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〜閑話休題〜レティシアの新たな従魔




「お姉ちゃんの結婚祝い何にしようかな…」 


自分が成人すると共に結婚してしまう姉へのプレゼントを考えながら今日もレティシアは北の森で狩りをしていた。

レティシアが頭を傾げると真似するように4体の妖精達も首を傾げる。


「あぁ、それにロベルトさんにあげる誕生日プレゼントも探さないと…

私の瞳の色か…金色の宝石なんてあるかな?」


そこまで宝石に詳しくないレティシアは金色の宝石がどんなのがあるのか全く思いつかなかった。


「お金はこの前ルナ・ルースさんにブリザードベアを売った代金があるから大丈夫だけど…

二人とも高価だからって喜ぶわけじゃないしな…」 


特にお姉ちゃんはお金よりプライスレス、ロベルトさんも同じような気がする。


「やっぱり、思い出に残る様な物が良いよね…

何か…手作りするか…」


悩んでいると、森の奥からガサガサと大きな音を立てて何かが走ってくるのが聞こえてきた。

レティシアはすかさず木の上に登り走ってくる音の正体を目視する。


「あれは」


20m以上先に、赤くて大きな蜥蜴が火を吹いて周りの草木を燃やしながらこちらに向かってくる姿が目に入った。


「レッドリザードだ、久しぶりに見た!

あの革を使った防具って凄く人気なんだよね〜。

そうだ、新しく出来たお義兄さんに結婚祝いでプレゼントしよっと」


レティシアは考えるやいなや、サフィに指示を出してレッドリザードの上に大きな水の塊を用意させる。


「サフィ!今だよ」


「キュー!」


大量の水がレッドリザードの上に降り注ぎ燃えていた草木ごと沈下する。


「よし!レッドリザードって水に凄く弱いからサフィがいると倒すのも簡単だよね!サフィ、よく出来たね!ありがとう」


「キュー!」


水浸しになったレッドリザードは傷一つなく絶命しており、防具を作るのに最適な状態でレティシアのインベントリの中に収納されたのだった。


「ふんふふ〜ん♫良かったお義兄さんへのプレゼントはこれで決まりっと。

この調子でお姉ちゃんとロベルトさんへのプレゼントも何か良いのを思い付ければ良いんだけど」


もっと北の森を散策しようと、レティシアは魔の森の手前をサクサクと歩く。

目と鼻の先が魔の森だが、見えない結界が張られており、手を伸ばすと壁の様に硬い結界に触れられる。

Aランク冒険者のレティシアは入ろうと思えば魔の森に入れるのだが、今日は北の森を散策するつもりだったので、そのまま結界に沿って森を歩いていく。


「なんだろ…なんか光ってる?」


光る方向を目指しレティシアは足を進める。

すると急に鬱蒼とした森が開け、湖が現れた。

そして湖畔の周りにキラキラとした綺麗な球体が沢山浮いている光景が目に入った。


「あれって…クリスタルタランテスだ、初めて見た」


球体の周りで宝石の様に輝く蜘蛛の魔物が一生懸命、糸を吐き丸くしている姿があった。

そのクリスタルタランテスが吐く糸に光が当たるとキラキラと光っていて、なんとも言えない程に綺麗な光景だ。


「凄く…綺麗」


お父さんに貰った魔物図鑑に載っていた超激レア魔物に産まれて初めて出会えた感激に胸がいっぱいのレティシアはこの光景を目に焼き付けようとクリスタルタランテスの姿を見ている。 


「キュー」


「キューキュー」


そんなレティシアを横目に、妖精達はクリスタルタランテスの近くまで飛んで行き、まるで会話をしている様にタランテスに鳴き声を上げていた。


「シュッ、シュルルッ」


「キュー!」


話し終えた妖精達がレティシアの元に戻ってきたかと思うと、何かを訴えるかのようにレティシアに詰め寄る。


「え、どうしたの?」


「キュー!キューキュー」


身振り手振りで妖精達が何かを伝えており、何を言っているのか分からないレティシアだが、何となく甘いお菓子を出せと言われているような気がして、インベントリの中から妖精達が大好きなケーキを取り出した。


