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タイムトラベラースバル〜ラプラスの悪魔〜  作者: 五嶋 月
【第2章】 2023年編
16/24

【第15話】 『完全閉鎖』

「とにかく、これを早く何とかしねぇとな。」


「これがどうかしたの?」


奈美は昴流の発言に不安そうな表情を浮かべて、昴流に質問した。


「いや、お前には関係ない。俺が何とかする。」


そう言って昴流は立ち上がり、座席の下を中心に隈無く探した。


「やっぱりか。」


全ての座席下に、毒ガスが噴射されると思われる装置が仕掛けられていた。


「ねぇ。もしかして爆弾とかじゃないよね。。」


当たっているようで外れている。

奈美は、本当に深刻そうな顔をしていた。


「大丈夫。そんなもんじゃねぇ。お前は大人しくしとくんやぞ。」


「分かった。昴流を信じるよ。何のことだか分かんないけど、昴流にかけてみるよ。」


「ありがとな。」


電車の中で、2人の会話が響く。

乗客は、ちらっとこちらの方を見ていたが、やはり、何故こんなにもスピードを出して走る必要があるのかの話題の方が強く、見向きもせず、深刻な顔をしている乗客が大半を占めていた。


「とりあえず、他の車両も見てみるか...。」


そう言って昴流は、隣の第5車両へと入り、2,3席程見て、第4車両へと戻った。


どうやら、その装置は無かったらしい。


昴流はホッとした。


そして、昴流は乗客にこう呼びかけた。


「皆さん。落ち着いて聞いてください。

どうやらこの車両には、毒ガス噴射装置が仕掛けられていました。」


ザワザワ…


乗客は、瞬く間に騒ぎ出した。

そりゃそうだ。毒ガスなんて噴射されたら、この世の終わりだ。命の危機を感じ始めた乗客の中には、うずくまって泣きだす人もいたぐらいだ。


「ですが、他の車両には仕掛けられてないことが分かりました。なのですぐに、第3車両、第5車両に分かれて移動してください。」


それでも泣いている人もいたが、大抵の人は、安心したような表情ですぐ動き始めた。



だが、すぐにドアを開けようとした乗客が衝撃的な事を言った。


「君、ドアが開かないよ。」



「こっちもだよ。」


反対側のドアを開けようとした人もそう言った。


「何ですって!?」


その瞬間、乗客全員が固まった。


「こんな事だったら、窓を開けて換気するんだ!」


そう1人の乗客が言い、窓を開けようとしたが、窓も全く開かなかった。


「クソっ!まさか見られているのか...?」



「ねぇ。なんかだんだん数値が減ってるよ。」


奈美にそう言われて、座席下を覗くと、『14:52』と赤文字で書かれており、カウントダウンかのようにだんだん数字が減っていた。

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