
「知らないならいいんだ。悪かったな。変な質問をして。」
「いや、でもちょっと待ってください。
確か、その藤田なんやらって人が結婚式の会場かなんかで名前がありましたけど。」
「本当か!?相手の名前は!?」
「うーん。何でしたっけね。
あ!思い出しました!」
「本当か!?で、なんて言うんだ!?」
「確か山井なんちゃらみたいな感じでした!」
「山井...?村上じゃないよな?」
「はい!全然村上なんかじゃなかったっす!その村上がどうかしたんすか?」
「いや、なんでもない。ありがとな、エピメデス。」
「いえ!久々にお会いできて光栄です!ではこれで失礼します!」
「聞きましたか、ボス。」
「あぁ。どうやらアイツの結婚相手は村上奈美ではないらしい。ラプラス、2023年の事件が解決したら、藤田を2030年に連れてけ。その山井ってやつの名前も出してもらって構わない。」
「分かりました。次の任務は決定ですね。」
「そうだな、『藤田昴流村上奈美結婚大作戦』とでも名付けようか。」