「キュー」


そう、それ!と言わんばかりに妖精達はケーキを受け取りクリスタルタランテスの元へケーキを持って飛んでいく。


「何してるんだろう?」


何やら物々交換しているようにも見えた。

妖精達がケーキをクリスタルタランテスに渡すと、クリスタルタランテスは妖精達に丸い糸玉を数個渡していた。


「キューキュー」


「え、私にくれるの?」


「「「「キュー」」」」


「ありがとう!」


戻ってきた妖精達に糸玉をコロコロと渡されたレティシアは、もしかして妖精達がお姉ちゃんの為にクリスタルタランテスにお願いして貰ってきてくれたのではないかと考えた。


「これで、お姉ちゃんに何か作ってあげれたら良いんだけど…」


この量では作れても布の大きさは1㎡だろう。

そんな事を考えていたら、他のクリスタルタランテスが数匹近づいてきた。

まるで何かを強請るような瞳をしてレティシアを見つめるクリスタルタランテス。


「もしかして、ケーキが欲しいの?」


「シュルルッ!シュッシュッ!」


そうだ、と言うようにコロコロと糸玉を足元に何十個と渡してきたのでインベントリの中にあるケーキを沢山クリスタルタランテスに渡すと、嬉しそうに食べはじめた。


「美味しい?」


「シュルルッ!」


うん、と言っているように聞こえた。


「そっか!良かった」


クリスタルタランテスに貰った足元に転がる糸玉を数えるとドレス2着は優に作れる量があった。


「これで、お姉ちゃんにプレゼント作れるかも!皆ありがとう」


「シュルルッ!」


「「「「キュー!」」」」


「あ、でも私糸から布にする方法知らない…どうしよう」


この糸玉をルナ・ルースさんに渡したら作ってくれるかな?

でも、もし作ってくれるにしても、時間かかるよね。

お姉ちゃんの結婚式は私が成人してからの予定だから早くても4月半ばだよね。

それまでに糸を布にして、何かを作るのは時間的に無理な気がしてきた。


「困ったな…」


せっかくクリスタルタランテスの糸玉を貰ったのにと、落ち込んでいると、1匹のクリスタルタランテスがレティシアの足元に擦り寄ってきた。

この群れの中で1番小さな個体だが、人一倍レティシアのケーキを食べたのだろう、お腹がはち切れそうなくらいパンパンになっていた。


「シュルルッ!シュルルッ!」


「え、どうしたの?」


「キュー!キュー!」


「契約、しろってこと?」


「キュー!」


なんかそう言ってる様だったからクリスタルタランテスと契約してみる事にした。

人差し指をクリスタルタランテスの額に付けて「我と契約する者、

汝の名前はキラリ」

と呟くと体が光に包まれ、光が収まれば契約完了だ。


「普通、従魔契約ってこんな感じなんだけどなー、なんでお姉ちゃんが契約すると額に石が出来るんだろ?額にキスするからかな?謎だな…」


無事に従魔契約が済み、キラリを家に連れて帰ると私の部屋に入るなりキラリは手振り身振りで何かを訴えてきた。


「えっと…この扉を開けちゃ駄目ってこと?」


「シュー」


キラリは1人?でクローゼットへと入って行ってしまった。

身振り手振りで伝えてくる、妖精達が言うにはキラリがクローゼットの中に立て篭ってる間、開けてはいけないとの事だ。


「別に良いけど、具合いが悪いとかではないんだよね」


「キュキュー!」


1週間後、未だにキラリはクローゼットの中に立て篭っているから心配になってクローゼットの前で様子を確認。

中で物音がしているからちゃんと生きてはいるみたい、妖精達がたまにご飯を差し入れしているようで空の皿がクローゼットの前に置かれていた。

そして、よく見るとクローゼットの隙間からキラキラと上品に光る布がチラッと、飛び出ていた。


「お母さんが子どもの頃に読んでくれた“鶴の恩返し”みたい?」


機織り鶴ならぬ、機織り蜘蛛の姿を想像してしまった。


早く出て来ないかなって思っていたら2週間後に生地を作り上げたキラリがクローゼットから出てきた。


「シュルシュシュル!!」


布を持って私にドヤ顔?で、頑張ったから褒めろと全身でアピールしてきて凄く可愛かった。

キラリが作り上げた布は光に当てるとキラキラと輝き、美しく滑らかな生地で幅が1mで長さが5m程あった。


「ありがとう!凄く綺麗な生地ね。これでベールを作ったらお姉ちゃんとても喜んでくれると思う」


お礼にお菓子を沢山作ってあげたらキラリは妖精達にも分けてあげる凄く優しくて良い子で、妖精達ともすっかり仲良くなって一緒にお菓子を食べてる姿を見てつい笑ってしまった。



お姉ちゃんにあげるプレゼントは決まったから安心だけど

後はロベルトさんへの誕生日プレゼントどうしよう…。





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